
| 製作者 | 磁石 |
| 出場大会 | 第十回大会 |
| 経歴 |
設定
『シード』
不老不死を実現するために、数十の科学者が極限の頭脳を結集した。
人間に想像できる事が実現しない筈はない。そう考えて、昼も夜もなく研究に励み、1つの成果を導き出した。
不老不死を実現するために、数百の被験体が最底辺の地獄へと堕とされた。
『不死身処理実験』の名の下で死という絶対の安楽を毟り取られ、用済みとなれば宇宙の果てへと破棄される。
被験体の中から生物史上の最強へと迫った者が現れ、英知の結晶たる『科学タワー』を脅かす事になるとも知らず――研究は続いた。
1人の若き科学者が。まるで"神"のように若き科学者が、軽々しく不老不死の概念を覆すまでは。
「不老。そんな物は存在しない。時の流れを逃れ得る生物など、居る筈がない」
「不死。そんな物はどこにだってある。生きていない物は、死なないのだから」
『科学タワー』の広大な研究発表室の中心に立ち、その男は演説した。
研究に携わってきた者全ての努力と時間を覆す、真理へと近づいた言葉を。
「我々が真に求めるべき存在とは。動き続ける者。歩み続ける者。進化し続ける者。そうして、老い続ける者だ――!」
◆
男が提唱した理論により、不老不死を実現しようとしていた研究室はあっさりとその意義を失った。
そして、その代わりに――新たな理論を証明してみせようという、狂おしいまでの熱意に駆られていた。
必要とされたのは『適応力』。命を守るために進化する力。
衝撃に、高熱に、低温に、電流に、深海に、高空に、宇宙に。
――適応する。抗わず、受け入れる。
研究の初期から痛覚の除去実験は行われ、そして功を奏していた。
『被検体NO.01』……不死の『種』となる生物は実験の過酷さを度外視して生き続けることが出来たのだ。
時間が流れるに連れて実験に銘打たれた番号の桁は増していき、研究員達はそのたび歓声を上げた。
誰も苦しまないのだ。被験体は笑顔で実験をやり遂げ、今回も生き残れたと嬉しそうに告げる。
もっと実験を。もっともっと試験を。もっともっともっと、危険を。
世界がどんな状況に陥ろうとも、人々の為に在り続けられる生き物を――。
"これこそが、『我々の計画した最強の生命体』なのだ――!"
◆
撒き上がる土煙。或いは血煙、そして香る死臭。
最高級の嗅覚は数十メートル離れた場所からでも戦いの臭いを感じ取り、危険信号を全身へと行き渡らせた。
保護対象であった大統領は既に死亡したとの報。
与えられた役目は、収容所より脱獄した能力者達の抹殺――そして。
スターベン・メヒトの確保。不老不死実験の最悪の被害者にして、脱獄囚達を率いる存在の捕縛。
「……技術は進歩した」
あらゆる生物の頂点に立つ、人智を超えた人智の結晶体――満を持して繰り出される、対能力者部隊の"切り札"。
『被検体NO.01』……『シード』とのコードネームを与えられた1匹の獣は、巨大な無人輸送機のコンテナから広場を見下ろした。
吐き出される言葉は穏やかな響きを秘めているようでいて、強烈な敵意が満ちている。
「確かめてやろう、スターベン・メヒト。古き古き、お前の"不死"と」
「世界の最先端たる俺の"不死"。そのどちらが本物かをな」
シードは死刑を宣告するかのように冷たく呟いた後、一切の躊躇いもなくその身を空中へと投げ出した。
地上が迫ってくるに連れ、シードの総身の毛が黒く重く変化していき、近接の攻撃に適している棘だらけの形を作る。
鋭い牙が並んだ口中から覗く、2つの小さな小さな目。
それらは赤く輝くと、温度を感知する神経を新たに生成して、戦場の全てを見通す助けとなった。
能力と能力の衝突、暴威の嵐が吹き荒れる中――シードは咆哮を上げ、降り立った。
【説明】
理念を一新した『不老不死実験』の下で生み出された獣。
彼1匹だけで気の遠くなるコストが必要とされた為、いわゆる『被験体NO.02』はまだ存在していない。
基本的に『不老不死実験』自体が秘匿された実験なので、研究所の外の世界を見た事はない。
しかし戦闘を前にした彼の脳は戦闘専用に作り変えられる為、今更、景色程度で戸惑いはしない。
【性格】
自分を作り、育て上げてくれた研究員たちに絶対的な忠誠心を寄せており、彼らの為に力を尽くそうとする。
尚且つ、彼らに害を成した脱獄囚達への敵意は深く、一人たりとも取り逃がさずに拘束するつもりでいる。
基本的に冷静であるが、彼が"因縁の相手"としているスターベン・メヒトと対峙した時にだけは我を忘れ、攻撃を仕掛ける。
【基本情報】
全長:4m30cm(可変) 体重:250kg(可変) CV:銀河○丈
【能力】
・身体の構造について
非常に大きく、凶暴な二足歩行の兎のように見えるのは、実の所『外皮』。
本体はその喉の奥に居る黒い猫のような部分で、本体が残っている限り、死んでしまう事はない。
直接的に見聞きするのは外皮だが、それを受信して思考するのは本体の役目である。
・外皮の『適応力』について
外皮の体組織には『不死』をコンセプトにした、超進化を実行し続ける細胞が組み込まれている。
これは周囲の環境、状況に応じて形や性質が変化する力であり、彼は理論上どんな場所でも生き続けることが出来る。
また、外敵からの攻撃に対しても適応は実行され、同じ攻撃が2度以上通用する事はない。
尚且つ、予想し得る危機に、事前に対処するような適応も可能である。
但し、リソースを効率的に使うため、使えないと見なされた能力は速やかに破棄される。
・本体の『適応力』について
本体は子犬にさえ勝てない程度の力しかないが、その引き換えに脳が凄まじく強靭な性質を持つ。
相手の構造や攻撃方法を分析し、それに合わせて最も効果的な行動を導き出せるのである。
身体的な適応能力は皆無なので、攻撃を受けることは容易く致命的損害へと繋がる。
いざとなったらひっかき攻撃を繰り出す。
・欠陥について
状況の度合いによっては、免疫のアレルギー反応のような過剰な適応をもたらす事もある。
危険すぎる状況は過剰な防御力、危険な敵との相対は過剰な攻撃力を生み、その他の能力に割くべきリソースまで使用してしまう。
また、本体と外皮の適応の方向性には僅かなジレンマがある。
本体が外皮に適応してほしいような性質と、外皮が反射で行う適応に差異が生じる事もあるということである。
補足