開始までの時間は多分一瞬だった。目の前に現れた少女に「。。。死んで。。。くれないかな。。。。。。」と言われた。アレン・ローズクォーツは戸惑った。支給品は確認してある以上、直に闘う事は出きるが、しかしいきなりそんな事を言われれば戸惑う。
 そしてアレン・ローズクォーツもそれは例外ではない、コレから、出きる限りの人を救い、このゲームを終了させるという基本方針を固めたばかりだというのに、いきなりこれだ、さすがに困ってしまう、困ってはしまうのだが、アレン・ローズクォーツはそれを表には出さず、思考を張り巡らせる。


 と、ここまでが開始までの一瞬で、アレン・ローズクォーツは思考を無理やり中断して、回避行動を取る。

 少女が取り出したのはとても巨大なハンマーで、恐らく一発撃ちこまれれば命は無い、この少女はそれを多少は使いなれたように振りまわす


―――彼女が何時も使う武器は鈍器タイプなのでしょう…しかしあのハンマーが本来の武器ではない…のですね

 アレン・ローズクォーツは、仕方ない…と自分に支給された品をとりだす。紙束だった。アレン・ローズクォーツはそれを見たとき、一体何の意味があるのかと困惑したが、説明書には、『呪文を唱えることのできる紙、それを読み上げて、左腕に巻きつけ、最後に『力ある言葉』を唱えると呪文を使うことが出きる。ゼロ…ゴキブリお手製』という説明書を見て、さら詳しい補足書を見る。
 どうやらこの紙束20枚のうち2枚『火炎球(ファイアーボール)』と『炎の矢(フレア・アロー)』は紙束に書かれている言葉を暗記すれば、紙束をもう一度しまう前に暗記した。それほど長い文章ではないので、簡単に覚える事が出来た。
 紙束は全て、右腕にはりつけておく、これで、ここから取り出して、呪文を唱え、左腕に回す…という方法をとった。


――全ての力の源よ 輝き燃える赤き炎よ


 早速詠唱を開始する。少女がこちらに到達する前に、呪文が完成する。
「炎の矢(フレア・アロー)!」
 アレン・ローズクォーツが叫ぶ、少女はその事情を察したのか、右に避けて、回避行動を取る。
 3本の炎の矢が襲いかかり、少女の居た場所を黒焦げにする。
 アレン・ローズクォーツは驚いたが、直に次に呪文の詠唱に入る。


――全ての力の源よ 輝き燃える赤き炎よ 我が手に集いて力のなれ


 互いに3歩以上の間を取る。少女の左右は、木の影となって見えない
「火炎球(ファイアーボール)!」
 一つの、名前の通りの火炎球が少女に向かって襲いかかる。少女はとっさに右に飛んで―――飛んで―――飛んで―――居なくなった。


―――なっ!


 思わず驚いて辺りを見渡す。本当に何の前触れも無く居なくなった。あそこで隠れるんには余りにも勢いがある飛び方だった。


―――。。。根本的に。。。詰めが甘いんだと思うよ


 少女…『ミアージュマリアウェル=Åм』がそう思考しながら、『後ろ』から現れる。
 アレン・ローズクォーツは驚いて後ろを向き、巨大なハンマーと振りかぶるミアージュマリアウェル=Åмを確認、瞬間移動を行った。


―――。。。。。。人間。。。なんですよね。。。あなたは。。。


 ミアージュマリアウェル=Åмはそうしこうしながらも、既に歯止めが効かなくなった巨大ハンマーで虚しく空を切る。


 アレン・ローズクォーツは、有得ない疲労に困惑する。困惑しながらも、コレ以上の疲労はまずい…と瞬間移動を終了させる。そしてあらかじめ唱えておいた呪文を解き放った。
「炎の矢(フレア・アロー)!」

 3本の炎で形成された矢が再びミアージュマリアウェル=Åмを襲う、ミアージュマリアウェル=Åмは、少し動作が遅れるが、何とかそれをかわしきる。そのままもう一度巨大ハンマーを構えて、アレン・ローズクォーツに襲いかかる。アレン・ローズクォーツは仕方無しに軽い瞬間移動でそれを避ける。
 再び疲労が襲うが、本当に少しだったため、その疲労は大分小さい、ミアージュマリアウェル=Åмは再び巨大ハンマーで空を切る。

―――。。。何とかしないと



 ゆっくりと立ちあがり、間合いを取られたアレン・ローズクォーツを見ながら、ミアージュマリアウェル=Åмは思考する。こうなったら…と辺りを見る。気取られないような場所に鏡と展開させる。そしてそこにアレン・ローズクォーツを見ながらツッコミ、中に入る。
 そして、アレン・ローズクォーツの真後ろに出る。
 アレン・ローズクォーツは直にそちらを見て、呪文を解き放った。
「火炎球(ファイアーボール)!」
「。。。な。。。。。。。。。」
 思わず声がこぼれる。そして、避けきれないと見ると、ファイアーボールで隠れるように鏡を作りだし、受け止める。



 そしてその鏡に着弾、爆発炎上した。


―――やったか!?
 アレン・ローズクォーツはふぅ、とため息をはく、ため息ではあるが、安堵の息であった。が…
「……な………………」
 思わず声がこぼれる。そして、ミアージュマリアウェル=Åмの巨大ハンマーでの一撃を、瞬間移動で、何とかかわしきる。


―――しかし、この疲労は…まさか…

 そこでアレン・ローズクォーツは何かに思い当たったようだ、そして『柵』を練る。
 呪文を唱え終わり、ミアージュマリアウェル=Åмの横に瞬間移動したアレン・ローズクォーツは、呪文を解き放つ
「火炎球(ファイアーボール)!」
 火炎球がミアージュマリアウェル=Åмを襲い、ミアージュマリアウェル=Åмは伏せてかわす。アレン。ローズクォーツがそこに突っ込み、再び唱えた呪文を解き放つ
「炎の矢(フレア・アロー)!」
 これをミアージュマリアウェル=Åмは何とか飛んでかわし、見えなくなった。


―――木の影に隠れられましたか…どっちにきます?


 そう考えながら、直に後ろを向く、そして、呪文を唱えながら、少しだけ待った。そして、横から出てきたミアージュマリアウェル=Åмの攻撃を、予測はしていたのであろう、何とか伏せてかわす。
 その後、何とか体を反対側にひねって、呪文を解き放つ


「火炎球(ファイアーボール)!」
 再び、ミアージュマリアウェル=Åмは爆発にのみこまれる。アレン・ローズクォーツ何回か方で息をしながら、立ちあがる。そして再び呪文を唱え始める。


―――念の為…


 そして、いきなり現れたミアージュマリアウェル=Åмにむかい、呪文を解き放つ
「炎の矢(フレア・アロー)!」
 いきなりの攻撃ではあったが、ミアージュマリアウェル=Åмは何とかそれをかわして、再び突っ込んでくる。
 アレン・ローズクォーツは瞬間移動で、出きる限り間合いを取る。
 そして、右手に撒きつけていた紙を一枚取り、攻撃系だと確認して、詠唱には入る

――光よ 我が手に集いて閃光となり 深淵なる闇を打ち払え


「エルメキア―――」

 ミアージュマリアウェル=Åмはそれを聞いて何かをする。アレン・ローズクォーツはお構いなしに呪文を解き放つ



「――――ランス――!」
 アレン・ローズクォーツの左腕から紙が消え去り、光の槍が生まれる。光の槍はミアージュマリアウェル=Åмを…鏡を包んではじける。ここでミアージュマリアウェル=Åмは驚愕の声を上げる。
「。。。壊れない?。。。。。。」
 ミアージュマリアウェル=Åмはしまったと鏡をしまうが、もう遅かった。アレン・ローズクォーツは最後の『柵』を張り、発動させる。


 不意に自分の体が持ちあがり、ミアージュマリアウェル=Åмは困惑する。
「。。。何。。。。。。コレ」
 アレン・ローズクォーツはいつも通りの無表情だ、ミアージュマリアウェル=Åмは、辺りを見渡して、ヤット理解する。自分は糸…『柵』に絡め取られ、嵌められていたのだと…
 柵は辺り一体に張り巡らされ、自分の手足を絡め取っていた。動く事は出来そうにない。



 そして、アレン・ローズクォーツはこの『柵』の最後の仕上げを 行う
「眠り(スリーピング)」
 紙束の呪文の中の、暗記で使用可能となる呪文を、この『柵』の為に隠しておいた呪文を解き放つ、ミアージュマリアウェル=Åмの意識は、そこで眠りに落ちていった。



+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +



「よい夢を…見られるといいのですが」
 アレン・ローズクォーツは糸を回収しながら、そう呟く、あちこちに絡まった糸は、スイッチ一つで、ゆっくりとアレン・ローズクォーツの右腕に入れられている収納機の中へ入って行く
 大分…20分ほどかかって、ヤット糸の回収はオワリ、アレン・ローズクォーツは歩き始める。


―――さて、自分の居るところはG5の森ですね、ここからなら、多分、この村満ちたいなところのほうが近いのでしょうが…どちらかと言うと、こちらの街のようなところに言ってみたいですね、人は…こちらのほうが多いような気もしますし…


鏡VS無表情 その始めての対決は、殺しを否定する無表情に軍配が上がった。



【G5 森の中・朝】

【名前・出展者】アレン・ローズクォーツ@セイラ
【状態】かなりの疲労(戦闘に支障は出るかもしれないが、歩くのには問題は無い)
【装備】スレイヤーズの呪文の紙束@ゴキブリ 糸
【所持品】基本支給品一式
【思考】
基本、出きる限りの人を救い、このゲームを終了させる
1、街に行って見る
2、仲間を探す



【名前・出展者】ミアージュマリアウェル=Åм@あの空の向こう(間違いは知らない+英語略)
【状態】睡眠中 健康
【装備】巨大ハンマー
【所持品】基本支給品 未確認支給品1~2個
【思考】
基本、ゲームに乗って優勝し、願いをかなえる
1、睡眠中


【スレイヤーズの呪文の束@ゴキブリ】(残り19枚)







『呪文を唱えることのできる紙、それを読み上げて、左腕に巻きつけ、最後に『力ある言葉』を唱えると呪文を使うことが出きる。ゼロ…ゴキブリお手製』
残りの呪文一覧
火炎球×1
炎の矢×1
眠り ×1
烈閃光×2
氷の矢×4
治癒 ×2
浮遊 ×2
竜破斬×2
神滅斬×2(未完成版、完成版一枚ずつ)
重破斬×2(未完成版、完成版一枚ずつ)


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最終更新:2008年11月16日 13:18