
| 製作者 | あかり |
| 出場大会 | 第八回大会 |
| 経歴 |
設定
「こんな奴は殺す価値すらない。下水にでも叩き込んどけ。そのうち、のたれ死ぬだろう」
暗く汚れた下水道に放り込まれる1人の男。
なんとも言えない異臭と黒く溜まったヘドロが、彼の体に纏わり付く。
彼は、弱々しくも力強く拳を握り、大きく息を吸った。
くそぉ...あのクソジジイぃ...あんなちっとのミスでおれを捨てるなんてぇ...
今に見てろぉ...あんな老いぼれ...即効で倒してやるんでからなぁ...
Tシャツが黒く染まった水を吸い、彼の動きを一層鈍らせる。
しかしゆっくり、ゆっくりではあるが、着実に出口を目指し懸命に這った。
いくらか大きな下水道に出たところで、遠くに小さくはあるが光を見た。出口だ。
ちくしょう..なんておれは無力なんだ...ちからさえあればぁ...こんな目にぃ...
おれにちからさえあれば...なぁ...頼むよ神さんよぉ...おれにちからを分けてくれよ...
おれに...ちからを分けてくれよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
その瞬間、小さい光は一気に光量を増した。
頬にピリピリとした痺れを感じ、そう思うと体中を強烈な電撃が襲った。
彼は突然の出来事に気を失い、目覚めたのは三日後の大きな河川敷だった。
彼が目覚めると、世界は一変していた。
能力者の暴走、都市機能の停止、秩序の消失。
そして、変わったのは世界だけではなかった。
自らの体にも、能力が宿っている事に気がついた。
それは、とてもとても強大で、人を捨てるような能力。
人性を犠牲に、野性を呼び起こすものだった。
彼は思った。
あぁ...そうかぁ...きっと...これは神がくれた...力なんだ...
俺は...あのジジイを...殺すために...力をもらったんだぁ...
そして...俺をクズなんて...もう...呼ばせなくしてやる...
ふ...ふふっ...やってやる...殺してやるッ!!!!!!!!
彼は、暴れまわる能力者たちに紛れて組織アジトに乗り込んだ。
首領の部屋へと続く道は、多くの従者たちに守られている。
彼は、その数に怖気づきそうになりながらも、ゆっくりと歩みを進めた。
こ...怖くなんかない...こいつらはぁ...“ゴミ”だ...ゴミなんだ...
ゴミは...処分しないといけないんだ...あのジジイを殺すためにッ!!!!
彼の能力が一気に覚醒し、数秒もしないうちに従者たちは肉塊となった。
能力が切れ、目を覚ますと、彼は首領の部屋の中にいた。
そこには、首領の四肢を思わせる手足と肉塊、そして大量の血がそこらに飛び散っていた。
ハ...ハハ。お...俺は...倒したんだッ!
ど...どどどどうだっ!俺を捨てた事を後悔してるだろっ!
ざまあ...ねぇ...ねぇえなっ!クソジジイがッ!!!!!
しかし、心の中に生まれた高揚感は、次第に恐怖心へと変貌した。
これで、裏からの追われる身となったのだ。その意味は、彼がよく知っている。
ヤバイ...ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!!!!!
に...にげなきゃ...身を...かくさなきゃッ!!!!!!
思考が混乱し、理性が混濁し、我を忘れて。
懸命に、真剣に、がむしゃらに。
とにかく走った。力の限り、走りきった。
そして、隠れた。息を殺して、身を殺して。
あれから、数ヶ月の月日が経った。
組織の追手は一向に現れない。
おかしい。あの組織が動かないはずはない。
首領が倒れただけで機能停止するような組織だったか?
彼は意を決し、再び裏社会へと足を踏み入れた。
「な...なぁ」
「あぁ?んだよ」
「い...いや...ちょっと...ちょっと聞きたいことがあるんだ...」
「んだと?」
「お...おれのこと...しってる?」
「...てめぇ、ころされてぇのか?」
「う...嘘です!すみませんすみません!!!!」
「...ケッ、雑魚は集積場でもあさってりゃいいんだよ...。
クソっ、大会前から気分悪りぃなぁ...」
お...俺は...追われていない...?
それどころか...名も知られていない...のか...?
なんだよ...この裏社会を牛耳っていたジジイを...倒したのは俺なんだぞ...?
また...あの下水に戻っちまうのか...?
俺は...変われないのか...そんなのは...もうごめんだ...クソッ...
また...舐められて...たまるかよ...俺は...最強なんだ...
俺を見ろよ...俺に従えよ...俺を恐れろよッ!!!!
「...まずは...お前から殺そう」
「あぁ?...ッ!?」
彼は、一瞬にして男を殺した。
躊躇などなかった。
あたりに飛び散る血吹雪が、彼をなおも駆り立てる。
足りない...こんなことでは...足りない...
もっと殺さないと...おれは...恐れられない...
恐れる人生を...また送ることになってしまう...
逃げるのは嫌だ隠れるのは嫌いだ怯えるのはもう懲り懲りだ...
そういえば...あいつは...大会とか言っていたなぁ...
そうだ...そこで目立つことができれば...いっその事...首領を殺したのはおれだと...
絶対的な力を誇示して...宣言すれば...おれは...首領を超えられる...
よし...次の獲物が...決まったな。
【名前】ロワ・ソヴァージ
【性別】男性
【性格など】
元々かなりの臆病者で、強いものには弱く、弱いものには強く出る、漫画のはじめに出てくる雑魚キャラのような性格である。
能力を得て多少はビビリも改善されたが、その代わり、自己顕示欲が高くなり、少し好戦的な性格になった。通常時の運動能力や知能などは中の中で、体格や身長、体重も平均的水準。これといって目立つ点もない。
裏社会では、首領が統率する組織の末端に所属し、臓器売買の仕事を請け負っていた。
しかし、輸送中のミスによって首領に捨てられる事となる。
また、彼は首領が死んだものだと思っている。
《能力》【獣化覚醒(ビースト・モード)】
自らが心から対象を“殺したい”と望むことで発動する。
発動すると、4足歩行のような体制になり、身体能力が急激に上昇する。
見た目はあまり人と変わらないが、髪が伸び、手足の爪が鋭くなり、足腰の関節も柔らかくなる。そのため、素早い動きに適応でき、手の一振りで肉を深く抉ることができる。
思考能力は特に変化しないが、人格が獰猛になり血を見たくて堪らなくなる。
覚醒したら自分の意志では元に戻ることできなくなり、相手か自分どちらかの死、または
疲労によって動けなくなった時に能力が解かれる。
覚醒限界時間はせいぜい五分強といったところで、15分程度は休息をとらないと再びの覚醒ができない。また、能力が解かれた時、覚醒時の記憶はなぜか消えている。
が、能力の使い方などは覚えている。この理由は未だに不明。
《覚醒技》【野生の勘(ワイルド・センス)】
覚醒時、致命傷になるであろう攻撃が高速で叩きこまれた場合、その攻撃を勘で予測し1度だけかわすことができる。
しかし、致命傷の攻撃が連続して叩きこまれた場合は、二発目以降を避けることはできない。
《覚醒技》【頂点の目(ヴァーテックス・アイ)】
覚醒時に対象と目を合わせ、殺気を視線に乗せて送る事によって効力を得る。
相手の深層心理にある生物本来の“恐怖”を引き出し、能力の発動を停止させる。
他の効果としては、体の震え、足のすくみ、冷や汗や心拍数の上昇などである。
技の発動は、殺気を送った一瞬で行うことができるが、効力は10秒間だけ。
それ以降は、この“恐怖”に慣れてしまうため無効となる。
《覚醒技》【捕食の脚(プリディーター・レック)】
全身の筋肉を一気に躍動させ、目にも止まらぬ早さで相手に接近する。
約100mの距離を一気に詰めることができるが、急進・急停止を行うこの技は、筋肉の損傷も激しいため、1度の戦いで使える回数は2回が限界。
また、直進しかできないため、動いている敵にはあまり有効とは言えない。
《覚醒技》【鋼鉄の手(スティール・ハンド)】
手の側面の皮膚を硬化させ、金属をも切断する手刀を作る。
現状、1度の戦闘で五回ほど繰り出すのが限界である。
余談ではあるが、首領を瀕死の状態まで追い込んだのは、
“頂点の目”と“鋼鉄の手”の組み合わせ技である。
補足