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スノウ・ヴィジター

 

 

 

製作者 山田屋
出場大会 第四回大会
経歴  

 

 

 

 

設定

スノウ・ヴィジター 21歳 女性
(名前の由来は鷺の別名、雪客)

 

●罪状

 

 殺人教唆
 選挙管理法違反
 公文書偽造
 インサイダー取引
 国家反逆罪

 

 その他含む、29種 43万2290件
 (直接暴力などが関わる事例は一件も無し)

 

 終身刑


 

●経歴

 

 平凡な家庭の次女として生まれ、平凡ながらも暖かく平和な家庭環境で育つ。
 幼い頃から相手の心に響く声を持っていると評され、役者の道を志す。
 彼女は演技というものに魅了され、そこに無いはずの世界を創り上げるという芸術に没頭していった。

 

 スノウの演技は観る者を魅了し、観客や共演者をまるで本当に芝居で設定された世界の中にいるかのように錯覚させた。
 スノウの立つ舞台は一つの別の世界として存在するように観客を魅了し始め、スノウは更なる演技の研鑽に没頭していたのだが。
 スノウの舞台を観た観客や共演者が、徐々に『戻ってこれなくなってきた』のだ。
 現実の世界とスノウが表現する世界、どちらが本物か判別がつかなくなるのだ。
 観客は劇場を出て現実の世界に触れれば、その違和感から徐々に現実に引き戻されるのだが、スノウと長時間舞台稽古に励む仲間はそうもいかなかった。

 

 ある日、俳優の一人が殺陣の練習中に血を吐いて倒れた。
 その場にあるのは演劇用の模造刀。
 しかしその俳優は、斬られた演技を演技と思わないまま、苦悶の表情で絶命した。
 呆然としたまま立ち尽くす練習相手の青年は、背後から鈍い衝撃を受ける。
 倒れた俳優の役の恋人役だった女性は、憎悪に目をぎらつかせながら、手にした携帯電話の角を青年の背中に押し付ける。
 まるでそれが鋭いナイフでもあるかのように、青年は身を捩り苦痛にのたうつ。
 苦し紛れに振った模造刀が女性の身体を薙ぐと、やはり彼女もまた斬られたかのように悲鳴を上げて倒れ付す。
 いつもの舞台の練習風景は、演劇の台本における人間関係のままに愛憎入り乱れた殺し合いの修羅場と化す。
 そんな様子を、『その現場に皆と同じようにいる』と全員に思い込ませたまま、スノウは舞台から降りて客席からその様子を眺めていた。
 自分の演技で創り上げて舞台を、楽しそうに愉しそうに。

 

 劇団が惨劇のままに崩壊し、一人となったスノウは演劇の世界には戻らなかった。
 今居るその世界そのものを舞台として、己の脚本のままに一つの劇を創り上げるかのように。
 その頃はまだ悲劇の女優だった彼女は、マスコミのコネを利用して裏から政治・経済の世界の重鎮をじわじわと侵食していった。
 己の思うが侭の脚本の元、いつでも悲劇でも喜劇でもその中心に立てる素晴らしい世界を作ろうと。
 掌握した政治家の数は両手で数え切れない程に。
 経済界に至っては、彼女の息の――いや、『声』の掛かっていない大企業は存在しない程に。
 大規模な洗脳活動であれば、然るべき機関が即座に動く事態だっただろう。
 だがスノウの演技(ちから)は洗脳ではなく、強いて言うのであれば『騙されているだけ』であり、異能を相手にする機関の警戒網には一切触れる事は無かったのだ。

 

 しかし、そんな彼女にとっても、世界は広過ぎた。
 声の届かない者が多過ぎるこの世界は、自分の舞台にするには広すぎる。
 そう考えていた矢先に、スノウは自分の存在を追っていた若い探偵によってあっさりと捕まってしまった。
 無闇に人を疑わない純真さと、愚直にはならないしっかりとした知性を持ち合わせた、まさに物語の主人公のような青年には、スノウの演技(ちから)は全く通用しなかったのだ。

 

 さしたる抵抗もせず、スノウは自らが行った社会的に悪と認識される行為全てを詳細に語り上げ、裁判を終えて特殊収容所へと収監される。
 それは、自分の演技(ちから)が通用しなかった青年探偵への敬意だったのかもしれない。

 

 そして、特殊収容所での生活が始まるうちに、スノウは青年探偵へと感謝の思いを胸に抱く。

 

 自分の世界とするために、なんと手頃で丁度良い閉ざされた世界へ送り込んでくれたのだろうかと。

 

 スノウはすぐに身近にいた囚人や看守をじわじわと取り込んでいく。
 外の世界に悟られないように、ゆっくりとゆっくりと。

 

 そしてスノウは、練り上げた脚本を広げ舞台の幕を上げる。

 

―――

 

 ある日、独房から一人の囚人が脱走した『ことにした』。
 どうやって強固な独房から抜け出したのかは『謎の方が面白いので』不明。
 その囚人は迷うことなくコントロールルームに向かい、当直の看守を殺害『したことに』してから『看守の手により』全ての独房のロックを解除した。
 『真っ先に』放たれた『スノウによって操作された』囚人達により、特殊収容所内はパニックになり、ほとんどの看守『は既に安全な区域に非難させた』が殺害または行動不能状態に陥った『とい

 

うことにした』。

 

『操作された』囚人は一斉に特殊収容所からの脱出を図ったが、特殊収容所は『最初から』厳戒態勢になっており、特殊収容所の扉、窓、あらゆる脱出口が封鎖されていたが、看守の多くの生死が不

 

明『ということにしてある』ため、ライフラインの供給は継続され続けた。
 悪にまみれた混沌の空間で、一人の囚人『に』声を上げ『させ』た。

 

「ボスを決めよう」

 

 閉鎖された科学都市の中にもう一つ、禍々しい国家が築『くために』。

 

―――

 

 ただ一つ。
 スノウにも誤算があった。
 舞台には登場しない、架空の誰かであったはずの一人の囚人が、本当に存在したという事。
 外界からの干渉に、何事も無かったかのように対応するために掌握してあった看守が、本当に殺されてしまったという事。

 

 自分だけの舞台となる世界を創り上げるために、声(ちから)の届かない異端分子が存在しては困る。
 スノウは未だ掌握し切れていない、有力な囚人達を掌握するために。
 本当に現在の事態を起こした『一人の囚人』を探し出すために。
 多くの囚人(かんきゃく)が見守る戦いの舞台の上に立つ。


 

●能力

 

 声による音の振動を意識的に操作できる。
 彼女が持つ能力はそれだけだが、それは彼女の演技を対象に確実に伝える事となる。
 何らかの能力により音を封じられても、演技そのものの技術は封じられる事は無い。

 

 身体能力はアクション俳優並だが、耐久力はそれほどでもない。
 敵わないと悟った場合は即座に周囲の観客や審判役などを演技(ちから)で味方につけて即座に降参する。



 

ニア・マイ・ジ・タン(私の傍にある舌) ※二枚舌のもじり

 

「はじめまして。まずは話し合いましょう」

 

 呼吸や音質を巧みに調整し、相手に言葉を聞かせる能力。
 どんな騒音の中でも自らの意思と言葉を伝える事が可能。
 厚みがおよそ10cm以上の遮蔽物があるか、100m以上の距離があると効果は無い。

 

 音の発生場所の認識を狂わせる事により、目の前に居てもそこには居ないように誤認させたり、三半規管に悪影響を与える事も可能。



 

フェイク・フェア・インク(偽の公正な証書) ※フェイクの韻

 

「では私が知る事を語りましょう、あなたの知らない真実の一つを」

 

 表情、動作、口調など様々な何気ない所作から、相手に言葉を真実だと思い込ませる演技。
 相手が馬鹿であるほど、または疑り深いほど効果は高いが、逆に相手が無垢で素直なほど効果は薄い。
(ここで言う素直とは相手の言う事を疑わないという意味ではなく、敵意も悪意もなく違和感に対して疑問を持つ事ができる事である)



 

キャッチ・セイ・ルーズ(ゆるりと捕らえる騙り口調) ※キャッチセールスのもじり

 

「顔色が悪いですよ? 腕が重くはありませんか? 足ちゃんと動きますか? 動悸が激しくなっていませんか?」

 

 言葉により、対象を操る演技。
 話術による誘導で自己暗示的に身体を不調にさせる。
 発熱、発汗、だるさ程度なら容易に与える事ができ、掛かりやすい相手なら二、三言で昏倒させる事も可能。
 じっくり追い詰めていけば心停止させる言もできるし、傷をつけたと思い込ませれば本当にダメージを与える事ができる。
『フェイク・フェア・インク』と重ねて掛けていく事により、意思の強い相手でもじわじわと効果を強めていける。



 

フール・リターン・コメント(愚者に返す言葉) ※リターン・コメントの略がリコメ、フール・リコメで振り込め(詐欺)のもじり

 

「言葉が届くものには全て意思がある、そうは思いませんか?」

 

 無機物や現象などすら騙して操る事ができる奥の手。
 声や身振りから発生する波長や振動を調整し、様々なものを強制的に操作する。
 何かしら入力を受け付けて動作する機械などは容易に可能で、動きをよく観察した人体を操る事もできる。
 それ以外の物質は、声(音・振動)を伝えにくいものほど操るのは難しく、いかなる衝撃も受け付けないスーパーコンクリートなどの類には一切効果が無い。



 

クライミング・マックス(登りつめた限界) ※クライマックスの意

 

「それでは魅せましょう……私の限界の演技(ちから)を」

 

 相手の深層心理に影響し、もっともされたくない致命的な弱点攻撃をする演技。
 その演技は観る者全てにその攻撃が実際に行われているかのように錯覚を起こす。
 実際には何も起こらないが、受けた相手は精神的に同等の負荷を受けて相応のダメージを受ける。

 

 発動には対象の充分な観察と対話が必要。

 


補足

 

 

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最終更新:2014年06月18日 00:12