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地球。
青く輝き、文化が栄え、人類が詠歌を営む星。
しかし、その平和を蝕ばまんと迫る悪魔たちがいた……!


ゴシャ『……来たぞ、あれが地球だ』

グブォ『地球……言語と呼ばれる、宇宙でもっとも醜い交信手段を使い……』

ズガーン『争いの絶えぬ愚かなる星、そして人類!!』

ゴシャ『我らがギオーン帝国のノイズ……今こそやかましい人類を、抹殺するのだ!!』


この時、日本電波観測所は謎の電波をキャッチ。
そして、これの解明をみることは、二度となかった……


一週間前。
東京。
爆音と悲鳴の中、青年は駆けていた。

鳴神『――父さん!? 母さぁぁぁん!!』


青年、鳴神声動が自宅についたときは時すでに遅し……
家は勿論、街は業火に焼かれていた。
ズガーン帝国の攻撃が、日本を襲ったのだ。

鳴神「そ、そんな馬鹿な……こんな……」

唐突に鳴神の頭の中に響く、笑い声!
瓦礫の上にたつのは、まるで岩石で出来たかのような怪物!

ズガーン『ふははははっ!! たわいもないな人類というのは!!』

鳴神「な、なんだ貴様は……か、怪物!?」

ズガーン『…ほう、我らがギオーン電波を解読できる力があるのか。だがそのような力があった所で、役立てる機会はない………』

ズガーンの拳から、エネルギー破が発射される!

ズガーン『死ね、虫けらぉぉぉぉ!!』

鳴神「う……うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



東京、壊滅。
宇宙からやってきたズガーン帝国に、日本政府はまったく歯が立たずに惨敗。
一週間後の再襲来を告知され、人類は希望を失った。

だが、一人の青年の命が今、希望として目覚めようとしていた。
これは、命の限り叫ぶ男の物語である……。


鳴動神ダイトーン

第一話【目覚めろ!宿命の鳴動士!】





鳴神(…逃げている、俺は……逃げている…!)

地面が裂けた。
遠くから聞こえる怒号に合わさるように、鳴神の走るさきに火が登り、爆発し、破片が傷を作る。
なぜ俺は追われている?
なぜ奴は、地面を爆発させることが出来る?
俺を追うのは誰だ?
そしてなにより……

鳴神(……なぜ俺は生きている!? 俺はあのとき……)

日本壊滅の日、崩壊した自宅の前で、
鳴神声動は……死んだ。
死んだはずだ。
だが今、鳴神は謎の人物に追われ、荒廃した東京を駆けていた。

鳴神「くそっ……奴はズガーン帝国なのか…!?」

???「隙だらけだぞ、鳴神声動!!」

後ろに気を取られていた鳴神に、拳が襲いかかる!

鳴神「うぐあぁっ!?」

???「甘いな、これしきのことで……人類を救うとはかたはら痛いわ」

鳴神「……俺を追う貴様は、何者だ!?」

逆光の中立つのは、初老の男。

天藝「わしは……天藝(てんげい)。貴様の命を救った男よ」

鳴神「なんだと……ならなぜ俺の命を狙う!?」

天藝「自分が拾った命、捨てるも生かすも勝手だろう、そうは思わないか?」

鳴神「な、なんだとぉ……!?」

天藝が飛び、後ずさる鳴神の背後を抑える。





天藝「……だが、せっかくの命、貴様は大丈夫に使わねばならん。そう――鳴動士として」

鳴神「鳴動士……なんだそれは!?」

天藝「まあ待て……はぁっ!!」

天藝が気合いを放つと、まるで浮かび上がるかのように不気味な様相の集団が姿を表す!

鳴神「これは……ズガーン帝国の…!」

天藝「奴らの使い魔、ドカンだ。 だがこの程度は……ていあぁぁぁぁぁ!!!」

天藝はその容姿に合わぬスピードで飛び跳ね、敵を幻惑する!
それはまさに、達人の技!
ドカンたちは天藝の一撃によって粉砕されていく!

天藝「見よ、鳴神! これが鳴動士の力よ!」

鳴神「な、なんだあれは……!?」

天藝が口元で組んだ手を、敵に放つ!

天藝「咆・哮・弾!! はぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


それは、声であって声にあらず!
打ち込まれた撃はまさに閃光となって、瓦礫ごとドカンたちを粉砕する!

鳴神「に、人間技じゃない……!」

天藝「いや、人間だからこそ使える技! これぞ、鳴動士の技――咆哮弾! 人の気、思いが力となって武器となるのだ……」

鳴神「ば、馬鹿な……こんな技が……」

天藝「そして、鳴神よ! 貴様はこの技を身につけ、ギオーン帝国を打ち砕かなくてはならん!!」

鳴神「……そんなの、無理だ。 あんたの勝手だろ! 俺は、俺にはそんな力はない!」

否定する鳴神に、天藝は言い返した。

天藝「そうだ、貴様に力はない!!」

鳴神「なに……!?」

天藝「父を殺され、母を殺されたにも関わらず、怒号せず、泣き叫ぶこともせず……思いを持たぬ貴様が、なぜ戦いに生き残れよう!!
貴様には才がある、しかし……心がない!!! しかして、貴様は役立たずなのだ!!!」

鳴神「役、立たず……だと……!」

天藝「貴様ほどの才を、ほかの者に与えられていれば、人類はすでに救われたかもしれぬのだ……。それでも貴様はそれが宿命、それこそが生きる道!!
使えるものを使わんとして、それは生きたと言えるのか!?
否、死んだも同じ!! ならば、この東京廃墟の中で、好きなように野垂れ死ね!!!」




鳴神声動は、いわゆる普通の学生であった。
とくに熱中することもなく、ただ過ぎ行く日々を呆然と眺め過ごしてきた……。
思えば家族というのは、なんのためにあったのだろうか。
いて幸せなことがあったのだろうか――

鳴神「――母さん、……父…さん…!」

すべて、死んだ。
皆もどらぬものになってしまった。
二度と会えない、ふれられない、二度と――
そう思うと、鳴神の瞳からは自然と涙が伝い落ちた。

ズガーン『……貴様らか、俺のドカン軍団を葬ったのは!?』

天藝「むぅ……感づかれたか。下がれ、鳴神よ、命は惜しかろう……」

鳴神「……バカいってんじゃねえ…!」

鳴神が構える天藝の前に、進んで立ちふさがる!

ズガーン『貴様は、あのときの虫けら……なぜ生きている!』

天藝「鳴神……」

鳴神「…両親の敵が目の前にいて、逃げてられるかよ……!! どうせ死んだ命……最後までぶつけてから死んでやる!!」

鳴神の瞳に、先ほどまでと違う、執念の炎が燃え上がる!

天藝「……よくぞ言った、鳴神声動……その命、惜しきものよ!」

天藝が鳴神へ、金色のブレスを投げ渡す!

鳴神「これは……!?」

天藝「貴様は、すでに命の灯火で動く機械、人間にあらず……その名も、メタルノイド!
だがしかし、燃え上がる命の炎に偽りなし! 灯せ、『鳴動機』を!!」


鳴神の魂に、ブレスから情報が転送され、理解する!
迷いなき瞳が、ズガーンを捉える!


ズガーン『……なんだ、先ほどと目つきが違うだと!?』

鳴神「……見えた、魂の咆哮!」

ブレスが輝き、大地が割れる!

鳴神「――チェンジ・スピリットォォ!!」



空から現れる、黄金の獅子!
鬣が空を裂き、牙が輝く!

鳴神「……来い、俺の魂に答えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

鳴神の体がスピリットレオと一体化する時、鳴動機は現れる!

天藝「おぉ……! あれこそ待ち望んだ希望、鳴動機! 鳴動神に仕えし、伝説の獅子!」


大地を裂き、名乗りを叫ぶ!


鳴神『天に届くは我が叫び! 命の咆哮……鳴動士・声動!!』


ズガーン『バカな…このようなものが地球に…!?』

スピリットレオが天藝のように、口元で構える!


鳴神『咆哮弾!!……これが、俺の心の怒りだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

ズガーン『ぐ、ぐぅぅぁぁぁああああああああああああああ!!!』

廃墟を切り裂いて、心が、叫びがすべてを粉砕した――!


天藝(……すべてが始まった。若き獅子よ、吠え続けるがいい……命果てるまで……!)

鳴動士・声動の戦いは始まったばかりである……。



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最終更新:2009年12月09日 08:26