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「なにか…なにか打つ手はないのかよっ!じいちゃんはこの町が樹木に飲み込まれるさまを黙ってみとけって言うのかよ!」
声を荒立て博士へと詰め寄る護。その目には焦りと絶望が浮かんでいた。
「…手はある」
「本当かじっちゃん!」
「だが、お前はもうこの世界には存在できなくなるぞ」
「どういうことだよじっちゃん!」
「マザーツリーは人類誕生以前の時代から植物生命体を送ってきている。
植物だからこその長い寿命を利用してな」
「どういうことだよ!」
「護…過去へ飛べ。過去へとタイムワープし、そこでマザーツリーを倒すのだ。
そうすれば、今この町を蓋っている多数の植物生命体も消える。
…ただし、タイムワープできるのは行きだけだ。転送先の時代に転送装置がない限りは…」
「それでもかまわねぇ!俺をさっさと転送してくれ!この鋸曳市がこれ以上奴らの手で汚される様なんか見てられるか!」
「護…お前の決意はよぉく分かった。ならば氷河期へと飛べ。氷河期ならいくらマザーツリーでも弱っているはずだ」







極寒の吹雪の中、ついにバッサイオーはマザーツリーと遭遇した。
「…マタデアッタナ」
「お前はあの時の通学路の…?」※第一話で出会ったことになってる
「ソウダ。」
「なぜ人類を襲う!」
「ジンルイハワレワレノドウホウヲコロシスギタ」
「同胞?」
「オマエタチジンルイハ、ワレワレヲカリ、モヤシ、ミズカラノハンエイノアシカケトシテキタ」
「我々…?刈る…?」
「オマエタチハワワレノコトヲショクブツトヨンデイル。
ワレワレノナカマハジンルイタンジョウイゼン…コノチキュウトヨバレルホシガ
タンジョウシ、ウミガデキタコロニハコノホシヘトヤッテキテイタ。
ワレワレハコノホシヲダイニノフルサトトシ、エイジュウスルコトヲキメタ。
ダガ、ソンナワレワレヲオマエタチジンルイハザイモクナドトイッテカリタオシテキタ。ワレワレニモイキルケンガアル。ワレワレハタチアガラナケレバナラナイ」
「なんだって?!じゃあ今鋸曳市に生えている樹木は…」
「ワレワレノドウホウダ。
ノコビキシダケデハナイ。ゼンセカイニワレワレノドウホウガセイイクシテイル。
コノジダイカラゲンザイマデイキノコッテ。
オマエタチジンルイハワレワレヲカリトルケンリガアルノカ?アトカラノコノコトヤッテキタオマエタチガセンジュミントモイエルワレワレヲ」









激しい激闘の末、マザーツリーは倒された。
ボロボロになりながらもブレイジングソーを杖代わりに身体を立ち上がらせるバッサイオー。
すでに殆どの機能を破壊されたバッサイオー。当然暖房システムも破壊されてしまった。
「…ああ、すげぇ眠たい。なぁ、バッサイオー?
俺たちはマザーツリーを倒した。鋸曳市は救われたんだぜ…」
ザクッ!
地面へとブレイジングソーを突き立てるバッサイオー。
「フフフ…」
眠るように瞳を閉じる護。崩れ落ちるバッサイオー。

そして…数億年の時が過ぎた…。








「おかぁさぁん。あの大っきな鋸はなぁに?」
「…あれはね、この町の守り神なんだよ」
鋸にはとても年月だけでは考えられないような傷跡があった。
なにかを切ったような傷、なにかを防いだような傷。
その全てに母親は見覚えがあった。
「あの鋸を立てた人はどうなっちゃったの?」
「いつでもこの町を見ていてくれるんだよ」
「へぇ~」
鋸を見つめる少年、キラリと光る鋸
「さっ、行きましょうか。守」
「うんっ」
少年は名残惜しそうに鋸から視線をずらしていく。
そして母親も…。
「ずっとこの土地を見守ってくれてたんだね。護…」
夕日が沈んでいく中、鋸は何時までも輝いていた。

END


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最終更新:2009年12月06日 13:43