
| 製作者 | 高架橋下のアイツ |
| 出場大会 | 第8回 |
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・科学経済新聞 xxxx年○月×日 第1面記事より
>『科学広報』記者、能力による記事ねつ造が発覚 幹部ら謝罪
○月某日、芸能雑誌『科学広報』の記者が能力を使用し、虚偽の記事を不当な信ぴょう性を高めた上で発行していたことが明らかになった。
調べによると、容疑者は去年▽月に起こった「科学タワー落雷事件」時に「他人の印象を操作する能力」を手に入れ、約6か月もの間能力によって自らの記事の印象を操作していたという。今回の事件は、容疑者の記事の内容と人気が出た時期が不自然である、と判断した対能力者部隊の捜査チームが調べた結果浮かび上がったものである。
この事態に対し、科学広報の出版元である『十橋社』幹部らが急きょ会見を開いた。幹部らは今回の事件について今回発覚した虚偽の記事を取り消し、「わが社の確認不足により、読者の皆様に虚偽の記事を販売してしまったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪の意を示した。
十橋社社長は会見内で「編集担当は非能力者であったため、能力の使用に気づけなかった」「本人は能力の自覚してはいたが、『虚偽の記事を書いている』という意識はなく、裏付けが十分でなかった、反省していると話している」と述べた。
また、社長は今後について「今回不祥事を起こした記者を記事作成担当から解任させるとともに、社全体で能力検査を実施し今後の対応を決める」と述べた。
能力者に対する社会体制、犯罪予防…まだまだ問題は山積みのようだ。
・十橋社から徒歩10分、居酒屋『怒悔肋(どぶろく)』個室 ある夜の記者2人の会話
…
「なあ、頼む…1つぐらいいいじゃんかよ…このままだとまじでやばいんだって…」
『う~ん、そうはいってもなぁ。突然〈2週間以内に使える特ダネ流してくれ〉って言われても…。俺だってそんな流せるほど特ダネいくつも持ってるわけでもないし…。そもそも、お前社長になんていわれたんだよ?』
「…〈もし、次で特ダネを裏付け有で抜けなかった(※他社に先んじて報道すること)ら、解雇したうえで対能力者部隊捜査班に引き渡す〉って。」
『うわぁ、このご時世でそんなの無茶苦茶じゃねーか。実質クビ言い渡されてるようなもんだろ』
「だから頼んでるんだろ!もう本当にどんな記事でもいいんだ!つなぎ(※紙面の余白を埋めるための記事)でも、裏付けなしでも、 ’’アブナいのでも何でもいい’’
!ネタをくれ…!こっちは生活どころか社会的地位かかってるんだぁ…頼む…」
『(ため息をつく)…まあ、アブナい記事でもいいならぶっちゃけあるにはあるんだよ。特ダネになりそうなの。』
「ま、マジ!?」
『ただ、場所と内容考えると生命の保証はできない。正直危険すぎてネタ手に入れた時点で没にする予定だったんだが…』
「そ、それでもいい!ネタになるなら何でもいい!」
『…本気か?まあいいや。
ちょっと前に対能力者部隊の隊長決める試合あったの、覚えてるよな?』
「結構グロめの戦い方する科学者さんが勝ったやつだろ。知らないわけないだろ」
『あの試合は1回だけでもうやってないけどさ、実は秘密裏であれとほぼおんなじ試合が繰り返し開催されてるんだと。賭け事の材料にされて、優勝者には大金が支払われるらしい。ここからが本題なんだが…その試合、なんでも大統領の補佐が特に入れ込んでるんだと。』
「…とんだスキャンダルだな。確かにその現場が確保できれば十分特ダネだ…。裏は?」
『取れてる。場所もばっちりだ。ただ、侵入経路は自分で確保してくれよ。』
「わかってる。サンキュー!ちょっときな臭いけど、なんとかなりそうだ!」
『…なあ、一応聞くけど、護身できる武器とか術の類とか持ってるのか?』
「え、能力でごまかせるかと思ったんだけど」
『懲りないのかよ…銃ぐらいは持っとけ。なけりゃ小さいの貸すから。』
「え、そんな感じの場所なの!?つか、なんで持ってんの!?」
『…趣味なんだよ、モデルガン』
「い、意外だな…じゃあ、悪いけど貸してもらえるか?」
『ああ、いいよ。じゃあ帰りに家寄ってってくれよ。』
「おう!ごめんな、何から何まで。…はあ、なんでこうなっちゃったかなぁ」
『だからやめとけって言ったのに…。能力が普及してる今ならまだしも、能力が出る前の時点の話で〈落雷事故は故意に起こされた〉なんて、能力でも使わない限り信ぴょう性なさすぎだろ。』
「俺は実際に科学タワー勤務の知り合いのタレこみで調べたんだ!ちゃんと資料も裏付けもしっかりしてたはずなのに、家宅捜索の時に消えたんだよ!お前も資料を見たろ!?」
『…まあ、確かに。すんげー見えづらい場所に隠してたよな。』
「だって、俺はあの記事昇進できるレベルだって確信してたし、奪われたくなかったんだよ…。絶対ばれないと思ったのに…」
『まあ、なんだ。運も相当悪かったな。まさかお前が能力者だったなんて。』
「うう、くっそ…人気になったのが実力関係なしってのもショックだけど…。
なんでだよ、どうしてこんな濡れ衣を着せられなきゃなんないんだよ…夢なら覚めてくれよ…」
『…』
・地下闘技場 第3控室 雑誌記者 柚鹿目 誠(ユガメマコト)の心情
大変なことになってしまった。
まさか、闘技場にたどり着いたのに闘技場の中で迷子になるなんて。
そして、たどり着いたのがVIPルームで、よりにもよってホシのボディガードにつかまるなんて。あっさり銃見つかって「テロリスト」扱いされるし。短絡的すぎだろ。俺迷っただけなのに。この能力がなければ本気で殺されてたかもしれない。
…なんで、よりにもよって『’’受付を探していた’’』なんて嘘をついてしまったのだろう。他に言い逃れの方法はいくらでもあったのに。
…でも、ここまでくれば引き下がるわけにいかない。このまま帰れば、社会的な死、逃げれば身体的な死。なら、生き残るために戦うしかないだろう。
絶対生き残って、スクープを持ち帰ってやる。
〈所持品〉
護身用レーザー銃 1丁
スマートフォン
手帳 1冊
ボールペン 1本
〈能力〉印象操作
相手に自分の声で能力を発動させる文章『キーワード』を聞かせる、または文字にして見せることで、相手の感覚をその言葉通りに見えるよう錯覚させる能力。1度聞かせると、その言葉がキーワードと相手に気づかれない限り半永久的に効果が続く。また、人間の触覚と痛覚以外のすべての感覚に対して有効。
あくまでも錯覚なので、相手に見えなくとも本人に当たればダメージが通ってしまう。また、前述のとおり相手が認識した言葉がキーワードであると気づくことで錯覚が解けてしまうため、能力が発動したとわからせないために会話にキーワードとなる文章をさりげなく混ぜ込まなくてはいけない。
以下に、キーワードとなる文章の例を挙げる。
例1:’’俺は つかまえられないぞ’’
効果:相手が別の位置に真が見え、つかまえようとすると煙のように消えてしまう。
例2:’’俺には 聞こえないけど’’
効果:相手に特定の1つの音を聞こえなくさせる。複数回の使用はキーワードバレの可能性がある
例3:’’俺なんか 死んだ方がいいよな’’
効果:キーワードを発した瞬間に血を吐き出して死亡する幻覚を見せる。本体はもちろん生きている。
補足