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フェリックス・ジェイミー

 

 

 

製作者 さのばてっく 
出場大会 第十回大会 
経歴  

 

 

 

 

設定

/*対能力者部隊の間接的な味方となります*/

囚人達が脱獄し都市の中心へ進む中、集団から抜け出し、特殊収容所に一人残る者がいた。
金属で形成された異形の外見。生物と呼ぶには些か奇妙ではあるが、収容所に佇む球体の男は周囲を見渡し、弱く息を吐く。
表情の乏しいその顔に明朗な様は見受けられない。収容所の多くは崩壊して瓦礫が散らばり、所々の隙間から外の風が吹き込んでくる。

辺りにはまだ新しい肉の破片が散らばり、血溜まりも多い。漂う異臭に顔をしかめる。見渡す光景はつい最近までこの場所で戦闘が繰り広げられていた事を物語っていた。
この場所には最早、秩序も、平和も、清潔感の欠片もない。
無意識のうちに口の中で金属の歯がキキィと音を立てていた。
目に映る閑散とした姿の収容所は、死人を見た時以上にファっとマンの胸を締め付けた。
兄を追ってこの科学都市にたどり着き、学び、特殊収容所に赴任し、収監され……長い歳月ををこの都市で過ごした。
何も持たなかった少年にとって、いつしかこの収容所が、科学都市こそが故郷とも呼べる場所だった。
兄を探す自分も、収容所で働く自分も同じだ。その瞬間に心から誰かを思っていたことに変わりはない。
囚人達にさえも、仲間と変わらない愛情を持って接していたつもりだった……。
摩耗を始める自身の記憶を辿りながら身体を奮い立たせて収容所内を探る。瓦礫を掻き分けて、役に立つものを探す。

人間の頃に出会った人は、自分を知っている人は、都市に残っているだろうか。積み上げられた死体の中には見知った顔もあった。
思わず拳を何度も何度も地面へと打ち付けた。敵わなかった。止めることができなかった。
きっと今も続いている暴動。それは何があっても止めなければならない。
これ以上悲劇が起こってはならない。力が必要だ、止める力が。瓦礫の山を吹き飛ばして進む。
まだ足りない……足りない……まだ足りない。まだ……。

「……諦めない!絶対に!」
収容所を飛び出し上空へと飛び立つ。
叫び声は冷たい特殊収容所に吸い込まれて消えた。
時間は無い。早急に戦闘に必要な準備を整えなければならない。

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暫くぶりの自室だった。
看守の仲間が配慮して手をまわしてくれていたのだろうか。押収された物は殆どなく、自室は部屋を飛び出した当時の姿で残されていた。
重い体を引きずって部屋に入る。この都市に来てずっと過ごした部屋だ。収監前の陰鬱な日々が脳裏を過る。
奥の部屋に進むと、自信を対象に自暴自棄な実験を繰り返した研究スペースが当時と変わらぬままでそこにあった。一機の水槽がファっとマンの眼前に広がる。
「……あ」
空の水槽であったはずだ。青年が、静かに眠っていた。所々蝕まれるように金属と身体が癒着している。
それは自分の姿だ。兄を追って特殊収容所の看守に就き、この都市で日々を送ったフェリックスという名の青年であった。
自身を変貌させてしまった弱い心を持っていたあの頃の青年の姿が、ファっとマンの目の前に像として現れた。
「どうして……ここに……」

ドクン……ドクン……ドクン……。
存在しないはずの心臓が体の奥底で鼓動を上げる。水槽の中の青年はうつむいた顔を上げゆっくりと目を開ける。
ファっとマンは目の前の自身から目を離せなかった。動揺を隠せなかった。実体じゃない。
ここにいる自分こそが彼である筈……彼であった筈なのだから。
フェリックスはファっとマンを見やり、人間らしい表情で優しく微笑みかけた。
両者の視線がぶつかる。
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン……。
地響きを上げるように胸の奥で何かが激しく脈動する。息が上がり呼吸が儘ならない。
ファっとマンの胸の奥が締め付けられるように軋む。

顔を上げると、水槽が光り輝いていた。
スゥ……と水槽の中からフェリックスの体がすり抜け、額をファっとマンに重なるように近づける。
息が止まった。穏やかな目が絶えずこちらに笑みを返していた。青年の優しい微笑みは光となってファっとマンの目の前を包み込んだ。。
その暖かさに触れた途端、強烈な眠気が襲い掛かり、自分の体重が数倍にも増したような重い感覚に苛まれる。
目の前の像が崩れ去り、瞬く間にガクン、と意識を奪われ、ファっとマンは眠りの中に墜ちた。


***************

夢を見た。

ファっとマンは幼い少年を眺めていた。美しい夕焼けの空。仲睦まじく会話する兄弟だった。
優しく手を引く兄。連れられて歩く無邪気な弟。街の中心に向かって、歩みを止めることはなく、固く手をつないで、
笑顔を絶やさず真っ直ぐに歩く少年たちの後ろ姿。その後ろ姿をただひたすらに見つめていた。
何を話しているのかは聞き取れなかった。ただ何を話していたのかだけは、はっきりと思い出すことが出来た。他愛の無い話題だが、かけがえのない宝物だ。
少年たちの姿が消えて見えなくなるまで、陽が暮れるまで、見守るように眺めていた。兄弟が離れずに消えていくのを確認すると、
自分でも気が付かないうちににファっとマンの表情は優しく、温かい笑顔になっていた。


数時間後、目が覚めると、目の前には元の自分の姿はどこにも無かった。
流れるはずのない涙を流す、フェリックスという名前の一体の金属生命体のみが静かに、部屋に佇んでいるだけであった。
誰に向けた物なのか自分でも分からなかったが、無意識に
「ありがとう」
と口から言葉が洩れた。
「思えば随分と眠っていなかったなぁ」と最後の作業に取り掛かり、ファっとマンはまた薄く笑みを零した。

 

翌日。
画面に映る科学タワー占拠の様子を背に、
すべての争いを終わらせるため、フェリックスは空へと飛び立った。


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本名:フェリックス・ジェイミー(ファっとマン)

体長:1m

質量:1.4t

性別:男

特殊収容所の元看守であり、囚人として収監されていた男。科学タワーの落雷ではテレパシー能力を発現していたが、
探し続けた実の兄を失うことで希望を失い、実験によって身体を金属体へと変化させ、テレパシーを失う。
自暴自棄の中科学都市で犯罪行為を起こし収獄されるも、囚人たちの脱走を目の当たりにし、争いを食い止めるために再び奮起する。
合金で出来た身体はさび付くことは無く、高い強度を持ち、同質量のスーパーコンクリートXを打ち付けても
変形することが無い。手は伸縮に長け、最大2mまで延び、腕を刃状に変形させて切り裂くことができる。
両腕には特殊収容所の非常用バッテリーを改造した燃料電池を抱えている。
体表面の3つのコアはエネルギーを蓄積するファっとマンの動力減となる鉱石。反重力物質であり、体を宙に浮遊させる力をもつ。
ファっとマンのエネルギー量に応じて明るく光り輝き、エネルギー量の減少とともに点滅を始め反重力の力も弱くなる。
弱点として、温度の低い環境ではエネルギーの精製効率が著しく下がり弱体化する。

技など:

《F・チャージ》
呼吸によって有機物質を自身のエネルギーへと変換し体内に蓄積する。
青いコアより電気を供給し電力からエネルギーに変えることもできる。

《F・ビーム》
体内のエネルギーを凝縮し口から鋼鉄をも焼き切るレーザーとして発射する。
威力が遠距離まで持続しない。

《飛行》
体内のエネルギーを外部へ放出した勢いを利用して飛行する。
速度はマッハ2に届くほどで、この速度を利用して超重量の突進を繰り出すことができる。

《手刀》
伸縮する腕で切り裂く。ヒーターを抱えている際には使うことができない。

《F・ボンバー》
体内で凝縮したエネルギーを起爆し、自身の身をも破裂させるほどの大爆発を起こす命を落とす技。
爆発は周囲数十mまで及び高熱の爆風がファっとマンの砕け散った破片を運ぶ。
暴発によって発生する場合があり、体温が一定以上の熱を持つと爆発してしまう。

『ファっとヒーター』
収容所の瓦礫から拾い上げた非常電源のバッテリーを改造した物。
重量は2本でおよそ1t。
表面から電光を放ち、電極に触れたものを感電させる。
バッテリーから電力を供給してエネルギーにしながら戦う。
また、内部燃料の燃焼によって廃棄されるガスはファっとマンの体熱を外に逃がす効果があり、人体には筋肉の働きに僅かに異常を来す毒性を持つ。
収容所を脱出した後に急場凌ぎの改造を施したに過ぎず、ファっとマン程の硬度を持たないため衝撃には弱い。

 


補足

 

 

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最終更新:2016年03月25日 19:22