
| 製作者 | こめつが |
| 出場大会 | 第十回大会 |
| 経歴 |
設定
「おや、このようなところから物見ですか?酔狂な方もいるものですね。
あれ、違いましたか。これは失礼致しました。
私ですか?…私も眼前の戦に参加するためにここにいるのですよ。
っ!おっと待ってください。すぐに戦おうってわけじゃありませんよ。だからその手を収めてください。ね?
どうです?まずは互いの身の上話でもしませんか。
『戦争という時にゆっくり茶話なんかしていられない』…?まぁまぁ、そのようなことを仰らずに。
それに素性が分かれば、目の前の人物が敵かどうか見分けがつくでしょう?
では貴方が語りやすい様、例として私の話からさせていただきますね。
私の人生というものはそれはそれは平々凡々、努力こそいたしましたが険しい山や切り立った谷のない、至って普通のものでした。
家訓を守り、研究に没頭した日々…そうして得た家庭。幸せに溢れた日々でございました。
しかしあの科学タワーの事故により、他の方々と同様、私の人生は大きな転機を迎えたのです。
結果から申しますと…妻は悪い能力者に殺され、私も悪しき能力に侵されました。
全てを失った私は…"普通の方"ならば憎悪や復讐の念に駆られ、その咎の清算を行うことでしょう。ですが、私はそれを行えませんでした。自身の存在が分からなくなってしまったからです。
私という存在をであることを証明するために、私は家訓に縋り…結果的に新しい価値観を手に入れて前に進むことができました。
…不思議な縁です。家訓を優先して自身が興味を持った研究<ルビ:しごと>が私を変え、家訓そのものにしか縋るようにさせなかったのですから。いえ、独り言です。
新しい価値観を手に入れた私は同士とも云える方々に出会い――その方々は残念ながら思うようにことが進まなかったようですが――そうして生きる目標と自身の新たな限界を知る機会を得ました。
生きる目標は今こうして戦争に参加する理由であり、そういう過程を経て、貴方とお話ししているわけでございます。
あぁ、貴方もその様な経歴を…『婚約者が殺されて、悪の能力者が許せなくなって、連中を止めるために対能力者部隊の一員として戦っている』…なるほど、互いに苦労をしましたね。
ところで貴方は相当に正義感がお強そうなわけですが…悪というものを少々単純視してはいませんか?
脱獄した方々が皆悪しきものと貴方は考えているようですが、往々にして相違することもあるのではないでしょうか。
例えば誰かに騙られたり、脅迫されて致し方なく行っていたり…もしくは貴方と同じく、復讐で行っている者もいるかもしれませんよ?
それに逆のこともしかり。貴方の一員に憎むべき悪が混じっているかもしれないではないですか。
考えてもみてください。あのタワーの科学者たちは、守るためにと故フランケンシュライン氏の文字通り命をかけた研究の結晶を結界としてあそこに張りました。一見すれば美談の様にもみえるでしょう。
しかしともすれば、それは同胞であるはずの対能力者部隊でさえも抑え込むものです。いくら守るためとはいえ、見方を変えれば貴方達をも拒絶しているとも言えなくはないでしょうか。
それにあれが都市そのものを覆うほどの規模になったら、正悪を問わず能力者の存在でさえ否定されかねないのです。故フランケンシュライン氏や隊長であるブラナー氏の「能力者とともに未来へ進む」ことから真向に反対しているではないですか。
そもそも、”科学”とは道徳と相反する事象です。
発展のために膨大なモノを捨て、生きるために同価値の他を犠牲にするのです。そこに感情などありません。そのようなものを担うこの都市で正悪を判断するのは、甚だ疑問に思います。
『それでも秩序を乱す輩を悪と判断するのは正しいことではないか』?その論点でゆけば、この秩序もなにもない戦争に参加している時点で、悪だと思いますがね。
いやしかし、私は否定はしませんよ。そもそも、戦争に参加している者は全て正だとも思っております。何故なら、皆自身の自由の為に戦っているからです。対能力者であれば、悪を殲滅し平和と自由を取り戻すという意思、囚人たちであれば自由を手にいれるという意思。自分を縛るものから解き放たれるため、信じる正義の為にぶつかり合う…素晴らしいではありませんか。そうです、生きている者は皆自由に生きなければならない!自由とは、何者にも縛られてはならない!それは他人でさえ、社会というルールでさえも!秩序が一切取り払われたこの眼前の混沌は!自由が随所に散りばめられ撹拌しているこの戦争は!私が見てきたどんな自由よりも救われていて素晴らしい!!この光景こそ私の求めていた自由であり、生きてきた目標です!!
…失礼、議題から大分逸れてしまいましたね。おや、どうされました?そのような怖い顔をされて。
『やはりお前は倒すべき悪だ』?…いえいえそんな。私はただ誤って妻を殺めて、「自由に生きる素晴らしさ」を他の方に知っていただきたく語るようになって、裏社会で幾人もその道へ引きずりこみ、戦争を引き起こそうとしていた同士の手伝いをした、ただの年寄りですよ。あれ?話していませんでしたか。まぁこの辺りは話せばそれはそれは長い話でありますからね。もう少し聞いていきますか?…残念です。持論を語った結果「己の快楽のため、婚約者の片割れを殺めた」という方がいたお話もしようかと思っていましたが…。興味はおありですか?あるように見えますがそれどころでもなさそうですね。ははは、目を細めてまるで睨みつけているようです
ね。そんなことをしていると私みたいに老眼になってしまいますよ?あぁ、もう冗談にも付き合ってくれないのですね。本当にお話しできないことが残念です。仕方ありません。
貴方にも、自由に生きる素晴らしさをキョウベン致しましょう。
名前:Charles Duttine(チャールズ ダッティーネ)
性別:男 年齢:49歳
身長:177cm 体重:74kg
科学タワーで働いていた科学者。主に分析化学や合成化学について研究していた。
決して天才とは呼べなかったが、絶え間ない努力と根っからの研究者気質により科学タワーの一員となり、そこで後に妻となる人と出会う。結婚し、娘もできて順風満帆な生活を送っていたが、娘が進学のために引っ越していくその日に科学タワーの落雷事故が起こり、自らも能力者となる。混乱のさなか娘を見送り、その後何とか生き延びていたが、自身の能力は妻を自殺へと追いやってしまった。間接的ではあったが妻を殺してしまったことに怯えて裏社会に逃げ、またそのことにひどく絶望し、一度自殺を試みようとしていたが能力は彼自身にも及んでいた。能力によって価値観を変えた彼は家訓であった「自由に生きる」という意味を歪ませ履き違えるようになり、その上他人の為にできることを尽くす性格が相まって、彼は「皆が自由に生きる素晴らしさを知ることができる」ように生きるようになる。その為にはと、手始めに裏社会で「秩序も規則もない自由」を人に説き混乱させていたところを、「ビジネスの為に戦争を起こす」方針を組んでいた組織に拾われた。そして組織に賛同し、しばらくの間地下の闘技場にてひっそりと活動、今回の囚人たちの脱獄や戦争が起こることを心待ちにしていた。(組織自体はとあるトーナメントで闘技場が幽霊屋敷となって以降、組織の稼ぎが思うようにいかず徐々に衰退したそうだが…)。余談ではあるが、彼は娘が投獄されていたことは知っているが、跡形なく亡くなったことは知らない。
彼は優しく献身的だが少し頼りない、どこにでもいるような父親であった。その性格自体は変わってはいないが、能力の影響によって何よりも自分の信条を優先するようになったので、相手のことは考えずに“自由”を押し売りしようとする。
皆が自由を得られるのであれば誰がどんな風なことになっても構わない、最悪自分が死ぬ結果になっても良いようである。彼の思い描く「自由である状態」が達成された今、特に生への執着は薄くなっている。
彼がこの戦争に参加するのは、あくまで規則や社会倫理にとらわれて戦っている対能力者部隊に、彼なりの自由の素晴らしさを説き、より戦争を混沌としたものに導く為である。
また彼のいう自由はモノに対しても適用されるようで、特にタワー内にある知の財(実験段階の研究や公に出せない禁忌等)は解放されるべきと思うところがあるらしく、それらを狙う人の手助けをしようと考えているようだ。
能力:掻混攪拌(そうこんかくはん)
モノを掻き混ぜる能力。
「掻き混ぜる動作をした」地点から半径最大1m内の物質を混ぜ合わせることができる。ただし「掻く」動作をした道具は効果範囲内にあっても混ざり合わない。
(以前はその効果範囲は小さかったのだが、とある試合で凍傷を負い試行錯誤した結果、片腕で行う等能力の施行を集中させることでその範囲を広げることに成功した。凍傷はすでに治っている。)
別種の物を同時に掻くことによって、それらを混ぜ合わせることも可能。
しかし能力自体は「混ぜる」だけであり、そこから新しい物を生み出すことは能力外のことである(既存概念で「混ざりあうと発生するもの(化学反応など)」が生じることはあり得る)。
化学反応や能力によって固まる現象が起きない場合、 掻き混ぜたものは少し粘性を帯びた液体になる。
効果範囲は半径15cm~1m。但し20cm以上効果範囲を広げようとすると集中することが必要となるため、効果範囲に比例して思考・反応が遅れてしまう。
またこの能力は物質の表面を小さく掻くことでも発動することが可能なため、一見すると「触れた部分が溶けだす能力」に見える。
副産物として、この能力は精神にも作用することができる。
混ぜ返すような言葉や話を語りかけることで発動。
相手の常識や善悪の判断をかき混ぜる―撹乱状態にする。
この術にはまった者は今までの価値観をリセットされ、自身の立ち位置や生き方等について苦悩することになる。
その後、「自身は惑わされている」と自覚し立ち直るか、その言葉に惑わされ新たな自分を発見し変わり果てるかはその人次第である。
彼は今回、”戦争による科学都市の無秩序状態”が見たいので、正そうとする者や邪魔立てする者にこの術を使おうとするが、
今まで通りそのままにしたら面白い・もしくは自由を理解してくれそうな人物には使わない。
欠点:主に手で掻く動作をするので、直接触れると危ないモノ(溶岩や強酸性の物質等)を彼は掻き混ぜようとはしない。また、元はただの科学者であるため身体能力は高くなくスタミナもあまりないので、長期戦を苦手とする。
補足