
| 製作者 | ふぇぬりる |
| 出場大会 | 第十回大会 |
| 経歴 |
設定
「『戦争』か」
「そうだ、戦争だ」
びゅうと風が強く吹き、その場に大統領の血の臭いを運んだ。屋根の上にしゃがんだ不審者は、臭いを嫌うように口元をマフラーで覆い、ずり上げる。フードの中では深い隈が刻まれた眼が、まさに戦争の始まろうとしている瞬間を目にとらえていた。
「本業としてはありがたいことだが、今起こってもらうのは困るな」
「血を、流すのかね」
1人で二言を紡ぐ奇妙なこの男の姿を捕えるものは、この屋根の上にも、地上にさえもいなかった。目の下に深い隈を作った男は、何かを捕えすくりと立ち上がる。
「俺からは流れない」
地面に軽々と着地したその身体は、猫のようなしなやかさとすばやさをもって姿勢を整える。その時、彼の立っていた屋根は轟音と煙をもってして消失していたのだった。
情報
ディートリヒは暗殺者であり、傭兵である。彼は何年か前、科学都市の落雷以前に大統領の暗殺を依頼されていた。誰からかの依頼なのかも彼は知らなかったが、その為の下準備をしている間に落雷は起こり、街は一時的とはいえ封鎖された。
その際、彼は反転の能力を手に入れていた。そして町は悪に染まりつつあった。彼の行っていた下準備は犯罪を犯す能力者たちによってことごとく破壊され、しまいには自らの存在を曝け出すことにさえなっていた。
暗殺計画の事実を知らないにせよ、様々な工作をした事から彼は能力者たちに追われてしまっていた。必死に裏道を通り逃げる途中、彼は自分の能力の暴走に気付かず、とある存在と自分の存在をペアリングし、能力を使った。
それは猫であった。能力者に追われその道、目の前を通ったのは黒猫。結果的にその暴走で追手からは逃げることはできたが、新たな身体の同居人が増えるという厄介ごとも背負うことになった。
お互いの交渉により、彼らはそれぞれの自由を得ることになる。ディードリヒが眠る間は猫となり、行動すると。しかし問題もあった。猫の行動時間、ディートリヒは眠れないのだ。なぜか眠れない。睡眠時間はすっかり減り、いつしか目の下にはクマが刻まれていた。
それから対能力者部隊結成の為の大会が開かれ、町の封鎖は解除される。彼は能力の解析よりも身の安全を最優先にし、科学都市を離れた。
彼らはほとぼりが冷めた頃、この都市へ舞い戻った。科学タワーでの事故による能力の発現であれば、そのタワーの科学者であれば能力の消失に匹敵することもできるのではないかと思ったからだ。何らかの能力を持ち、猫に何らかの能力を行使したことでこうなったという漠然とした情報しかない状態ではあるが、寝不足からの解放と、束縛からの解放という行動理念は一人と一匹には共通してあった。この一人と一匹は能力の使用方法がなんとなくわかっても、ペアリングの解除方法がわからないままだったのだ。
タワーへ向かう。能力のことを話せばきっと対応してくれる筈だ。そうして彼らは、光る科学タワーと大統領の言葉、首が跳ねる光景を見ることとなった。
対能力者グループへの参加は職業柄できないものの、この国を潰され、科学者を殺されては困る為間接的に味方する。
能力の消失とお互いの自由を彼らは望んではいるが、お互いのこと、能力ありきの生活に少し情を持ち始めている。
能力
選んだ対象とペアリングされ、指定したタイミングでその存在と入れ替わることができる。現在猫と存在をペアリングしている。ペアリング相手からそれぞれ微弱な影響を受けてもおり、傭兵は夜目が効き、猫は少しの知識と言語を理解している。能力の使用に時間はかからない。
武器としてハンドガンとバトルナイフを所持。弾薬の予備も用意されているが、無限ではない。
技
存在反転
傭兵の時は猫に、猫の時は傭兵に存在を入れ替える。精神的な交換ではなく、肉体そのものの置換。それぞれの身体はそれぞれにしか動かせない。片方の肉体に傷がついてももう片方にはその影響は及ばない。
視覚反転
相手の視覚を上下反転、または左右反転させる。
聴覚反転
相手の聴覚を左右反転する。
運命反転
絶体絶命の危機を逆手にとって、ダイスをひっくり返すかのように状況を変える。その時々によって起こる事象は変化するが、どうであれディードリヒにとっていいようになる。1戦闘中に1回しか使用できない。
重力反転
ごく僅かな範囲(自分のみが入る程度の範囲)のみの重力を反転させる。つかまれている状態だと、捕まえている人物を引っ張って上昇する。反転させ続けていると空へ向かって落下することになる。
弱点
一般軍人程度の身体能力であり、相手に直接的なダメージを与える能力でもない為、タネがばれて対処をされてしまうと厳しい。またそのため、長期戦が苦手。場を仕切りなおすための逃走も手段の一つ。
補足