製作者 | 山田屋 |
出場大会 | 第八回大会 |
経歴 |
設定
【名前】
Dr.エクスクラフト
【プロフィール】
●プロローグ
科学タワーへの落雷、能力者の発生。
そして混乱を収束するべく行われた査定試合から、随分と時は流れた。
能力者発生の発端となった人為的な落雷を発生させたイクリプスは消滅し、能力者発生の根源となったヴィクターもまたこの世を去った。
査定試合で優勝したエミットの手腕によって科学タワーの復興は順調に進み、政府によって編成された対能力者部隊は科学都市の治安を回復させていった。
はずだった。
表社会から排除された暗部は深く深く地下へと潜り、様々な思惑からそこでもまた能力者達の闘いが開催される。
表裏問わず、権力を持つ者は有能な能力者を欲している。
邪魔者の排除のため。
あるいは、そういった刺客から身を守るため。
そして、直接ぶつけ合わせないにしても、抑止力としてそれは必須の力となりつつあった。
「あんたもそういう手合いだろ? 悪いが人に雇われるつもりは無い。殺し合いも真っ平だし、飼い殺しにされるつもりも無いからな」
試合を終えたばかりの喧嘩屋の男の控え室を、メイドを連れた初老の男が尋ねてきた。
観客席にいる姿を何度か見た事がある、裏社会では中の上といった具合の組織を束ねる首領だ。
初老の男は喧嘩屋の男を雇いたいと告げたが、彼は即座に首を横に振る。
「私は君を雇いたいのだよ」
「しつこいな、爺さん。怪我する前に帰んなって」
「私は君を雇いたいのだよ」
「……マジで殴るぞ。三度目は無ぇからな」
「私は君を雇いたいのだよ」
同じ言葉を淡々と繰り返す初老の男に、喧嘩屋の男の拳――念動力で握り潰し圧縮された空気の塊が叩き込まれた。
ごりゅ、とも、ぞりゅ、ともつかない名状しがたい音と共に、荒れ狂うカマイタチがスーパーコンクリート製の床を掻く。
「私は君を雇いたいのだよ」
初老の男は何事も無かったようにそこに立っていた。
「私は君を雇いたいのだよ。私は君を雇いたいのだよ。わたしはきみをやトイタイノダヨ。ワタシハ――」
何事も無かったように、同じ言葉を繰り返す初老の男。
その背後に佇むメイドが、にたり、と笑う。
「雇われたくないというなら、仕方ない」
声は、見た目のままの少女の声。
だがその言葉は、ただただ同じ言葉を繰り返す初老の男よりも老成された雰囲気を醸し出していた。
「ただの手駒となれ」
じわり、と。
周囲の空気が濃くなったような気がした。
視界が、何かに覆われた。
喧嘩屋の男の意識は、そこで途絶え――即座に身体をびくんと痙攣させて起き上がる。
「さて、少々の規模のマフィアが三つ、能力者が八人……まだまだ足りぬな」
喧嘩屋の男の口から、独り言のように言葉が漏れる。
「エミットの若造はよくやっとる……裏社会を平らげておくぐらいでなければ、科学タワーには食い込めぬ」
初老の男の口が、独り言を継ぐ。
「落雷の瞬間のあのデータ記録は私の研究室に残したままだ。欲を出せばヴィクターやエミットの研究データも欲しい。マフィアどものどこかに流れたイクリプスの研究成果も確保せねば」
メイドの少女の口が独り言をまとめ、ぱちんと指を鳴らす。
空気中にじわりと染み出した銀色の霧が、初老の男と喧嘩屋の男の耳に流れ込み、僅かな痙攣の後に元の表情を取り戻す。
「ふむ、これからよろしく頼むよ」
「まあ雇われたからには全力を尽くすさ」
何の疑問も無く『そういう事になっている』二人の後ろを、メイドの少女は静かについていくのであった。
―――
●経歴:Dr.エクスクラフト
「傲慢? 当然だ、何を言っているのだ貴様は。
これだけの数の人類が都合よく生きていくエネルギーを、私は研究し生み出し管理せねばならんのだ。そうでなければ務まらんだろう」
科学タワーに在籍していた科学者の一人。
身長162cm体重56kg、60歳ぐらいに見える92歳。
現在は全長10cm、重量500g程度まで小型化。
研究の主題は巨大エネルギーの生産と制御。
科学タワーへの落雷の折にほぼその直撃を受けて蒸発するも、落雷エネルギーの利用のために用意していたエネルギータンクに、記憶や思考の電気信号が雷と同化し流れ込んだ事により、エネルギー生命体となって復活した。
国家機関が能力者への対応に追われている隙に科学タワー内部のロボット開発設備をハッキング操作して擬体を作ろうとするも、他の科学者の目もあり思うように進まず自分が保存されているエネルギータンクボディの小型化と隠蔽までが限界だった。
そして彼はとある事を思いつく。
ロボットという大型のものを作るよりも人間を乗っ取る機構を小型化したエネルギータンクボディに構築した方が目立たないのではないかと。
こうして彼は、エネルギータンクボディの更なる小型化と軽量化、そして電磁波による人体操作機能の搭載を実現し、手始めに研究室の掃除をしていたメイドのニータの身体を乗っ取ったのであった。
人間一人の完全な乗っ取りは充分なデータ収集が必要であり、相応の時間か相応の設備が必要なために、その後手駒を増やしてからもニータの身体を使い続けている。
当初は査定試合に参加し手駒を増やすつもりでいたが、イクリプスやエミット、ヴィクターの参加を知り身を隠す事を選ぶ。
ニータの身体の制御を完全に乗っ取り思考すらも奪い取った彼は、その外見に油断して近寄ってきたチンピラの類を操り手駒として、そこから繋がりのある人間を次々と操りいくつかのマフィア組織を乗っ取るにまで至った。
自覚は無いものの、長く研究の第一線を離れている事が焦りとなっており、早急に強力な能力者を倒して手駒にし強大な権力を持つ裏組織や政治家に接近するために裏社会での大会に身を投じる。
●経歴:ニータ・ソコラ
身長155cm体重ひみつ、17歳。
ちょっぴりダイエット中。
科学タワーの清掃業務を担当していた清掃業者の学生アルバイト。
身寄りが無い苦学生のために、上司が気を利かせて安全で実入りの良い個別研究室の依頼を回してくれた。
エクスクラフトの(表向きの)死去の後、後任の研究者が選定されるまでの間の定期清掃を継続して行っていたところ、たまたまエネルギータンクボディに触れてそのまま身体を乗っ取られてしまった。
エクスクラフトのエネルギータンクボディは彼女のうなじの辺りに、握りこぶし程度の大きさで張り付いて髪の毛に隠れている。
メイド服は清掃業者の社長の趣味で制服として至急されていた。
エクスクラフトが乗っ取った後もメイドの格好を続けているが、これは操った権力者の傍にいたり、弱者を装って相手を油断させるための装飾でしかない。
研究時にはメイド服の上から白衣を羽織っている。
―――
■性格:Dr.エクスクラフト
とにかく自分の研究第一、一言で言えばマッドエンジニア。
自分の思考、研究の邪魔になるようなら、何者でもどんな手を使ってでも排除する。
邪魔にならないなら割と寛大、というか無関心。
超能力者達のエネルギー効率(人間の体力から比較にならない高エネルギーを発生させている)について非常に興味を持っており、都合の良い身体を手に入れた暁には色々研究したいと思っている。
現状では能力者の研究に必要な研究設備の確保、つまりは科学タワーへの侵食を目論んでいる。
■性格:ニータ・ソコラ
口癖は「ごめんなさい」。
歌が好きでそういった仕事をしたいと思っているが、人前に出るのが苦手なあがり性。
まめな性格で、彼女のノートは非常に綺麗で読みやすく、そのコピーは彼女の知らないところで同級生の間で高値で取引されている。
思考を乗っ取られてからは彼女の精神は封印・休眠状態となっている。
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▲能力:Dr.エクスクラフト
・エネルギー操作
電気エネルギーを生成・操作し、四肢の末端から10メートル程度の射程距離で落雷レベルの電撃攻撃を行う。
射程距離を超過した場合、威力は減退し命中精度もかなり落ちる。
・肉体及び思考操作
対象の肉体や頭部(脳)に電流を流し肉体運動や思考を操作する。
肉体操作は相手の肉体、思考操作は頭部に近い部位に直接触れる必要がある。
また、相手の性格や身体能力を把握する必要があるため最低限数分程度の観察が必要。
・身体強化
自らの生体電流を操作し肉体の運動能力や思考速度を大幅に上昇させる。
肉体および精神操作のために接近する場合か、ナノマシン操作による防御を突破された際の緊急回避として使う。
三分以上の連続使用を行うと宿主である肉体に多大な負担を強いる。
・ナノマシン操作
エネルギータンクボディをナノメートルサイズに超小型化した蟲型のナノマシンユニット。
密集させると銀色の霧のように見える。
空気中に散布し、触れたエネルギーを拡散・吸収し、物理攻撃すらも運動エネルギーを減退させ弱体・停止させる。
ナノマシン経由でエネルギー操作や肉体及び思考操作も可能。
電撃攻撃は何も無い空中から突然発生するように見せる事が可能だが、威力は本体からのものに比べて半分程度に落ち、肉体及び精神操作は対象が気絶など無抵抗状態になっている必要がある。
ナノマシンは密集させる事で、自在に変形する金属のように扱う事が可能。
宙を舞う無数の槍や刃、鈍器のように扱う事もできるが、直感的に操作できるため人型にして巨大な手で捕まえたり殴りつけるなどの攻撃を好む。
最大威力の攻撃はナノマシンにより構築したレールガンによる射撃攻撃。
ただし射出するための固形物を持ち歩いていないために現地調達が必要である他、発射まで数秒のチャージが必要。
ナノマシンは一定密度を保たないとエネルギーが供給できないため、本体から半径100メートル以内程度に漂っている。
ただし操作対象の体内に流入したナノマシンは生体電流や異能によって発生するエネルギーを吸収する事で遠距離でも活動できるようになる。
▲能力:ニータ・ソコラ
・家事全般
身体能力はやや微妙だが家事全般が得意。
その性能を利用してエクスクラフトの生活は維持されている。
・歌唱
その歌声は並のアーティストを軽く凌駕するレベルで人を魅了する。
声の美しさは人身掌握や信用確保に利用されているが、エクスクラフト自身は歌に興味はまったく無い。
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×弱点:Dr.エクスクラフト
乗っ取っている肉体の耐久力は一般人レベル。
エネルギー操作やナノマシン操作で強力な防御力を有しているものの、それを突破されると脆い。
死亡していても操作は可能だが、損壊すると自己の能力だけでは修復は不可能。(時間があれば外科手術や義肢の取り付けなどで修復可能)
基本は電流と電磁波で他人の肉体を操作しているため、乗っ取っている肉体と引き離された上で絶縁体で封印されると何も出来なくなる。
エネルギータンクボディ自体の破壊は、超至近距離での電磁シールドとエネルギー操作によりいかなる攻撃でも不可能。
×弱点:ニータ・ソコラ
死んだ魚の目がなんとなく苦手で、料理で丸魚が使えない。
押しが弱く頼まれると嫌と言えない性格も弱点といえば弱点。
現在は休眠状態ではあるが、魚の目についてはエクスクラフトの操作中であっても微妙に身体が竦む事がある。
補足