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オリヴィア

 

 

 

製作者 ずっきぃ 
出場大会 第十回大会 
経歴  

 

 

 

 

設定

「これで私も、家族を守れる」

◆非行少女
彼女は非行少女であった
ただ彼女自身それがかっこいいと思ってもいないし
彼女の周囲でそれが流行っているわけでもなかった

別段奇抜な格好を好んでいたわけでもないし
タバコやお酒に手を出しているわけでもなかった
もちろん不純異性交遊なんてもってのほかである

しかし彼女の現在の状態は非行少女と呼べるものであった

学校が終われば家に帰らず、目的もなく繁華街をぶらぶらと歩きまわり
家に帰るのも夜遅くになってから
両親ともこれといった言葉を交わすでもなく
ただただ無干渉に生活を送っていただけであった

彼女の家庭環境に対する周囲の評価は非常に高かった
父親の職業は立派なもので、母親も明るく朗らかでよく気が利く
家も都市の中では一等地にあり
順風満帆で幸せな家庭そのものであった

しかしそれはあくまで外面的であり
家庭内では完全に冷め切っていた
親の政略により無理に婚約をさせられていた両親にはもとより愛などというものは存在しなかった
そして彼女はその関係を繋ぎとめるだけの枷でしかなかったのであった
そのため彼女が遅く帰ってこようとも、どこにいようとも
それこそ学校の成績の良し悪しすら
彼女の両親は関心を持ってやったことは一度としてなかった

彼女は虞犯を行う意気地はなかったが
しかし両親に愛はあるのか、それを確かめたがった
それゆえの非行であったのである

一向に関心を持とうとしない両親に業を煮やした彼女は
思い切って家出をすることを思い立った
ご丁寧にも置手紙を目立つように用意して
自分の部屋を大きく荒らしてまで

彼女は両親がどう動くか、彼女は観察してた
しかし両親は何事もなかったように普段通りの生活を送り始めた
彼女の家出に気が付かないはずはなかったが、それでも彼らは彼女を探そうともしなかった

彼女の淡い期待はこんなにも簡単に打ち砕かれることとなったのである
彼女もここまでだったのかとひどく落胆をしてしまった

自暴自棄になってしまった彼女は夜の繁華街へ走って行った
民度の高く、治安のよい都市の中心部であっても
夜は少女が不用心に歩くには適さない場所であった

落胆し適当にふらついていた彼女は、しかし自身の身を守るため警戒はしていた
そんな彼女に声をかけてきた女性がいた
「こんなところで一体何をしているの?」
彼女は補導されるかもしれないと身構えた
補導されてしまえばまたあの両親の元に戻らなくてはならなかったからであった

しかし声をかけてきた女性は親身に悩みを聞き、そして共感し
行くところもないならと彼女の保護を申し出てきた

その段になって彼女は自分が何も考えずに飛び出してきてしまったことを思い出した
彼女はその女性の申し出をうかつにも受けてしまう
それは男性ではなく、女性であったための油断であった

◆そしてモルモットに
彼女が連れてこられた場所は都市内にある何の変哲もないビルであった
「あなたたちのような子たちを保護するのが私たちの仕事なの」
多少の不安も感じたが、そう説明する女性の言を信じ、ついていった
とある一室に通されると一度彼女は安心した
そこには自分と同じような少女が数名いたからであった
ほっと一息ついたとたん

ガチャリ

彼女の背後で扉が施錠される音が鳴った
背後を振り返ると先ほどまで一緒にいた女性は居なくなっていた
そこで初めて彼女は後悔する
あらためて眼前の少女たちを見ると皆悄然としていて
いかにしても行くところもない家出少女たちが保護されてきたようには見えなかったのであった

彼女は目の前の少女たちに事情を聴いて回った
半ば誘拐に近い形で連れてこられた少女もいれば
肉親の死の直後に身元引き受け人であると言われ連れてこられた少女もいた

彼女は自分の愚かさを呪った
自身の安易な考えによって自分の人生を狂わせてしまったかのようだった

この部屋に監禁されるようになってからときたま新たな少女が連れてこられることがあった
最年長である彼女はこれら少女たちを励まし元の生活に戻れる希望を潰えさせないよう
心の支えたらんと尽力した

十人目に連れてこられた少女をなだめていた時だった
先ほど少女を連れてきた男性とは違う、白衣を身にまとった科学者然とした集団が部屋に入ってきた
彼らは少女を一人ずつ部屋から連れ出しそしてまた部屋に戻していった
帰ってきた少女は心なしか意識が朦朧としているようであった

そしてオリヴィアの番となり病院の診察室のようなところに連れて行かれた
科学者たちは注射器を取り出して「ちょっとだけおとなしくしていろ」と彼女に告げた
抵抗したが科学者たちに抑えられてしまい左腕に注射されてしまう

激しいめまいが彼女を襲い、意識が朦朧とする
そして気が付くと彼女は先ほどいた部屋に戻ってきていた
朦朧とする意識の中、ここがどこなのか、今がいつなのか、自分が何者なのかがあいまいになる感覚に陥った


・・・・・・


十人の少女たちと科学者たちの奇妙な共同生活は訳も分からず続いている
といっても科学者たちはあまり積極的に干渉してはこなかった
オリヴィアは他の少女の心の支えとなるべく、まるで彼女たちの姉かのように相も変わらず振る舞っていた

ある日科学者たちが部屋に入ってきたかと思うとメガネをかけた少女を一人連れだしてしていった
最初はいつもの検診だと思っていた

しかし連れて行かれた少女はこの部屋に帰ってくることはなかった

少女が一人いなくなってからひと月、また科学者が現れたかと思うとまた少女を一人連れだしてしまった
二人目の少女がいなくなってからまたひと月、三人目の少女がまた部屋を連れ出された

不安に押しつぶされそうになりながら、しかしほかの少女たちの希望を失わせないために
きわめて明るく振る舞い続けた

「大丈夫、大丈夫だから、何も心配いらないから・・・」

翌月、四人目の少女が連れ去られた
彼女たちは無感情に扉の外に引っ張り出される少女を見つめる以外になにもすることができなかった

その翌月、そして次の月
次の少女が連れ出されることはなかった
部屋に残った少女たちは安堵した、それ以上にもうこれ以上何も起こらないのではないか
そんな小さな希望を持ち始めていた

四人目の少女が連れ去られて半年がたったある日、しばらく沈黙していた扉からまた科学者が現れた
淡い希望を持っていた彼女たちは、希望を持っていたからこそ、その落胆はおおきなものになった

科学者は軽く彼女たちを見まわしたあと、まっすぐにオリヴィアの元に歩いて行った

「あぁ、今度は自分なんだ・・・」

そう彼女は小さく零し
そしてすぐにこの場に残される少女たちへの心配へと関心が移って行った

自分がいなくなった部屋に残された、心の支えを失うであろう少女たち
彼女たちが不安に思わないよう、少なくともこの瞬間だけは希望を失わないように
できる限り気丈に、彼女たちに笑顔を見せていた

大丈夫、大丈夫、あなたたちの希望はなくならない

そして彼女と彼女たちの目の前で、その扉は閉じてしまった
部屋から連れだされた彼女は普段の診断を簡単に受けた後
採血と、そして皮膚片を採取され、病室と思われる個室に通されることとなった

彼女はあっけにとられていた、連れ去られた少女たちがどうなったのか
たぶんそれを自分は今現在体験しているのだと思われる
が単純な待遇としては先ほどの部屋に押し込められているよりはよかったのである

彼女は依然として何をされるのかは不明であったが
しかし「こんなものだったのか」と少々の安堵を覚えた

彼女は病室で手厚く世話をされた
病室から一歩も外に出されることはなかったが、先の部屋と比べると明るく清潔感のあるこの場所は
彼女の精神を癒してくれていた

この生活を手に入れてから数か月
定期的な健診がある以外は何とも平和な生活であったが
ある日科学者から手術着に着替えるよう言われ、手術室のような部屋に連れて行かれることになる

その部屋には手術台が中央に置かれ、様々な機器が周囲を囲んでいたが
その中において巨大な培養漕がいくつも並び、その中にはおぞましい姿をした化け物どもが静かに浮かんでいた
彼女は小さく悲鳴を上げ、その部屋に入ることを拒んだが、科学者たちに強く押され、手術台の上に寝かされた
マスクを顔にかけられ、そこからガスを流され、彼女は意識を失ってしまったのだ

・・・・・・

気が付くと知らない天井、白い壁、広い部屋
周りには科学者たちがなにかボードに記入しながら、何かの計器の数値を読み取りながら
彼女の様子をうかがっていた

次第に焦点が定まり、意識にかかった靄が晴れはじめたころ
彼女は自身の身体に違和感を覚えた
最初それはひどい倦怠感であった
次第に体が重い感覚だと気が付いた
視線を下に移していくと、そこには得体のしれない、いや先ほどまでいた手術室で見た覚えのある
奇妙な甲殻類のような四肢が存在していた

彼女はそれが何を意味するのかを理解できず、そして目の前にあった姿見を一瞥してすべてを理解した

彼女の下半身にはあのおぞましい化け物の身体が縫い付けられていたのであった
彼女はひどく錯乱した、悲鳴を上げ、力の限りこの現実から逃れるため暴れだした
移植により縫合した部分から血が滲み、鋭い痛みが襲ったが、彼女にとってそれは些事であった

科学者たちは暴れる彼女がこれ以上傷つかないために、鎮静剤を大量に投与した
彼女の意識は朦朧とし、以降彼女の記憶はあいまいなものになってしまった

◆裏社会解放
彼女は既に外の世界で何が起こっていたのかを把握することができないでいた
都市の、科学の象徴である科学タワーに雷が落ちたこと
その事故が原因で超能力者と呼ばれる人たちがあふれ出したこと
それらを抑え込むために対能力者部隊が結成されたこと
それを機会に違法な研究をしていた研究所が取り締まられたこと
彼女たちを使って人体実験を行っていたGCボックス社が検挙されたこと
彼女たちは救出され、そして悲劇の主役として世間の注目を浴びたこと

朦朧となる意識の外で、彼女をおいて世界は回っていた

彼女は大量に投与された鎮静剤のせいで呆けたようになってしまい
自分の意思で何もできないまでに精神が崩壊していた

彼女は特異な姿になってしまったせいで表の世界では普通の生活をすることができなかった
他の少女たちもそうだ、世間の注目を集めすぎまっとうな生活はもう望むことができなかった
次第彼女たちは裏の世界に追いやられていってしまった

裏社会で生活基盤を持たない彼女らにゴールドバーグ・ホグネスボックスと名乗る男が保護を申し出てきた
彼は保護の代償を彼女たちに求め、そして少女のうちの一人が彼の興業に参加させられることとなった

・・・・・・

裏社会は崩壊した
大きな興行があったようだが、それによる大きな事故が原因となり
また表の社会からも容認されていなかった都市の暗部の駆逐運動が重なり
違法な興行、違法な営業、違法なものはすべて検挙されてしまったのであった
そういった運動の中、彼女たちも表の社会に保護されることとなった
しかし結局のところ表の社会に彼女たちの生活基盤はなく
風化したはずの注目も、この事件がきっかけでぶり返してしまうこととなる

そんな中、裏社会の検挙に立ち会った対能力者部隊の中でも
ひどくお人よしなミュージシャン風の部隊員が
彼女たちの保護を申し出た
そして彼女は彼の実家に、彼の父親の家で保護されることとなった

オリヴィア自身はなすがまま、なされるがままであったが
他の少女たちはGCボックス社の事件、そして裏社会での生活のせいで
大人たちに対して猜疑心を強くしていた
完全な善意を持って受け入れてくれた彼らのことをひどく警戒していたのだ

しかし彼の歌う歌、そして慈愛に満ちた彼の父親の優しさに触れ
次第に心を開き、次第に家族としてささやかな生活を楽しむようになっていった

オリヴィア自身も鎮静剤の影響が抜け始め、辛抱強く話しかけてくれた父親のおかげもあり
意識もはっきりとし、明るく朗らかな性格を取り戻していった

◆対能力者部隊入隊
義妹たちがこまのように走り回り、このささやかな生活を営んでいることを眺めながら
しかし彼女は自身の思うように動かない体を申し訳なく感じていた
なにをするにも人の手を借りないといけないことは彼女のなかで悲しみの影を落としていった

そんなある日、吉報が飛び込んでくる
幾度か様子を覗きに来ていたお人よしな部隊員が駆け込んできたかと思うと
オリヴィアに対してまっすぐにこう問うた
「元の身体に戻れるかもしれない、どうだ?」
彼女は一瞬躊躇したが、それでも今の身体から解放されるなら
もう人に迷惑をかけることのない身体に戻れるならと了承した

彼の紹介で政府研究機関に出向いた彼女は
採血をし細胞片を採取され
少しの間入院することになった
その生活環境は依然と全く違うものであったが
しかしGCボックス社での生活を少し思い出してしまい、彼女は憂鬱になっていった

だが周りのスタッフの細やかな心配りや義妹達の見舞いなど
彼女の憂鬱を解消するのに一役買っていた

医療スタッフの懇切丁寧な説明と、彼女の身体状況の確認、相談によって
どのような施術をするのか綿密に決められた

彼女から採取された皮膚片から細胞を培養し
それをもとに彼女の下半身を再生、移植する方策が検討され
そして実行に移された

そして彼女は元の身体を取り戻すことに成功したのである
いや正確には頭部に生えている角のような器官はそのまま残されることになったのであったが
彼女の肉体は不自由のないものになったのである

実際に自由に動けるようになってみて、彼女の身体は様々変化を起こしていることが解ってきた
GCボックス社検挙によって押収された彼らの実験のログを参照したところ
彼女が受けた実験は「HEP計画_異種遺伝子導入実験」と呼ばれるものであったようだ
それは人間以外の遺伝子を導入することによる人類の進化を目的としたものであったが
ログを見たところそれは失敗に終わっていたようであった
しかし実験の後、長い期間を経て彼女の遺伝情報は導入された遺伝子の情報を自ら取り込み
順応していったようであった

そのため彼女は常人の範囲内ではあるものの、高い身体能力を持ち
また怪我をしにくい丈夫な身体を手に入れていたのであった

彼女はこの身体を取り戻したことで政府機関、しいてはお人よしな部隊員に恩義を感じ
また今まで迷惑をかけていた家族に報いるために何ができるのかを考えた

そして彼女は対能力者部隊への入隊を希望した
配属されたのは対能力者部隊リーダー、エミット・ブラナ―率いる特殊部隊、通称・デインデ部隊
彼女は身体的にデインデに適応することができ、外部からデインデを供給することで活動できるようになっていたのであった

◆デインデ部隊
査定試合にてエミット氏はデインデと呼ばれる物質の有用性を証明して見せた
そして対能力者部隊が結成された際に、政府は一部隊員を引き抜いてデインデを投与
強大な身体能力とその再生能力で能力者たちを圧倒することを目的とした
デインデ部隊を発足させたのである

外部で生成され調整されたデインデ物質を詰め合わせたデインデカートリッジから
外因的にデインデを供給することで
エミット氏のような特殊体質でなくても身体能力の向上と再生能力を得ることができ
またデインデの供給を自由に操作できるため身体への負荷を軽減し
また不意な負傷によるデインデエネルギーの暴発などを妨げることができるようになっていた

しかしデインデカートリッジからの供給が必須であるため
長時間の作戦行動、常時デインデ状態を維持することが困難であるため
課題も多く残っているのが現状である

◆戦闘方法、能力
彼女の主な戦闘はもともと高い身体能力による徒手空拳であった
それをサポートするために手甲という基本的な装備をしている
これは不本意なことではあるけれども先の人体実験の影響で手に入れた能力であり
また彼女の角、正確には一種の感覚器官ではあるのだが
それによる視覚以上に周囲が知覚できる、具体的には周囲すべての方向にいる生命体の気配を正確に把握できる
異常なほど過敏になった彼女の知覚能力と非常に相性がよかったのであった

それに加えデインデカートリッジによる強化、通称デインデタイム、と彼女は勝手に呼称しているが
それにより驚異的な身体能力を獲得していた、デインデカートリッジにつき十五分、両腕に装備して三十分連続使用が可能である
彼女の場合手甲の手首部分にカートリッジ挿入部分があり、また手甲の中に予備のカートリッジを一本ずつ装備しているため
交換すれば合計一時間程度の連続使用ができるが、それ以上となると本部において補給を受けなければならなかった

また手甲にあるアタッチメントに各種武装を装備し、デインデカートリッジからのエネルギーを利用し使用することができる
彼女の基本装備では「簡易デインデ砲」が装備されており
カートリッジ一本のうちから一割程度のデインデを使用し放つことができる
そのため両手分含めて最大で二十発程度使用することができるが
デインデカートリッジを身体強化と共用しているため
一発使用するたびにデインデタイム使用限界が九十秒ほど短くなってしまうため
使用する際には注意が必要になる

 


補足

 

 

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最終更新:2016年03月25日 18:57
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