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イクリプス(偽名)
元の彼は科学タワーの最先端科学部に籍を置く優秀な科学者だった。
幼少期から彼の進んだ知能は他のものを置き去りにし、また彼もそれこそが当たり前だと思っていた。
彼は全てが自分の踏み台であるべきだと考えており、その性格からか同僚からは距離を置かれ忌み嫌われる存在となっていた。
イクリプスが科学部で取り組んでいた研究は、「天候」。
彼は天候を人為的に操作できることにより、人間がより幸福に生活出来ると考えた。
そして何より歴史に名を刻む輝かしい未来、栄光を、彼はそこに見出していたのだ。
イクリプスは研究部の大半を独占し、同僚である科学者による立ち入りを禁止した。
俗物に自分の研究を見られることすらおぞましく、アイデアの一つでも盗まれようものなら発狂してしまう。
しかしこのイクリプスの行動を受けて、ついに他の科学者たちは彼の追放に蜂起した。
イクリプスは随分と抵抗したが、彼以外の大勢の科学者からの抗議に市長が直々に追放令を出したのだ。
これによりイクリプスは最先端科学の場、光浴びる場から追放されてしまった。
研究するべき「天候」と自分が受けるはずだった「栄光」を失ったイクリプスだったが、彼は決して落ち込まなかった。
その頭脳を街のマフィアに売り込み、彼は協力と引き換えに資金を手に入れた。
如何に人間を苦しめるか、どうすればより殺せる兵器を作れるか、どうすれば科学者共を苦しめて殺せるか、
暫くはそればかりを考えた。
そして結論にたどり着いた。
科学タワーごと、研究者を皆殺しにすればいいのだ。
彼はマフィアから受け取った資金と執念で、人為発雷発生装置を作り出した。
マフィアはそれを兵器として転用する事を強要したが、イクリプスは拒否した。
装置は無事起動。
科学タワーに落雷が落ち、多くの科学者が死んだ。
そして予想外の出来事が起きた。
その膨大なエネルギーがタワーから街に流れ、多くの人間が被害を受けたのだ。
イクリプスもその膨大なエネルギーを受けて、意識を失った。
彼が目を覚ました時、彼の部屋に彼はいなかった。
マフィアは先程の落雷を見て、イクリプスの研究だと確信し、彼の部屋へと一斉に雪崩れ込んだが、
部屋にいるはずのイクリプスはどこにもいなかった。
しかし部屋の中にイクリプスはいる。
部屋の中にいる部屋の中にいないイクリプスは考えた。
マフィアには私が見えていないのだ。
部屋の中にある鏡にも私は写っていない。
彼は直感した。
”私は光を吸収しているんだ”
光の反射を行わない物質を人間は視認できない。
体が熱い、吸収している光が体内でエネルギーに変換されているのを感じた。
彼はそのエネルギーを発散させてみることにした。
力を込めて、右の拳を前に突き出す。
けたたましい程の轟音が、彼の拳が音を越えた事を告げた。
そして部屋の中にいたはずのマフィアは消え、部屋は真っ赤に染まっていた。
彼は確信した。
これは運命だと。
全ての光を喰らい尽くせという天命だと、イクリプスは確信した。
栄光を失った天才は、光を喰らう天災となった。
技:
光を吸収して視覚化させない。
完全な透明人間になる事が出来るが、そこに実在している事は変わりないので攻撃が当たればダメージになる。
光を屈折させ、A地点にあるものをB地点にあるかのように錯覚させる事が出来る。
光のエネルギーを運動エネルギーに変換する。
運動エネルギーは速度にして音速を超え、イクリプス曰く「疑似光速」に到達する。
衝撃波と共に繰り出される打撃は、鋼鉄の鎧すら形を残さない。
拳で殴るというよりは、衝撃波で”潰す”と表現するほうが正しい。
またこれを移動に活用する事も可能。
体に空気抵抗を受ける事から、連続かつ秒単位の使用は不可能。
衝撃波と爆音から隠密行動では使用できないが、この世界の生物が視認する事はおそらく不可能だ。
吸収した光を体から放つ。
周りにいる人の視界が一瞬で白く染まり、あまり見過ぎると網膜が焼き付けを起こす。
補足
こちらに裏設定や別イラストなどを掲載して下さい。
最終更新:2017年02月25日 22:30