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前回までのあらすじ
これまで多くの敵を退けてきたバクエンオー
業を煮やしたトランティータ帝国は超科学研究所にこれまでにない大攻勢をかける
その圧倒的な数により少しずつ傷ついて行くバクエンオー
その姿を見つめる黒い影は何者なのだろうか…?


第二十六話 「バクエンオー絶体絶命!最強の敵あらわる!」




「ロケットナックル!」
頭上の敵に左のナックルを飛ばし、振り向きざまに後ろの敵を殴りつける
だが、その次の瞬間機体を揺さぶった衝撃に意識が飛びそうになった
体勢を立て直し、相手を見るとアルマソージS1が追撃の体勢に入っている

「お前には前も苦労させられたっけ…な!」

間一髪追撃を避けきり、その背中に戻ってきたナックルを再び放つ。爆発。
周囲を見渡せば大分数は減ったものの、まだ数える気にもならない程多くの敵がいる

「お前らは本っ当にしつこいよなぁ!そんなに俺とこのバクエンオーを倒したいか!」
叫んでから敵の様子がおかしい事に気が付く。妖神機達が少しずつ退いて行くのだ


「フッ…これ程までに粘るとは、流石はバクエンオー。我らを苦戦させただけはあるな」

突如響き渡った声に辺りを見回す。そして次の瞬間、目の前に影が現れた

「なんだ…こいつ…?」

思わず呟く。その影はこれまでの妖神機とは違い、スマートな人型をしていた
全体的に鋭角なライン。スピードを重視した機体だろうとそう考える

(簡単には…行かせてもらえなさそうだな)

何時でも対応できる体勢でいると、相手が話しかけてきた

「フッ…やはり貴様には他の雑魚との違いが解ったか
そう、この機体は我がトランティータ帝国の技術の粋を集めて作られた最強の機体!クリステレオンP7だ!
ちなみにPはパーフェクトのPだからな!プロトタイプどもとは一緒にしないでくれたまえよ?」

「最強…?へっ、随分と自信たっぷりだな!その鼻っ柱、俺とバクエンオーがへし折ってやるぜ!」
そう言ってロケットナックルの構えをとる

「フッ…下品な奴だ。貴様こそ、自らの身の程を弁えるのだな」

「さっきからフッフッ煩いんだよ!喰らえっ!ロケットナックル!」

そう言ってナックルを射出する
高速で飛んで行くナックルに対し、相手は避けようともせず棒立ちのままでいる
そのまま胴体を貫くかと思ったその時、甲高い音とともにナックルが弾かれる
クルクルと回りながら戻ってくるナックルを見ながら、驚きと共に呟いた

「な…!?こいつ、見た目より装甲が硬い!?」

「フン、毛ほどにも感じぬな。それで終わりか?」

相手の言葉で頭に血が上る。
バクエンオーが負けるはずがない、そう思いながら相手の挑発に乗る形で最大の必殺技を放つ

「余裕ぶるのは、これを喰らってからにしろっ!バクエン!ブラスタァァァァァッ!」


胸の増幅器から放たれる数百万度にも及ぶ熱線が相手を襲う
そして熱線が相手を包み込み、過ぎ去っていったその瞬間タケルは目を疑った

「フ…この程度か、やはり貴様は屑だな」

そこにいたのは、傷一つなく立っているクリステレオンの姿だったのだ

「ば…馬鹿な…バクエンブラスターが…!?」

「フフフ…このクリステレオンは恒星潜行用の装甲材を使用している
貴様如きの熱線ではまさ『焼け石に水』ということだ…
おっと、諺を間違ったかな?」

「恒星…!?」

「フン、それでは終わりにしようか。このクリスタニウムサーベルでな!」
そう言ってクリステレオンは斬りかかって来た。
咄嗟に左腕で防ごうとする…が易々と切り裂かれてしまった

「ミスレリル合金が…!?」

「バクエンオーとやらの機体性能は完全に分析している
当然、貴様の装甲を切り裂くための武器も用意しているさ」

そう言って、攻めを継続するクリステレオン
バクエンオーは避けようとするが、少しずつ追い詰められていった

「フハハハハハ!弱い!弱いぞ!このような相手に今までの妖神機共は倒れたのか!」

「グ…ちくしょう…!このままじゃ、皆が…!」


その時、通信が入った、炭屋所長からだ

「もう少しだけ持ちこたえてくれ、炎君!今、新しい武器を射出する!」

「新しい武器!?一体、それは!?」

タケルの問いかけに、難しい顔をして所長が答えた

「最強の剣、バクエンブレードの試作品だ…
予定よりも強度が落ちているため、まともに打ち合えば粉々になるだろうな…
だが、あの武器なら奴の装甲も切り裂く事が出来るだろう」

「わかりました、所長!やってみせますよ、絶対に!」

「うむ、すまないな…」

そして、通信を傍受していたらしい相手は言った

「ほう…?面白い、少々退屈していたところだ。暫し待ってやろう」

そして、少しの間の後バクエンブレードが飛んで来た
バクエンオーとクリステレオンは互いを牽制するように向き合ったまま会話をする

「フン…さて、そのガラスの剣でどうするつもりかな?」

(剣の扱いでは向こうが上手…なら、一か八か!)


次の瞬間バクエンオーは剣を持ち上げ、投擲の体勢に入った

「フム…なんだ?その奇妙な構えは」

突然の事に理解が及ばない様子のクリステレオン
これ幸いとばかりに、バクエンオーは剣を投げつける!
次の瞬間、剣は見事にクリステレオンの胸に突き刺さっていた

「ホウ…なるほど、なかなか面白かったぞ。だが、悪あがきも無駄だったようだな」

そう言うと、クリステレオンは剣を引き抜き、刀身を握りつぶした
だが、タケルの目からはまだ闘志は消えていなかった

「無駄…?そいつはこれを受けてから言ってみやがれ!バクエン!ブラスタァァァァッッ!」

再び熱線を放つバクエンオー

「ふん、効かないということがわからなかったのか…何!?」

余裕のあった顔が驚愕に歪む。胸の部分で小爆発が起こったのだ

「な…まさか、あの投擲で作られた穴か!?」

「へっ!いくら装甲が熱に耐えられても、中身まではどうかな!?」

そう言ってブラスターの出力を上げると同時にクリステリオンの胸部でさらに小さな爆発が起こる

「お、おのれぇっ!このイルアーム・クリューエルをここまでコケにするとは…!」

「へぇ、そんな名前だったのか、アンタ」

イルアームが爆発に気を取られている隙に、バクエンオーは間合いを詰めていた
そして、投擲で出来た穴の淵を両手で掴み、思い切り引っ張る!

「少々小さすぎるんでな、もう少し広げさせてもらうぜ!」

「お、おのれぇぇぇ!なんという馬鹿力だ!?この装甲を…!」

そして装甲の穴を十分に広げ終わった次の瞬間、相手を空中に投げ飛ばした

「馬鹿な、この最強が、何故こんなぁっ!」

「最初っから全力で相手をしないからこうなるんだよ、精々来世で気をつけるんだな!」

そう言ってナックルの射出体勢に入り

「さあ、これで終わりだ!ロケットナックル!」

ナックルは寸分違わず穴を通過、動力部を直撃し大爆発を起こす

「ヘッ…派手な花火だな…」

タケルはそう言って、気絶するかのように眠りに落ちた
心配して通信してきた七輪に気付かず、怒られる事になるのはもう少し後の話である






次回予告
バクエンオーの強化パーツを受け取るため
秘密の実験場に向かうタケル達
だが、そこにもトランティータ帝国の魔の手が迫っていた…!

次回!機動英雄バクエンオー第二十七話!
「唸れ!ドリルナックル!火山爆発五秒前!」
次回も、バーニングファイアだぜ!


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最終更新:2009年12月09日 22:43