
設定
彼の不幸な物語を語るにはまずは彼の歩んできた人生を語らねばならないだろう…
ジャックマンはごく平凡な家庭に生まれ、平凡な人生を歩んできた。本を読むのが趣味で暇な時には日夜読み続けることが多々あり、
それもあってか読んだ本の主人公に影響されやすい性格になっていた。
時には仮面をつけ、困っている人を助けるヒーローになってみたり、時には事件の謎を解こうと勝手に現場に入っては警官に怒られたり。
それはそれで充実した少年時代を歩んできた。そんな彼も二十歳になり親から離れ、上京しこの科学都市に移り住む。
移り住んだ後でも読書は彼の生きがいであり週に2,30冊読むのが普通になっていた。それでも彼なりに成長はしたようで、もう人を
困らせるようなことはしなくなった。そんな彼の手元にある一冊の本が届く。なんでも彼がたまたま応募した企画に当選し発売前の本を
誰よりも早く読めることとなったのだ。案の定彼はものの数時間で読み終えたのだが、その時彼の中に潜む何かが蘇ったのだ。外から
響く雷とともに…
「そうだ、俺もこの本の主人公のようになりたい…」
成長とともに忘れ去っていった幼い頃の彼が戻ってきたのだ。
その後、ちまたでとある噂が流れる…
「また出たらしいぜあの”怪盗”が」
「マジかよ、これで何回目だ?」
「わからねぇが相変わらず奇妙なやつだよな、盗んだのに返すって」
「おんなじ場所に2回も侵入されてんのに捕まえられない警察の無能さときたらそいつ以上に呆れるな」
”怪盗ジャック”
トレードマークは予告状とともに送られてくるスペードのジャック。
盗んだものは一週間以内に同じ場所に返すというなんとも奇妙な怪盗。そんな無謀なことを証拠も残さず実行できる彼を人々は日夜賭け事や
話のネタにし、一部は彼を応援する者も出始めるようになった。
ここまで聞いて彼は彼なりに幸せだと思うだろう、だがこの不幸な話はまだ始まってもいないんだ。
雷が鳴り響き、彼の中に電流の如く駆け巡ったの日から2年の月日が流れた…
いつもどおり彼の経営する店で次の獲物は何にしようかと考えていたその時である、
客か…
さて次はあれかな…?
いや、それは先週盗んだもんと似たようなもんだな…
やっぱあれかな…
お、あれとか良さそうかも…
そうとなれば早速予告状を
「「あの、これいいですか?」」
「?…あ、わ、分かりました」
「「…?いくらになりますか?」」
「あ、す、すみません」
…綺麗な人だな…
一目ぼれであった。
今まで恋とは無縁だった彼にあの日とはちがう電流が走った。高鳴る心臓、無意識に赤くなる頬。
これはだれがどう見ても一目ぼれだった。
あろうことか盗みの奇才、怪盗ジャックはその女性に心を奪われたのだ。
調べると彼女は”特殊収容所”というとこで働いてると知る。
目の前には本物と告示した偽者の囚人情報、収容所の見取り図、看守の人数、看守のシフト表。
その日の夜、怪盗ジャックは自ら監獄の中へと忍び込んだのだ。難攻不落?そんなのは盗みの奇才にはあって無い様なものだ。
それが不幸の始まりでもあった…
忍び込んだ目的はただ一つ、再び愛しの人にすべてを打ち明け告白すること。その舞台を彼の過去に呼んだ小説のように監獄の中でしようと思ったのだ。
「怪盗は盗まれたら盗み返さないと気がすまない。こんな自分で良ければ…あなたの心を盗ませてはくれないでしょうか?」
今までで読んだ小説のどこにも書いてない自ら考えたプロポーズを脳裏に浮かべながら覚悟を決めたその時、そんなたわ言をかき消すようにブザーの音が
鳴り響く。
「「「特殊収容所内で非常事態発生、囚人たちが突如一斉に脱走、次々と看守たちを殺して回ってます、総人数は不明、生存者の確認は出来ません、生存者の存在は…絶望的だと思われます」」」
その日から囚人たちの間でとある不穏な噂が広まる。
「また出たらしい…あの”怪盗”が」
「嘘だろ…これで何人目だ」
「わからねぇ…もうあいつなんなんだよ…!」
「畜生!警察は、能力者部隊は何してんだよ…!早くあいつを何とかしてくれ…ッ!」
”怪盗ジャック”
トレードマークは血塗られたシルクハット。
囚人たちを次々に虐殺して回る言わば死神。後に残る血だまりは誰が見ようとそこでおきた悲劇が脳裏に浮かぶ。
あるものは絶望し、またあるものは自ら首に輪を”掛ける”。
その死神の形相はまるで今は亡き恋人を嘆いているかの様に涙を流しているという
噂はまるで血だまりに落ちた涙が巻き起こす波紋の様に広がり、連鎖する。
盗み返そうとした物は囚人たちによって永遠に盗まれもう取り返す方法は無い。
それなら奪おう、一つまた一つ、この監獄に囚人がいる限り奪おう、そいつらの命を。
…そうだ、肝心なプレゼントを忘れていた…
…盗むのに慣れすぎて肝心な物を忘れていたよ…
…うーん、でも今更ここを出て買いに行くのも面倒だなぁ…
…でもせっかくプロポーズするんだ、何か無いと彼女が寂しいじゃないか…
…そうだ…花にしよう!どうせなら真っ赤な薔薇の花とかがいいな…
…お、ちょうどこんなところに薔薇の花が!…
…よーく見たらここは薔薇の花でいっぱいじゃないか!…
…そうだ、一本じゃ心もとないし、ここにある薔薇を”全部”プレゼントしよう!…
…全部集めるのに時間がかかるな…
…ごめん******さん、まだ会いにいけないみたいだ…
…でも、薔薇が全部集まったら今度こそ…
…”会いに行くから”…
罪状:恋の病
懲役:プロポーズするまで
能力:命以外のものを奪う能力
・命に関わるものを奪うことは出来ない
-心臓、血液、脳など
・盗める物は物でなくてもいい
-視界を奪う、触覚を奪うなど
-↑のものを盗んだ場合自分の各種五感が上書きされる
ⅰ.視界を奪ったら相手は見えなくなり、自分は相手が見ているものが見える
ⅱ.触覚を奪った場合相手は自分に触れている物のを認識できなくなり、自分は相手が触れている物の感覚が上書きされる。
弱点としてに相手が受けた痛みは自分がうける など
・盗めるのは一度に一つのみ。盗んだ上で他の物を奪うともともとあった物は自動的に持ち主に戻る
補足
最終更新:2014年06月20日 06:32