製作者 | なべ子 |
出場大会 | 第5回【無差別】 |
経歴 | 大会出場(1回戦敗退) |
設定
とある絵本の話。
そのお話では木の根から白い犬が生まれ、爺と婆を裕福にし、みごとな桜の花を咲かせたそうな。
だが話には続きがある。
白い犬を殺し、臼を焼き、灰を振りまいた爺のお話。
お殿様によって牢に入れられた爺は、一つの頼みごとをする。
「殺してしまった犬に償いたい、死んだ後のワシの体は犬が生まれた木の下に埋めて欲しい」
願いを聞き届け、牢の中で老衰をむかえた爺の遺体はその場所に埋められた。
だが爺の思惑はここにあった。
犬を生んだこの大樹には不思議な力があるに違いない。
力を持つものが自分を拒むのであれば、自分がその力を奪い使えば良い、と。
爺の怨念は神聖なる大樹を侵食し、融合し、その不思議な力を手に入れたのであった。
大地から這い出たその姿は、白い犬そのもの。
しかしその体はどす黒く、根っこが絡み合って出来た偶像。
背負うかつて見事な桜を咲かせていたその大樹は枯れ、歩く振動で揺ると灰を降りまいた。
降りまかれた灰に触れたモノは色を失い、一瞬にして水分を奪われ枯れ果てる。
ソレはこう呼ばれた。
―灰犬樹(はいけんじゅ)―
人ではないソレは生理的・本能的欲求から解放され、
ただ有り余る力を放出させるだけの存在になった。
灰犬樹はまず村を潰した。
次に町を破壊した。
そして城を崩壊した。
絵本(せかい)を支配した。
そんな時、自分を止められる者は誰一人といなくなった
捻じ曲がった本の中で、退屈していた灰犬樹にどこからか言葉が届く。
―この無限に広がる並行世界で、今この瞬間一番強いのは誰なんだ?―
灰犬樹はこの時初めて、自分が絵本の中の一部だったことに気づいた。
まだ、ほんの一握りの存在なのだと。
このチャンスを逃す手はないと、自分に差し出された光の道を歩む。
誰よりも強く、誰よりも上に立つ者になりたい。
作り物の世界ではなく、本物の世界をも支配する存在になるために。
************
外見
その大きさは20m以上の大樹を背負う黒い巨犬。
性格
凶悪かつ凶暴。慈悲の心は無い。
神聖なる大樹の力によって空気を震わせ音(言葉)を発することが出来るが、
発する言葉は下劣極まりない。
戦闘方法
物理:その巨体で地鳴り、踏みつけ、薙ぎ払いをする。
顔に近づきすぎると、威嚇吠えで聴覚を一時狂わせ、その犬歯で噛み砕きにかかる。
振りまく灰は視界を悪くし、吸えば水分を奪われ、身につくと動きが鈍る。
灰には強アルカリ性が含まれており、軽い化学火傷を起こす。
(ここに水が含まれるとより強アルカリ性が増す)
また大樹の根は自由に動かす事が出来る為、一部形を変えられる。
(基本移動手段が犬の姿な為、全体の形を崩すことは出来ない。)
根っこが触れている面から花などを生み出す事ができる。
生み出せるモノはこの絵本に登場するモノのみ。
(参考絵本に載ってたモノ:大判・小判・蛇・ムカデ・糞・花)
振りまいた灰を操り犬の姿に変えて攻撃、または周りにまとってあらゆる攻撃から身をガードする。
補足