製作者 | ずっきぃ |
出場大会 | 第十回大会 |
経歴 |
設定
「もう、私の力だけでは止めることができないの・・・助けて・・・」
◆始まりは
始まりは科学タワーに雷が落ちがその日だった
彼女の家は科学都市の郊外あり、必然科学タワーから最も遠い場所に位置していた
そのためタワー事故が起きた瞬間の騒乱から逃れることができたものの
その後に行われた科学都市の封鎖によって貧しい生活を強いられることとなったのであった
最初は視界の端に影が映る程度だった
彼女はそれをあまり気に留めはしなかった、大きく環境が変わってしまったために
疲れが出ているのであろうと考えていた
それらは次第に明確な幻覚としてみるようになり
そしてそれらが幻覚ではないものであると気が付いた
よくよく観察しているとそれらと相互にコミュニケーションが取れることが分かり
コミュニケーションをとるうちにそれらが死者なんだと気が付くことができたのだ
彼女の人生が狂いだしたのはそれを彼女の母親に報告した時からであった
母親は自分の見えていないものがこの世界でさまざま影響を与えているという事実に
大変興味を示した
近所で不幸があったり不可解な出来事があれば母親は彼女を連れてその近辺を歩き回ってみた
そして大体の事例において死者が、さまざまな幽霊が関係しているということが分かってきた
母親は彼女に対して彼らを説得できないかと問いかけてきた
彼女は彼らの目的が分かれば問題ないかと思案する
そして母親は怪しげな物品を霊症に悩まされる人々に売りつけ
その裏原因となる幽霊たちを娘に説得させていった
始めは冗談半分であったもののそれが次第にエスカレートしていき
しまいには幽霊たちを敢えてけしかけて霊症を起こし
それを自分たちで解決する、つまりはマッチポンプを行い
彼女たちは信者を集め金銭を集めていた
タワー事故による治安の悪化も手伝い
不安を抱えた人々は藁をも縋る勢いで彼女たちを信仰し始めた
しかし彼女たちがうかつであったのは人を集めすぎたことであった
急激に注目を集めた新興宗教じみた彼女たちは当然のこと捜査のメスが入ることとなった
奇しくも世間では超能力者というものが認知され始め、そして対能力者部隊と呼ばれる組織が結成されていたところであった
彼女も例外にもれず、科学タワー事故によって発生した超能力者として取り締まられることとなった
◆投獄
彼女たちの罪状は詐欺、そして超能力を用いた傷害や業務妨害、また脅迫であった
彼女は、千鶴子は取り調べに対し、淡々と自分のやってきたことを聞かれるままに答えていった
それはあたかも他人事かのように発言する彼女は非常に不気味な存在に見えた
しかし、別室で取り調べを受けていた母親が、これらの事件はすべて自分だけがやったこと
千鶴子は無理やり自分の意思に従わせていただけ、彼女が自分から行動しているわけではない
そう供述していた
そのおかげもあり、千鶴子に対する罪状は非常に軽くされた
彼女は能力者であった事実と、また彼女も強要されての行動であったという供述はあったものの
一応の加害者であったため、三か月という短い期間ではあるものの、特殊収容所にて拘束されることとなったのであった
しかし、収容・拘束と言っても彼女の場合はほぼ軟禁状態であり、収容所内での待遇は比較的にもよい方であった
また能力使用が制限されていたわけでもないため、独房というなの安全な隔離部屋の中にいて
幽霊たちから情報を貰いうけ、外の状況を把握していった
話し相手には困らなかったため彼女はこの収用生活を満喫していた
そして彼女は知る、自分の母親が取り調べにおいて彼女をかばう供述をしていたことを
そして彼女は思う、あの母親にも娘をかばおうとするだけの愛があったのだと
彼女はひどく後悔した、彼女は母親に対して無関心でいすぎたのである
いや母親だけではない、彼女はすべてのことに、自分のことにすら無関心であったのであった
彼女はそのことに初めて気が付いたのであった
◆囚人暴動
収容されて一月ほどたったころ、事件が起きた
囚人が一人どのようにしてかはわからないが脱獄をしたらしい
厳重な警備にもかかわらず、その囚人はこの収容所のコントロールルームを制圧し
全ての囚人を開放してしまったのであった
収容所内が阿鼻叫喚になる
彼女はどうにか幽霊の力を借り襲いかかる囚人を金縛りにするなどして降りかかる火の粉を払っていった
彼女は現状をとにかく把握しておかないといけないと思い、霊との対話を通して収容所内外の状況を把握していった
すぐさま収容所は対能力者部隊に包囲されたが、その対能力者部隊も堅牢な収容所のため手が出せないでいた
そんななか幽霊たちの中でもこの騒動から影響を受けているものがいるらしいということを聞くことになる
とくに感情的・本能的なことに影響を受けやすい低俗な動物霊は周辺で狂暴化しているということだった
幽霊たちの中にも秩序というものがあり、それが乱されるのは幽霊たちの間でも非常に問題になることであった
彼女は思う、これは霊障であると
彼女は初めて、”お祓い”に挑戦することになった
◆囚人の解放
この囚人騒動は凄惨さを極めた
ある囚人が声を上げた彼らをまとめ上げるボスを決めるために用意された舞台は
身勝手な囚人と、すべてを力でねじ伏せた囚人のせいで台無しになってしまった
彼女は事態の収束を望み、そしてこの事態を眺めていたが
彼女にとって望むべくもないそんな方向へ事態は転がり落ちて行った
狂ったような歓声の中、囚人たちの玉座に祀り上げられた彼、スターベン・メヒトは
彼女の期待を裏切り、外の世界へ侵攻を始めてしまったのであった
彼女は身震いした
幽霊の存在を認識することができる彼女にはわかってしまった
周囲の幽霊たちが、それも動物例ではない高位の幽霊たちが
昂ぶり、荒ぶり、彼らの遺志と関係なく、彼女の意を介せず
凶暴な姿を現しだしたのであった
これ以上は危険だ、これ以上はいけない
彼女は必死でこの騒動を治めようと駆け出して行った
◆彼女の能力、彼女の想い
彼女の能力は霊と対話することができることであった
いかなる霊的な存在をも認識することができ、彼らの言霊を理解し
そして彼らに言霊を伝えることができた
これは本来生者のままでは干渉することのできない死者の存在に関わることができるというものであった
しかし生者である彼女が死者へ与えることができる影響力は言霊を交わす程度である
そのため幽霊たちに代償を与え協力を取り付けることでしか対外的な影響力を発揮することができないでいる
幽霊たちは非常に友好的に接してくれていた
それは死者の声を聴くことのできる彼女という稀な存在というのが大きな理由でもある
霊能者時代、彼らとのコミュニケーションを通し
力を借り出し様々な現象を起こしていった
単純なものであれば千里眼や順風耳
これらはほかの人が認識することができない幽霊たちに
様々耳打ちしてもらっていた
ポルターガイストやラップ音
これらはただただ騒がしいだけの享楽趣味の幽霊たちを多く集めて引き起こしていた
物に取り付いた幽霊はさもその物自体が意思を持ったように振る舞い
付喪神として振る舞ったこともあった
動物霊を集めて狐憑きのような霊障を起こし
より力の強い霊たちを使って金縛りを起こし
そしてそれらを祓って信仰と金銭をかき集めていたのであった
当然それらに協力した幽霊たちには彼らが望む代償を支払わなければならなかったが
引き起こす事象が小さいこともあり、どうにか彼女だけでも事足りさせることができるものであった
囚人騒動においては依頼者はむしろ幽霊側であった
彼女と幽霊たちは互いに利害が一致しており、そのため幽霊たちはかなりのところ無償に近い形で
協力を惜しまなかった
しかし、あくまで利害が一致しているだけであり、分を超える願いはかなえられず
彼女の指示に全て答えてくれるわけではなかった
これが彼女の能力の限界点
それが生者が死者に与えることのできる影響の限界点であった
彼女は無意識ではあったが理解していた
このままではすべてを治めることはできない、それだけのことを実現することができない
この霊たちを、彼女の意のままに扱いきれなければ彼女の目的を達成することができない
そして彼女は幽霊たちを彼女の意のままに扱う術を無意識的に理解していた
生者であるから干渉できないのである
ならば死者になれば、より直接的に彼らに干渉することができる
もっというなれば力づくで強引に、彼らを隷属させることができる・・・と思う
死者とコミュニケーションをとり、死者たちの様子をずっと見てきた彼女だからこそ
死ぬとどうなってしまうのか、それを何となくではあるが理解していた
しかし、実際に自分が死ぬとなるとどうなってしまうのかが分からなかった
彼らは死の直前の強い感情によって様々な行為を行っていた
しかし自分が死ぬと、怨霊化した場合自分の遺志を自分でコントロールできるかどうか
それが分からなかったのである
死者の思考では柔軟な思考を行うことができないのだ
彼女は自分が怨霊化して自分を律することができなくなるくらいなら
他の誰かに憑りついて自分の力を使ってもらうことが重要だと考えた
それが彼女の目的であり、今の彼女ができる最大限のお祓いであった
しかし、彼女の力を余すことなく使える人物を見極めるためにも
相手の真意をはかる必要を感じている
補足