製作者 | さのばてっく |
出場大会 | 第十二回大会 |
経歴 |
設定
「神よ、どうか迷える信徒をお救い下さい」
二十の修道院の信徒を束ねる聖職者。
神という存在への強い信仰をもつ信徒であり、自らを神の使いと自称し、聖堂で一人過ごす。
幼い時に発言した特異体質が原因で、親元を離れ教会に保護される。
あらゆる魔法を封じる力を持つことにより教祖の教えを布教するための手駒として利用される。
「魔法は神によって選らばれた者のみが扱うことを許される」のだと、広く教えを広め、自らも洗脳されるように教えを深く信じ込むようになっていった。
方方に渡り悪事を働く魔導師を諌め、教えを説いて回った。
しかし教祖によって間違った思想を吹き込まれ、いつしか活動は過激化し、見せしめとして悪事に無関係な魔導師や、何人もの無神論者の口を封じた。
全ての民の心を救うべく祈りを捧げていたはずが、神の言葉であるとして聞かされてきた教えを信じる余り、
信仰に対する不信感を抱く事、自身の行動が道徳を冒涜している事を心の奥底で自覚しながらも、その罪と向き合うことを恐れた。
無宗教者には進んで神の教えを説き、無神論者に対しては自身には救えない者としてあっさりと切り捨てるなど、聖人らしからぬ歪んだ道を歩き、神を認めぬ者、神を愚弄する者には極度の拒絶心をもつようになっていた。
そんなある時、不意に力が働いたことで、教会全員の命を奪ってしまう。
一瞬の出来事に動揺し、狼狽え、内から出る感情に押し流され、少女は潰れた。
非道の道の裏で起こる心の葛藤が全て崩れ去り、その深い罪の全てが神の導きであると、
教会の人間でただ一人、自分だけが神に選ばれた人間なのだと自身に言い聞かせるようになり、心を閉ざした。
この事態を重く見た教皇は少女を拘束。
対外的な影響を避けるべく大聖堂に幽閉し、聖堂の中一人、神を請うことで、己の行いを悔い、改めるよう命じた。
聖堂の中、少女は何度も何度も反復して祈った。必死になって聖典を読んだ。
今まで聞いてきた、触れ回っていた、そんな教えなど、どこにも無かった。そこで初めて自分は騙されていたのだと知り、少女は嘆いた。
聖堂の中、少女の泣く声だけが小さく響き渡った。
少女は思った。あの出来事は、彼らに下った天罰だったのだと。
神は私を見逃し、今度こそ正しく人々を導かねばならないと、そう言っているのだと。
薄暗い聖堂では、彼女が作り出す結晶だけがその場を照らし出していた。
結晶には壊れた少女を眺めるもう一人の自分の姿が映っていた。
涙を流す少女は真に自らの救いを求めていた。信仰でなく、ただ自身の暴走を諌め、否定してくれる者が現れることを願って。
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▽身長:146cm
▽体重:41kg
▽年齢:19歳
▽自身が信じていた人、思想がまやかしであったために、他者を心の底から信用することができなくなっており、時たまおどおどと表情を歪めて必死に神に祈るなど、人々に恐怖心を抱いている。
▽魔法について
どのような魔法を使用しても全て結晶となってしまう。また、体質について原因を突き止めることができておらず、結晶化したものを元に戻すことができない。
幽閉されていた間に体質が変調し始めており、風の運ぶ魔力が意思と無関係に翼と輪を形作り、体が宙に浮くなど、力の抑止が効かなくなってきている。
【結晶体質】
特異体質を持ち、魔力やマナと呼ばれる力、またそれらが込められた物体、及び魔法やまじないの込められた物から魔法よって発生する現象に至るまで、自身の体に触れた、
「自身の身体」、「生者の血液」、「水」、「大地」を除く、魔法の要素を持つあらゆる物質を結晶化してしまう。
生まれ持っての魔法の才能はかつて大魔導決戦にて勝利を収めた歴々の大魔導師に最も近いと評されるほどであったが、この体質の影響により魔法具の扱いはおろか自身の魔力回復自体が極めて困難な状態であり、体内の魔力をひとたび失うと命に直結する。
その身に触れた物質が呪い(まじない)や魔法の掛かった物である限り、それがたとえどんな魔法であっても魔素となる部分を核として結晶化が発動し無力化される。
ただし自身の身体に絶えず魔法を受け続けるとその体質によって体の表面に結晶がまとわりつき、動きを封じれらてしまう。
外部からの供給や魔術を介する回復措置なども受けられず、傷病に対し極めて虚弱である。
自身の魔力回復は、食物の摂取による自己生成、若しくは結晶化した魔力から僅かな残り滓を吸い上げる他に手段はない。
結晶体は衝撃を受けると粉々に砕け散る。通常、硝子よりも脆い。
【射撃結晶】
楔形の鋭い結晶を放つ。
【魔晶抽出】
結晶化した魔力に自身の魔力を咥え、より高密度の強固な結晶を作り出す。
その強度は鋼にも勝り、岩をも切り裂く。魔力消費が激しい。
【防壁結晶】
強固な結晶を束ねて盾とし、身を守る。魔力消費が激しい。
【詠唱・結晶回廊陣(連なる木々は母なる太陽の温もりを守り、飛び立つ雛は天の御心を知る)】
背中を覆うように形成された結晶の翼が魔力の解放によって広範囲に展開し、幾重もの結晶の層となって相手を閉じ込め、動きを封じる、100%自分の魔力だけで作り上げる高純度の結晶回廊。
この回廊に体を触れて魔力供給を行っている間、中にいる相手の魔法の一切を封じることができるが、体内の魔力が激減するため、2分間魔法を展開し続けると自身も瀕死の状態となる。
▽備考
・教会で教育を受け、書記を得意とするほどに優れた学習能力を持つ。
・長い名前は精名と呼ばれる。祖国の魔導師としての神聖な名前。
・フルマ(個人名)ルクァル(父親の名前)エリ(母親の名前)=ストゥヤン(姉の名前)クァリエラ(家族の姓)。
・前議長の縁戚の家系で、フルマは前議長の弟のひ孫。
【 所属国家設定 】:
テスグマリア主神同盟
人口約6000人
25か国の加盟国の中で最も歴史が浅く、1年前に建国された国家。
宗教の色が強い国家であり、国内の多くの人間が敬虔な信徒。
その強い宗教文化によって信徒を取り込み、一国家として成立している。
宗教観念を政治に持ち込み、たった一人の少女を信仰の偶像として仕立て上げる非人道的一面を持ち、他国などからはあまり快く思われていない。
魔法の影響力を利用して統治を図る事に異議を唱えており、人類の限られた僅かな人間だけが魔法をつかうべきであるという思想が根付いている。
前議長の死の折に聖堂に幽閉していたフルマを連れ出し、強力な力を持つフルマを利用して、連合国の実権を握ろうと画策している。
補足