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「はぁ……。今日も勝負してくれる奴はいねぇなぁ。」
「みな、目の前に現れただけで逃げてしまいますから仕方が無いですね。」
「俺ってそんな怖ぇか?」
「ははは。貴方は鬼なのですよ、目の前に立たれたら逃げもしましょう。
……そういえば、今度『お祭り』があるという話はお聞きになられましたか?」
「祭り? 人のか?」
「いえ、なんでも世界中から『あやかし』を募り、腕っ節を競うのだとか。」
「何!? 戦か!? こうしちゃ居られねぇ、支度しねぇと」
「まあまあ。『お祭り』なのですから、そんな大仰にならなくとも。」
「祭りは祭りでも喧嘩祭りだろ? 素振りぐれえはしねぇと。」
「毎日なさっているではありませんか。」
「どんだけやっても損なこたぁねーよ。」
「……いるといいですね、『強ぇ奴』。」
「ああ、楽しみだ。」
【戦鬼の高豪(うごう)】
戦うことを至上の楽しみとする鬼。
稽古試合から合戦まで、とにかく戦うことが大好き。
もともと人間だったのだが、年を経るにつれあまりにも強くなりすぎて、まともに戦うことすら出来る相手がいなくなってしまう。
結局彼は戦死することなく天寿を全うするのだが、あまりの未練に鬼となって生き返った。
それからも道往く人に戦いを申し付けては刀を交えているものの、未だに相手になるものには出会えていない。
性格は真っ直ぐで大胆、卑怯なことは大嫌い。
たとえ戦いにおいて相手から卑劣なことをされても正々堂々と戦い続ける。
「殺しちまったらもうそいつと戦えねぇだろ」ということで、むやみやたらに相手を斬り殺すことはしない。
毎日刀の手入れをしたりするといったまめな一面もある。
他の人や幽霊、妖怪などから怖がられるのが最近の悩み。
彼の持っている大太刀は、人だった頃に仕えていた主から賜ったもの。
とても気に入っており、普段は大切に扱い、戦のときは存分に振るった。
今でも肌身離さず持っている。
【付喪神の禄満(ろくみつ)】
高豪の持っている大太刀。全長は6尺、刀身だけでも4尺8寸ほどある。
もともとは名のある鍛冶屋が己の腕を示すために打ったもので、非常によくできており実用を想定した作りなのだが
そのあまりの長大さにまともに扱える者がいなかった。
数十年のちにやっと高豪の手に渡り、長い間大事に扱われ付喪神となった。
見た目は普通の大太刀だが言葉を話す。
高豪を主として認めており、高豪以外に使われようものならまるで地面に貼り付くかのように重くなり、持つことも許さない。
また、主のいる限り絶対に折れない。
性格は几帳面でしっかりしていて温和だが、ものを乱暴に扱う人は苦手。
よく高豪に代わって他の幽霊や妖怪と話をする。
【戦闘】
禄満がとにかく長大で、しかもそこに高豪の馬鹿力が加わり、凄まじい広さの間合いを生み出している。
高豪が禄満を振る速度は、普通の武士が普通の刀を振るうのと同じかそれ以上にもなるほど。
禄満が折れないのをいいことにそれはもう思い切りよく振るため、下手に刀で受けようものなら刀ごと真っ二つにされる。
禄満の長さに任せて離れたところから戦うかと言えば必ずしもそうではなく、隙あらば相手の懐に突っ込んだりもする。
鍔迫り合いになろうものなら吹っ飛ばされるかもしれない。
禄満での居合い斬りも出来るが、普通は戦う前に抜いておく。
刀の扱いこそまさに鬼の如くといったところだが、その体格故に足運びは素早いとは言えない。
高豪は、痛みは感じるし疲れもするが人間より遥かに頑丈で、人間にとって致命傷になるような傷を受けても戦い続けることができる。
しかしそれだと不公平だと思うらしく、「もし今自分が人間だったとして死んだかどうか、戦い続けられるかどうか」で負けを認める。
補足
最終更新:2014年08月23日 02:52