製作者 | 磁石 |
出場大会 | 第十回大会 |
経歴 |
設定
『ケイジ』
数十人にも渡る善と悪の能力者達は、誰もその物体が『牢獄』ではない事を疑っていなかった。
誰かが、その人型の牢獄に閉じ込められた恨みを示すべく、この場にまで牢獄そのものを持ってきたのだろうと。そのように納得して、一切警戒していなかった。
だが"それ"が単なる重金属の塊ではなかった事は――科学都市の命運を賭けた戦いが始まってから、すぐに知れた。
何処からか飛来した熱光線を、牢獄の一部であった細い鉄柱が突き出て、弾き飛ばす。
網状に張り巡らされた金属の柱。その一つ一つが、心臓が拍動するかのように震え、甲高い衝突音を響かせていた。
既に戦闘が始まり、幾多の災害が同時に巻き起こっているかの如き騒乱に包まれた、科学タワー前広場。
その場に新たに加わった音は、金属の体が掻き鳴らす憎悪の音色と、どこまでも重厚で巨大な男の声だった。
『――オレヲ、"アノ場所"ニ突ッ込ミヤガッタノハァ……』
『何処ノドイツダァア"ァ"ァ"ッッッ!?』
【説明】
数年前に『雷』を受け、全身が牢獄と化してしまった能力者。
体が変質した際に脳などを失ってしまったのか、それ以前の記憶やその時何をしていたのかは全く分からない。
そして何も事情が掴めない内から、巨大な重量が原因で器物損壊の罪を犯してしまい、抵抗の間もなく重機によって投獄されてしまう。
以降は自分の意味不明で不幸な人生に思いを馳せ、自分を収容所に追いやった者たちへの恨みを重ねながら、置物の如くじっとしていた。
そのため収容所の中では、"最も罪の重い囚人が入れられると言う伝説の牢屋"として囚人たちにも看守たちにも恐れられていた。
能力者達が脱獄した際には一番遅く収容所を出てきて、誰にも気づかれず広場の付近までやって来たので、誰も彼の事を知らない。
しかし彼は明確に『対能力者部隊』を狙って行動している為、彼が『脱獄者』の側である事はすぐに知れる筈である。
【性格】
『雷』を受ける前から粗野な所はあったが、数年間の投獄生活を経験してから、その性格は更に悪化してしまっている。
自分よりも格下の相手や重要度の低い相手であっても、鬱陶しいと思ってしまうと全力で攻撃せずにはいられない。
一度頭に血が上るとそれが下りてくるのには相当時間がかかり、その間はとにかく暴れ回る危険人物。
ただ、その全てを一挙に叩き潰してしまいたがる豪快な考え方が、思わぬ戦略を生む事もある。
【能力】
・牢獄の体
異様なまでに頑丈な数百本の鉄柱より構成されており、心臓もなければ脳もない。
声帯が無いにもかかわらず、声だけは檻の奥から響いてくる。
『目』に類する器官は頭の前面にあるらしく、全方位が見えている訳ではない。
妨害系統の能力をも防ぎ得てしまう強靭な性質は、『スーパー・コンクリートX』と似通った物がある。
身長は3メートル半程度、体重は測定不能との結論を下されている。
・鉄柱による攻撃
体から数本の鉄柱を外し、束ねた後に振り回して攻撃する。長さは3メートルほど。
前述の通り、外見こそ細いが常識外に頑丈で、破壊する事は不可能に等しい。
奥の手として、体を一気に分解してハリセンボンのような形になる技もある。
・檻の『開門』による攻撃
胸部の中心の鉄格子を外し、彼はその体を"開く"事が出来る。
完全に開き切った状態で、その大きさは横2メートル、縦2メートルほど。
檻の内側にあるのは物理法則に反した広い空間であり、彼はこの中に敵の攻撃や敵そのものを放り込む事が出来る。
倒した相手や味方にさえ危険が及びそうな攻撃は、これによって防ぐ。
その内側に入っている物は、彼が望んで出そうと思うか『檻』自体が完全に破壊されない限り、出て来られない。
殺してはいないものの戦闘不能にした敵は、ここに放り込んでしまう場合もある。
・弱点について
鉄柱による攻撃などを行っている時、使用している柱の根元にライフル並の強い衝撃を加えられると、体からその柱が抜け落ちてしまう。
一度外れた鉄柱は2度と元に戻すことが出来ず、足や腕などの基点を外されると、一気に移動力や戦闘力が落ちる。
また、首か或いは胴体が分断されると、彼はバラバラになって"死んで"しまう。
補足