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最終話 限界ギリギリ!! 終わらない限界!!(後編)

東京。
雲が立ちこめ、今にも雨が降り出しそうだった空も、今は見えない。 もっと巨大なものに遮られているからだ。
戦艦アキラーメ。
その銃口は未だ、地球に向けられたままだ。
その皇帝の間。
椅子に肘を掛ける皇帝リ・タイアが、動いた。

皇帝「……来たか」

戦艦の正面と思われる場所の前に立つ、二体のロボット。

――ヨユウダー、ゲンカイザー!

秀一「出てこい皇帝リ・タイア!」

突破「俺たちが相手だぁぁぁぁああああ!!」

皇帝が椅子を立つ。
全てを終わらせるために……。


しばらくの間があった。
あたりは静まり返り、聞こえてくるのは巨体に当たる風の音。

皇帝「……ふふ、ふははは! 待たせたかな、突破…涼茂秀一!」

秀一「……!」

突破「きやがったかぁあ!!」

戦艦のビーム砲から降りたったのは、皇帝自らの姿を模したロボット!

皇帝「さあ始めよう、細かい前説は無しだ。 そう、君たちの公開処刑を……!」

突破「やれるもんならなぁぁあああああ!! でぇえりゃああああああああああああ!!」

秀一「うおぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ヨユウダーが切りかかる、しかし!

秀一「なっ…」

皇帝は、シャクトゥソードを掴んでいた。

突破「だぁああああああああああああああああああ!!」

ゲンカイザーの右ストレートが頭を捉えた……ように見えた!

突破「ば、ばがなぁあああ!!」

その手を、掴んでいた!
そして、握りつぶす!
砕ける拳と剣!

皇帝「ほぉおおおおおおおおお!!」

皇帝の放つ蹴り!
ビームを伴ったそれは、ゲンカイザーとヨユウダーを焼き尽くす!

突破・秀一「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

さらに吹き飛ぶ二体へと、ビームの雨が降り注ぐ!

皇帝「ふっはははははは!! ……む、ぅ!?」

ビームがはじかれる!
黄金の光が、二体を包み、一つになる……

皇帝「現れたか無限界帝……!」

突破・秀一「うぉぉおおおおおおおおおおおお!!」

そそり立つ姿。
湾曲する空間。
限りない闘志がその場を包む!

皇帝「させるか……ぬぉおおお!!」

降りたった無限界帝……ムゲンカイザーに、皇帝は組みかかる!
拳同士がぶつかり合う!

皇帝「ここで終わらせなければ、ならんのだぁぁぁ!!」

突破「うぉおおおおおおおおお!!」

ムゲンカイザーが構える!

突破「父さん……力をくれ……ぬぅぅう…あああぁああああああああああああああああ!!!」

秀一「ムゲンカイザー……限界速度だぁぁぁああああ!!」

皇帝に迫るムゲンカイザー!

突破「りぃぃぃぃぁあああいんかぁあぁあああぁああああああいけぇえええええええええええええええええん!!!」
膨大なエネルギーを持った拳が皇帝に当たる……しかし!

突破「ぐっ…!? ぐ……うあぁぁぁあああああああああああああああ!!」

秀一「うぉぉおああああああああああああああああ!!」

ムゲンカイザーを包む黒い稲妻!
邪悪なるそれは、皇帝から放たれたもの!

皇帝「ネェェェェエガティブエフェクトォオオォォ!!」

皇帝から放たれた邪悪なエネルギーはさらに、戦艦アキラーメに送られ、この空域全部に降り注ぐ!
それはまさに雷の嵐!

秀一「ば、ばかなぁああ……うぁあああ!!」

皇帝「ふ……ふふふ…ははは……、ふははははははははは!! 降り注げ、帝王の雨よ! 吹き荒べ、帝王の嵐よ!」

皇帝リ・タイアのエネルギーがトリガーになったのか、巨大ビーム砲が熱量を持ち始める!

秀一「ちぃい……まずいかぁあ…!」

皇帝「ふはははははははははははは!!! これで全て終わりだ、地球も、貴様等も! このまま我が幾千の艦隊で滅ぼすも、このビームで焼き尽くすも……私の手の内での出来事でしかないのだぁぁぁあ!!」


突破「……冗談じゃねぇえええええええええええええええええええええええ!!!」

皇帝「ぬ、ぬぅ……!?」

秀一「や、やぶる……!」

稲妻の中、ボロボロになったムゲンカイザーが立ち上がる!

突破「……何勝手に人様の限界を決めてんだ……限界は、俺達の未来は、俺達が選ぶ!!」

皇帝「え、えぇい……ネェェェェエガティブエフェクトォオオォォ!!」

ムゲンカイザーに黒い稲妻が迫る、しかし!

皇帝「ば、馬鹿な……!!」

稲妻は、ムゲンカイザーを避けてゆく!

皇帝「くっ、この……このこのこのこのこのぉお!!」

幾筋もの稲妻がムゲンカイザーを襲う、しかしそれはすべてムゲンカイザーを避けてゆく!

皇帝「馬鹿な……人の弱みより生まれた暗黒の刃が……やつを避けるのか!!」

秀一「そうか……、やぶるの中の無限の限界には、決して悪の心のかけらもない!! だから避ける!!」

突破「全てを終わらせる……こいつでぇえええええ!!」

ムゲンカイザーが、巨大な剣……シャクトゥブレードを構える。
と同時に。

皇帝「くぅう……アキラーメ!! 神の雷を今、地球に!!」

アキラーメの砲門が輝き出す。
それでも突破は、うろたえない!

突破「はぁああああああああああああああああああああ!! エクシィィィィィィイドエフェクトォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

皇帝の体が、その周りが、湾曲する!
プラズマがはじけ、大地からは灼熱が吹き上がる!

皇帝「な、なにぃいいいいいいいい!!」

突破・秀一「うぉおおおおらぁあああああああああああああああああああああ!!」

大刀を担ぎながら上空へ跳ねるムゲンカイザー!
降り注ぐビームも、稲妻も、全てを弾きながら、皇帝に飛来する!

突破・秀一「ちょぉぉおおおおおおおおおぁああああああえつ!!! けぇえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇえん!!」

皇帝「ぬ、ぬぉおああああああああああああああああああああああああああ!!」

膨大なエネルギーを持った剣が――皇帝を断つ!
放たれたエネルギーが地を裂き、空を裂き、戦艦アキラーメをも両断していく!

皇帝「ば、ばかなぁあああああああ!! い、いまそんなことをしたらぁあああああああああああ!!」

両断された戦艦アキラーメから、大量のエネルギーが漏れだす……ビームに使うはずだったエネルギーが行き場を失って暴れ出す。
しかし!

突破・秀一「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!! 限界に……届けぇえええええええええええええええぇえええええええええええええ!!!」

剣から放たれたエネルギーが、アキラーメのエネルギーを伴いながら、遙か地平まで延びてゆく!
そのエネルギーは巨大な刃……地球を覆うような刃となり、地球を何十周と周る!
それは螺旋階段のように地球全土を包み、そこの都市ごと、敵ロボットや戦艦を破壊する!
馬鹿なと思うかもしれない、しかし!

皇帝「ばかなぁぁぁぁぁあ!! き、貴様等……地球が、文明がどうなってもいいのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

返ってきた言葉は、確かなものだった。

秀一「地球さえあれば……!」

突破「幾らでも、やり直せるっ!!」

突破・秀一「限界を、諦めない限りだ!!」

皇帝「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!」

戦艦が堕ちる。
閃光が走る。

益子「エネルギー増大…! や、やぶる君!!」

男「やぶる!? 秀一!!」

メダ「やぶるぅ!?」

つかえ「秀一さまぁぁ!!」

じいちゃん「やぶるぅうううう!!」





……爆炎が晴れたとき、空は夕焼けに染まっていた。
東京にはどでかいクレーターが生まれ、世界では謎の超エネルギーの影響で吹っ飛んだ都市が残った。

クレーターの中心に、それは居た。
文字通り、疲れきったように。

秀一「……終わったな」


ムゲンカイザーの肩に立つ二人の男。
超越剣が生んだ、海まで見えそうな、真っ直ぐ伸びた破壊の跡を見ながら。

突破「…いや、始まんのさ。 これから、な」

秀一「……フッ……、そうだな」

二人は、笑っていた。

破壊の跡、地平線まで見えるその場所。
真っ正面に見えるのは、真っ赤な太陽。

突破「…ふ、くくく……はははははっ!」

秀一「ふっ…ふはは……はははははっ」

???「……おぉぉおい!!」

突破「……じいちゃん?」

ムゲンカイザーの背後からやって来る、メダの巨大ロボット。
その手のひらに、みんなが乗っていた。
突破と秀一は、ムゲンカイザーから降り立つ。

つかえ「……し、秀一様……!」

秀一「つかえ、心配をかけたな……」

秀一は、胸ポケットから、指輪を取り出す。

つかえ「は……ぁ……」

秀一「……共に、歩んでいこう。 つかえ……」

益子「……やぶる君!」

突破「……ただいま、益子さん」

益子「あたし、あたし、……ぅぅ…」

メダ「やぶるぅう!」

突破「う、うわっ、ひっつくなロリ女っ!?」

益子「?! ……や、やぶる君…!」

突破「ま、まって益子さん!? 違うんだぁぁぁぁあ!」


それぞれが、歩んでいこう。
自分達の限界へ…!

男「さぁみんなぁああ!! 最後は夕日に向かってはしるぞぉお!!」

突破「まって、まって益子さん!! い、いたいって!! ぎゃあああ!!」

益子・メダ「まてぇええ~~!!」

つかえ「秀一様……きゃっ」

秀一「僕達も行こうか……!」

つかえ「……はいっ!」

じいちゃん「うぉおお! 若いもんには負けんぞい!」


「はっはははははははははははは! ははははははははははははははは!」


……限界は、終わらない。


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最終更新:2009年11月23日 16:21