
設定
性別:女
物心がついた時には、彼女は凡夫を圧倒していた。彼女の意思とは関係なく。
当初、鏡は彼女を守るためのものだった。しかし、いつしか他人を傷つけることが目的となっていた。
科学的なものが高く評価され、一方で非科学的なものが強く否定される国に生まれた彼女は、どうしようもなく異質であった。
科学者である両親は彼女を自らの子と認めず、周囲からは排斥され、黴の生えたような路地の片隅で膝を抱える日々。
ぼろ切れのような服を身にまとい、ゴミを漁り、他人の物を盗り、時には軽蔑の視線に晒され、暴力を受けながら、彼女は一日一日を生きるためだけに生きていた。
清潔な衣服を身に付け、たくさんの物を買い、美味そうな食事を満足に食う人々を見るたび、理不尽さに唇を噛んだ。鉄の味がした。その味すら惜しかった。
スラムに身を投じている内、同じようにスラムに生きる青年からある場所の話を聞く。
その場所とは、闘技場だった。
スラムで生活するもの同士が殺し合う様を楽しみ賭けをする、富豪たちのために作られた場所。
勝てば金がもらえる。しかも微々たるようなそれではない。
彼女は躊躇わなかった。今さら倫理を翳して諭すような真似はしない。生きるために金がいる。背に腹は変えられない。
了承した彼女はさっそく闘技場へと連れてゆかれる。外からでもわかるほど、妙な興奮と喧騒がそこには満ちていた。
足を踏み入れた先、気味の悪い瞳。脂のような笑みを浮かべる観衆。血走った目を見開く相手。
――“これ”と変わらないのか。
そう考えたとき、初めて彼女は嫌悪した。
無感動に、そっと鏡を取り出す。
灼くような閃光!
相手も群衆も何もかもが辺りに斃れていた。殺人と引換に彼女は勝利した。
観衆の中にいた主催も死に、その闘技場自体がなかったことにされた。
しかしながら彼女は歓喜した。自分を虐げていたあらゆるものを圧倒することができた。なんという優越だろう!
口縁に浮かぶ笑みを隠すことなどできなかった。
――ああ、そうよね。私はあんなものとは違うに決まっているじゃない!
やがて彼女は金と名誉に執着した。さまざまな国を渡り歩き、大会に出場しては他者を圧倒し、金を奪うように得た。
そうして華美な服をまとうことを心底愛した。スラムにいた時の反動のように。
自らの価値を高めることは、すなわち他者を圧倒すること。それは彼女の娯楽となった。
そんな折、この大会の話を聞きつけた。ここで優勝すれば、どれほど自分の優越を示せるだろう!
さも愉快そうに、口角を吊り上げた。
「あら、随分楽しそうじゃない。」
普段は鞄に入れて持ち歩いている。
相手の能力の反射、悪夢を見せること、光をナイフとして反射することができ、反射する方向は自在に操ることができる。
彼女の意思により自在に大きさを変えることができるが、同時に重さも変わる。
鏡に映ったものを反射することができるので、鏡が大きければ大きいほど反射することのできるものが増えるが、あまり大きくしすぎると重さで彼女が鏡を支えることができなくなる(最悪の場合、鏡に押しつぶされる)。
鏡が自立することはない。
相手が鏡に映っていないと悪夢を見せることはできない。ただし、能力の反射や光の反射は、それぞれ能力や光が映っていれば良い(相手自身から能力が発揮される場合は相手が鏡に映っている必要がある)。
- 接近戦用にナイフを足に装備している。
- きちんとした教育を受けていないので教養に富んでいるわけではないが、勘が鋭い。
補足
最終更新:2014年06月20日 15:54