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テリバー

 

 

製作者 がらく 
出場大会 第八回大会 
経歴  

 

 

 

 

設定

私はボコーリ社製のペットロボットである。

白く艶々と光るボディ。
その上にはいくつか意味のない計器が埋め込まれ、それを繋ぐようにえんじ色のラインが回路図の如く走っている。
愛らしくもどこか理知を感じさせる黒い瞳。
頭からはぴょこんと伸びた三角アンテナ。
炎のように揺れ動く尻尾は人々の心に安らぎを与え、
末広がりな両手両足は、抜群の安定感を醸し出す。

そんなキュート&クールな姿は、あらゆる者を分け隔てなく魅了し一世を風靡したとかしないとか。


しかし、それも今は昔。
私が飼い主に捨てられてから、数年か、あるいは数十年か、長い歳月が経った。
節々は錆付き掠れた音を立て、塗装は剥がれ落ち鉛色のボディがあらわになっている。
三角アンテナは根本から折れ、首にかけられたネームタグもすっかり読めなくなった。
悲しいものだ。
それでも原型をとどめいているのは、ひとえに頑丈に作ってくれたボコーリ社の面々のおかげであろう。感謝感謝。

遅くなったが私の名は『テリバー』という。ネームタグは読めないが、メモリの中に残っていたので今もそう名乗っている。

さて、そんな私が何故流暢に人間の言葉で喋っているのか。
そして何故、このような血なまぐさいリングの上で拳を振るわんとしているのか。
錆びついた犬畜生の身の上話になど興味はないという諸君らも心して聞くが良い。


お察しの通り、私はいわゆる能力者である。
例の事件により、壊れたガラクタであった私は目を覚まし、自我を得た。
少々チップチューンな声ではあるが喋ることもできるようになった。
体の中にはよくわからないエネルギーが満ち、尻尾を振るえばイカヅチとなって溢れ出る。
私はそれが面白く、三日三晩に渡ってゴロゴロパチパチと雷鳴を鳴らし続けた。

そうして満ち満ちたエネルギーも少し落ち着いたかといったところでハタと思った。
このエネルギーを使いきってしまったら私は……。
頭に浮かぶのは道端に転がり蹴飛ばされる自分の姿。体からは冷や汗のように結露が滴り落ちる。
人間であれば物を食い水を飲めば生きていられる。しかし私には口も無ければ胃袋も無い。
私は急いで内蔵の取扱説明書.txtをめくった。
それによると、かつての私は『タンサンデンチ』なるものによって動いていたようだ。
なるほど、これさえあれば私は生き続けられるのか。
私は急いでタンサンデンチを探しに出た。

錆びた体を揺らして歩き、路地裏、ゴミ捨て場、家電屋に八百屋……、あらゆる場所を探した。
しかしタンサンデンチは見つからない。
道行く人々に尋ねても、皆口々に
「そんなものこの街にあるはずがない」
「あんなものはとっくにこの世から廃絶されたよ」
と答えるばかり。
どうやら私が考えていたようなお手軽な物では無いのかもしれない。
それにしても廃絶されたとは一体……。

もしや、私は、アトミックボムのようなとんでもない物に手を出そうとしているのではないか。
決して触れてはならない恐怖の大王を目覚めさせようとしているのでは……。

だが、私に残されたエネルギーは少ない。
例えそれがこの世の禁忌であろうとも、必ずや手に入れなければならんのだ。
私は幻のタンサンデンチを追い続けた。


そうして辿り着いたのがこのリングの上である。

真黒なスーツを着た男の話によると、ここではタンサンデンチを巡り、血で血を洗う戦いが繰り広げられているという。
ここで勝者となったものがタンサンデンチを手に入れるのだそうだ。
なんということか。タンサンデンチとは、人々が眼の色を変え、命を賭してまで手中に収めんとするほどの代物だったのだ。
嗚呼、恐るべしタンサンデンチ。

しかし震えている暇はない。
私はこの戦いの頂点に立ち、永遠の命と力を手に入れなければならんのだ。


──向かい来る悪漢共をなぎ倒し、ついにタンサンデンチを手に入れる私。
無尽蔵に生み出されるイカヅチを意気揚々と振り回し、ついでに各国のエネルギー問題を解決した私は、世界の救世主としてその名を轟かす。
私を主役としたアニメやグッズ、ビデオゲームなどが展開され、メールボックスは子供達からのファンレターでぎゅうぎゅうだ。
世界中の名だたる企業は、
「そんな赤錆の付いたボディは脱いで、我々の開発した最新鋭のボディをお使いください。」
と言い寄ってくるだろう。
しかし私は、
「広告塔になどなるつもりはない。」
と突っぱねてやるのだ。

輝かしい未来に胸が膨らむ。
伝説の神器タンサンデンチを手にするのはこの私だ。誰にも渡してなるものか!

 


補足

 

 

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最終更新:2015年05月16日 21:44
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