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尖った耳、緑のセミロング、整った顔立ち。
そんな容姿を持った純エルフのディー・ゼロディスは荒野に立っていた。
これが夢ならいいなーとか思って頬抓ってみたとか、ココハドコワタシハダレとかいうボケを1人でかましてみたとか、そんなことはない。断じて。
ディーの仲間であるルイスとフレイアも、この殺し合いに参加していると知ったのは数分前に名簿を確認した時のことだ。
(あの2人ならきっと殺し合いには乗らないんだろうなー……)
それは、今まで一緒に旅をしてきたから分かること。一種の“信頼”だった
もし首輪がなかったのなら、ルイスはきっとあの場でゴキブリ(ゼロ……なんだっけ)を殴り倒していたに違いない。
フレイアに至っては問答無用で十八番(おはこ)のフレイムランスだろう。
けれどそれが現実にならなかったのは、ディーの首にもつけられている鈍く光る首輪の所為である。
これと同じ首輪をつけた1人の少年の首と胴体が真っ二つになったのを、見てしまった。
魔物や精霊は散々倒してきた(1人の力ではないが)ディーだが、あんな形で人が死ぬのを見るのは初めてだった。
もしかしてこの首輪は何かの魔術で、あのゴキブリ(名前を思い出すのが面倒)はハーフエルフか何かかもしれない。
ハーフエルフとエルフは何百年か前にようやく和解したと聞いたことはあるものの、未だエルフを恨むハーフエルフがいると噂で聞いたことがあったような気がする。
エルフだけに復讐するのであれば、人間でるルイス達をこの場に呼ぶのはおかしいのだが。
それとも、それすらも何かの陰謀なのか。
「……うーん。俺、色々難しいこと考えすぎな気がする」
エルフやハーフエルフは元々賢い種族なんだから仕方ない。というのはとりあえず置いといて。
そんなディーの支給品は、エリクシール3本と“スペルカード”というものだった。
エリクシール……それは、どんなに瀕死の状態でもそれさえ飲ませれば健康そのものになるとか、不死の霊薬だとか、そんな噂が流れている薬だ。
もし見れたとしても、少し怪しい店のガラスケース越しから見る程度。値段は破格過ぎて思い出せない。(3ヶ月は遊んで暮らせるような大金だった気がする)
それが3本も目の前に現れた時には、ディーは思わず瓶を落としそうになった(幸い落とすことは無かったが)。
そしてもう1つの支給品、スペルカード。
このゲームに参加している“ハクレイ・レイム”という巫女が使っていたものらしい。
使い捨てで、一度使ったらそのカードはなくなってしまう。けれど、その威力は凄まじいもの……らしい。
その効果が気になるディーだったが、“使い捨て”とある以上無駄に使用しない方がいいだろう。そう思ってデイパックに仕舞った。
ディーはエルフであり、魔術が使える。上級術になればなるほど詠唱に時間がかかるものの、下級のものならすぐに発動できる。
詠唱を守ってくれる前衛がいないのは少々キツいが、それでもなんとかなるだろう。
「んじゃ、早いとこルイスとフレイアを探――」
「おーい、君! そこの君!!」
突然、誰かに呼ばれる。ルイスでもフレイアでもない、聞き覚えの無い男の声だ。
自分以外にはここにいないと思っていたディーは少々驚きつつも、声の聞こえた方をゆっくり振り返った――
「そこの君! 是非我輩を助けてくれ!! いや、助けてくださいお願いします!!」
「あー……えっと……」
――黒い大きな球体を頭に乗せた男が、そこにいた。
【C6 荒地・朝~昼前】
【名前・出展者】ディー・ゼロディス@テイルズオブコンチェルト
【状態】健康
【装備】無し
【所持品】支給品一式、エリクシール(×3)@テイルズオブシリーズ、霊夢のスペルカード@東方Project
【思考】基本:ルイスとフレイアを探してから帰りたい
1:……どうしろと?
2:目の前の青年になんらかの対処
3:勘弁してくださいお願いします
【名前・出展者】サント・アンヌ@リアクション学院の夏休み
【状態】健康、めっちゃ脱力
【装備】サードニックスの指輪@テイルズオブファンタジア
【所持品】支給品一式
【思考】基本:手下を集めてみろるんにリベンジしたい
1:目の前の少年に助けを求める
2:クロとの合流
【名前・出展者】精霊ヴォルト@テイルズオブファンタジア
【思考】不明だが、サントの頭の上が気に入っている様子?
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|022|[[みろるんかわいいよみろるん(彗星テンテーの日記より一部抜粋)]]|
|024|[[ファーストバトル! 鏡VS無表情]]|