| 製作者 | 磁石 |
| 出場大会 | 第十一回大会 |
| 経歴 |
設定
愛されたことがねぇのよ。生まれてこの方。
努力はしてんだけどな。顔も幸い整ってる、ガキらしい物腰ってのも学んだ。
お洒落も……まあ、馬鹿らしいけど、やってる。珍しいけどイカしてるだろ? この、モノクロゴシック様式ドレス。
アンタだってよぉ、アタシに目ぇ引かれてくれた訳じゃん? 外見としちゃ悪くねえって事だよ。
けどなぁ、愛されたことがねぇのよ。
親にはアタシ自身が投げられる。同級生には物を投げられる。センセーには匙を投げられる。けっ。球技でもやってんのかよボケ共め。
外見は及第点なアタシが、そこまでぶん投げられて嫌われまくる理由……分かるか?
予想してみな。ぴったり当たったらご褒美にチューしてやっから。
性格が悪いから? 舐めてんのかお前。チューする予定だったその唇剥いでやろうかオイ?
……きゃははっ、まあいいや。アタシの性格が歪みに歪んじまってるのも事実だしな。自覚はあるわ。
んで、正解の話をするけどな。そいつは生まれつきの超能力のせいなんだよ。
そ、超能力。念力だの瞬間移動だの、そういうもんじゃねえ。
もっと使い道のない、役にも立たねえ、クソみたいな代物さ。
愛を、食べる。
……くっふふ。『意味わかりません』って、顔に書いてあるぜ? もうちっとだけ詳しく教えてやろーか。
アタシは、この肌で触れた人間がアタシに対して抱いている愛情を、1ミリも残さず食っちまうんだよ。
面白いぜ? アタシはめちゃくちゃに美味しい思いをする。相手は、嫌んなるくらい冷てえ目をする。
一回食っちまった愛は、もう二度と戻んねえ。食い終わっちまった奴がアタシを愛してくれることは、永遠にねえ訳だ。
参ったことに、アタシがこの力に気付いたのはつい最近。
もし、最初から知ってたなら……アタシは誰にも触れようとしなかっただろうよ。
味がどうのこうのより、しっかり愛してほしかったね。こんな寂しい思いは、したくなかった。
……………………。
きゃはっ。
憐れんだな?
思っちゃったんだぁ。アタシの事を、可哀想だって。
持っちゃったんだよねえ、愛着。そうやって膨らましちゃうんだよね、愛情を。
アタシさぁ。愛してほしくても、止めらんないんだよね。本当に美味しいんだ、愛の味。
ねえ、チューしようぜ。
アンタの愛情は終わって、アタシのお腹は満たされる。
何も、間違っちゃいねえよ。
補足