
| 製作者 | 皐月あや |
| 出場大会 | 第十回大会 |
| 経歴 |
設定
-懐かしい頃の夢を見た。
小さな男の子が2人いる。
1人は自分だ。
もう1人は僕に触るなと泣いていた。
寒い寒い冬の日、彼は自分に触れた瞬間、
バチンと静電気で痛い目にあったのだ。
自分は相手に触れて慰める事もできず、
ただオロオロするばかりだった。
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-目が覚めると、知らない天井が見えた。
ずいぶん寝ていた気もするし、ついさっきまで起きていた気もする。
そして、ここはどこだろうと思うと同時に、自分は誰だろうと思った。
記憶にぽっかりと穴があいていた。
ゆっくりと顔を動かし、辺りを見る。
どうやら、病院ではないようだ。
起き上がろうと手をつき、違和感を覚えて見ると、両手が義手になっていた。
何かの事故に巻き込まれたような場面が、うっすら頭によぎる。
「目が覚めましたか」
声の方へ顔を向けると、いかにも研究者然とした男性2人組が立っていた。
とっさに身構えると、2人は慌てて手を挙げた。
「待ってください、私達はあなたに危害を加えない」
「目が覚めてくれて安心しました」
その様子に、悪い人では無さそうだととりあえず警戒をとく。
「あの、……」
言いかけて、言葉につまった。
ここはどこか、あなた達はだれか、俺は誰で何故ここにいるのか…
何から聞いていいかわからない。
「目が覚めたばかりで、混乱しているでしょう。また時間を置いてお話しますよ」
「温かいものを持ちますから、飲んで一旦落ち着いて下さい」
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「ここは、対能力者の研究所です。私達は能力者の研究をしている者、
そしてあなたは…烏瓜菫という名の能力者です。
査定試合に出られたのは覚えていますか?」
「サテイジアイ…?」
「簡単に言えば、対能力者の部隊を作る為の試合です」
「ノウリョクシャ…」
どこかで聞いたような気がする。
しかし、思い出せそうで思い出せなかった。
「すみません、目が覚める前の記憶が無いんです。
何か、事故のような物に巻き込まれた気はするんですが…」
「そうですか…」
科学者達は、いろいろと話してくれた。
科学都市のこと、能力者のこと、査定試合のこと。
菫は査定試合に出ていて、早々に負けたこと。
しかし能力としては伸び代があると思ったので、
両手を失いながらも生きていた菫を、彼らが預かったこと。
失った両手は、能力を維持・増幅させる義手にさせてもらったこと。
ただ一つ、菫の生い立ちについてはわからないこと。
そして今後、対能力者として力を発揮出来るよう、訓練を重ねて協力して欲しいこと。
「………」
答えはイエスしか無かった。
記憶を失い、帰る場所も分からず、頼れるものは能力だけ。
「俺に、何か出来るなら」
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能力を見込んで助けてくれた、彼らに恩を返す為にも、
菫は訓練に打ち込んだ。
≪静電気を強化・操る能力≫
それが菫の能力だった。
元来静電気を溜め込みやすい性質であった彼は、
研究者達と協力しあい、どんどん能力を使いこなせるようになり
戦闘技術も上がっていった。
もともと武術の心得があって、身体がそれを覚えていたようだ。
公式的な対能力者部隊には所属していなかったが、
顔見知りも増え、仕事もまかされるようになり、
今の生活に少しづつ馴染んでいった。
-科学都市の市民の役に立ちたい。
そう思い始めてどのくらい経ったろう。
そんな事を思いながら街をぶらぶらと歩いていると、
突然、何の前触れもなく、それでも確かにはっきりと、菫は思い出した。
科学都市の片隅で料理屋を営み、
妻と2人で笑いながら過ごしていた日々の記憶を。
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「ひと目でもいい、妻に会いたいんです!」
その日は大統領と脱獄囚グループとの会談が行われる日だった。
対能力者部隊は、みな召集され、科学タワーへの広場へと向かうことになっていた。
公式部隊に所属していない菫は、頼み込んで時間をもらった。
万が一何か起これば、すぐにとって返すと約束し、かつて営んでいた料理屋へ向かう。
道中誰もが、会談の中継を見聞きしていた。
菫は先を急いだ。
あと少し、この角を曲がれば懐かしい料理屋が見える。
その角を曲がった瞬間だった。
「菫、クーデターだ!」
身に着けた通信機器から、研究者の叫び声が聞こえた。
同時に、道に水撒きをしていた妻と目が合う。
「菫くん!!」
ひしゃくを取り落した妻に向かって、
菫は大声で叫んだ。
「天花(あまは)さん、ごめんね!行ってきます、どうか元気で!」
本当に、ひと目だけだけれど。
料理屋は変わっておらず、妻も変わっていなかった。
自分がいなくても大丈夫、なんとかやっていけている。
自身にそう言い聞かせて。
…さあ、出遅れてしまった。
科学都市と、妻の生活を守るために。
菫はタワーの広場へと向かった。
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◆技について
ブレイク
ブレイクダンスで摩擦を起こし、静電気を集める。
拝借
半径5km内の静電気を集める。
集める量の調整は可能だが、基本的に
近くにいるものからはたくさん、遠くからは少しずつ。
ただし地続きにあるものに限る。飛んでいる者からは集められない。
引力斥力
集めた静電気を、左右の手から任意の二ヶ所に配置。
いろいろなものを引き寄せたり弾いたりする。
落雷
集めた静電気から雷を作り、相手に落雷させる。
集まる力が巨大であれば人ひとり消し飛ばすほど。
広範囲に渡り落雷させることも可能だが、威力が落ちる。
放電
触れたものに任意で放電出来る。ただし、自身にもダメージがある。
◆その他
アースと湿気に弱い。
冬場役に立つ。
補足