製作者 | カシヲ、くろん |
出場大会 | 第六回大会 |
経歴 | 優勝 |
設定
生まれたその日から彼の知識への探求は始まっていた。
生後2週間で四つん這いで移動し、更に3か月後には自らの足で立ち上がった。
一歳の時には両親と簡単な会話を交わした。
母親が一度読んだ本を、次からは自分も目で追って読む。
母親の言葉と文字を照らし合わせ、独学で文字を覚えた。
二歳の頃、彼は読書の虫になっていた。
幼稚園に通いながら本を読み、ご飯を食べながら本を読み、寝るとき以外はずっと本を読んでいた。
知識を蓄える事が、幼き一宮黄金にとっての喜びであり全てであった。
それは今も尚変わる事はない。
そんな無限の探求心を持つ彼が、国を離れ世界に目を向ける事に時間はかからなかった。
世界中の本を読み尽くしたい。
その想いだけを胸に黄金は、10歳にして世界を旅した。
時には断崖絶壁にある教会にあるという本を求めて、数カ月掛けて崖を体一つで登り詰め、
民族紛争が絶えない銃弾の飛び交う地域でも、黄金は本を読み続けた。
食べ物が底をつき、何日も水を飲まない生活が続こうとも、極限の疲労の中で、骨は折れ、筋は千切れようとも、決して本を読む事だけはやめなかった。
そんな生活を続けて数年の時が流れた時、黄金の驚異的な精神力は肉体にまで変化をもたらした。
ある時、居眠り運転のトラックが不運にも黄金に衝突する事故があった。
衝突したトラックは完全に大破し、鉄塊と化したが、数十メートル吹き飛んだ!
しかし黄金は頭にかすり傷を負っただけだった!
黄金の精神力が、肉体を進化させたのだ。
それは断崖絶壁を悠々と登る事が出来る腕を、銃弾でも怯む事のない肉体を、数日の断食に影響されたいスタミナをもたらした。
16歳の時、日本に帰った黄金は、周りの人々を驚かせた。
筋骨隆々になった肉体もそうだが、その知識量と語学力だ。
当時にして黄金は既に三十か国語を越える言語をマスターし、知識量は専門の大学教授を上回った。
そんな少年を菩氷学園が見逃すはずもなく、程なくして黄金の元に入学届が届いた。
学園の規律に目を通す黄金は、一つの項目に目が留まった。
「調停委員」
菩氷学園の力があれば、菩氷学園そのものを世界最大規模の書物庫にする事も……
いや、菩氷学園付属大図書館を建設しよう。
そこを世界最大の図書館にして、世界中の書物を集結させるんだ。
世界中の本を読み尽くしたい。
黄金は幼き日からの想いを叶えるために、立候補した。
それが如何に利己的で、バカげた理由であったとしても……
黄金の精神と肉体は決して揺らぐことはない。
補足
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