製作者 | 相笠文治 |
出場大会 | 第十二回大会 |
経歴 |
設定
魔法こそ全てである世の中において、その才能を持たないことほどみじめなことはない。
レオ・ガドウは内包する魔力こそ人並み以上だがそれを魔法として発揮できる才能は皆無で、
魔法に関する基礎知識をひと通り身につけた後、彼が選んだ道は魔法世界では軽視される体術だった。
それは彼の魔力が生まれつき身体強化に作用しており、筋力の増強とあらゆる魔法効果を半減する体質となっていたため。
そして幸運なことに彼は武芸者としての才能に恵まれておりみるみる頭角を現していった。
性格は武芸者にふさわしく礼儀正しくおおよそ卑怯な戦いはしない。
魔導研究機関は来たる大魔導決選に向けて出場者の選出と戦闘用魔導具を作成してきた。
従来の魔導具は魔導師の魔法効果の増幅や身体能力の補填を目的に作成・使用されてきたが
レオに与えられた魔導具はそれ自体が攻撃手段となるものだった。
右手のグローブはエレメンタルパワースタンプ。
ベルトの正面の水、右方面の火、背面の風、左肘の地、それぞれの元素方陣と接触させることで
四大元素の力を宿しあらゆる事象を操る創造の力。
理論上は4種全てを宿し使用できるはずだが現段階では適任者であるレオですら3種が限界となっている。
万物には必ず四大元素のうち1つ以上の元素を宿すとされており、
引き起こす事象や変化させる対象の種類によってグローブで打ち込む元素の力の種類と数が異なる。
ベルトの背面にある風の方陣は空を舞う力を与え、右方面の火の方陣は拳を突き出すことで炎を噴射、
正面の水の方陣は水を呼び濁流を起こし、左肘の地の方陣は大地を揺るがし岩を隆起させ盾にする。
現在唯一エレメンタルパワースタンプで変化させられない物質として確認されているのがスーパーコンクリートXで、
元素の力が一切宿っていない、もしくは四大元素の力がバランスよく宿って安定しているためと考えられる。
エレメンタルパワースタンプはその力を発揮するために四種の元素方陣が必要でありそれ故に大きく制約がかかる。
左手のグローブ・バーストセットはその隙を埋めるべく用意された破壊の力で、単独で振るうことが出来る。
強くグローブを打ち込むことで万物に宿る四大元素の力を暴走させあらゆるものを崩壊させる。
つまり元素が宿っていない、もしくは元素がバランスよく宿ることで非常に安定しているものは破壊できない。
【 所属国家設定 】:
魔法は原則として詠唱を必要とし、また発揮される効果は使用する者の魔力や才能に左右される。
古来より詠唱時の無防備状態となる問題の解消と、常に安定して発揮される魔法の実現は大きな課題だった。
その解決策として編み出されたのが魔法の道具、魔導具である。
おおよそ誰が使用しても安定した効果が期待できる魔導具は生活用品から軍事兵器まで広く浸透したが
安定した出力であるがゆえにここぞという場面での飛びぬけた効果が期待できるものではなかった。
詠唱を必要とせず安定した効果を発揮できる魔導具は伝統形式である詠唱魔術と比べて優位であるはずなのに
魔導具の研究と作成で発展してきた魔導具国家アーツクロウは過去の大魔導決選では常におくれをとってきた。
アーツクロウの国土は何かしらの産業に恵まれるほど豊かではない。それが現在の魔導具の輸出産業へとつながった。
2年前新たに即位した若き女王エルナージェンは魔法の才にも恵まれた優秀な人物である。同時に野心家で男勝りな性格でもある。
議会の力が強く先代の王が政治に関して事実上飾りであったこともあり、
即位すると真っ先に議会制を廃止するなど独裁者ぶりを見せた。
彼女が今回の大魔導決選で魔導国家連合議長への就任を目指す理由は
世界中で起こる領地拡大戦争に魔導国家連合が巻き込まれないようその結束を強めるため。
大魔導決選には自身で参加するつもりだったが城下を視察した際にレオと出会いその実力を見るやすぐさま辞退し
ほぼ独断で彼の出場を決定した。
そして彼の才能と戦闘スタイルを活かせる魔導具の作成を命じたのだった。
女王エルナージェンによって大きく方針を変えた大魔導決選の出場者選出と魔導具の性能が吉と出るか凶とでるか。
補足