僕、松平ハヤト!
私立勝泉(かっせん)小学校に通う、普通の小学5年生!
……だったんだけどなぁ。
忘れもしないあの日、空から突然現れて、街を破壊し始めた怪ロボット。
思えば前日から、ヤケに耳元でヘンな声がしていたのはこの予兆だったのかも。
『誰がヘンな声だよ、誰が』
うるさいなぁ、黙っててよ。
兎も角、授業はそれでお釈迦。ちょっとラッキー、と思ったら、学校にその怪ロボットが
向かってくる。まだみんな避難中なのに、このままだと、あの巨大ロボにみんなやられちゃう。
『そこで俺様が声をかけてやったのさ』
そう、そこでまたヘンな声が聞こえたんだ。その声はこう言うのさ。
『あのロボットを倒したい、私に力を貸してくれないか』
僕は何だか恐くて、ついつい答えるのに躊躇っちゃうんだけど、その声は必死に言うんだ。
『頼む! ヤツを倒さないと、この街にも被害が出るんだ!』
それでも躊躇う僕。そしたらあの怪ロボが発射したミサイルに撃墜された、防衛軍の
戦闘機の破片が、校舎に当たって、皆が悲鳴を上げた。
――僕の好きな、アズミちゃんも。
だから僕は、
「解った! 協力するから、アイツをやっつけて!!」
って言ったんだけど……、
するとコイツが。
『協力感謝する……フフ……グフフフ……ハハハハハ……ゲハハハハ!
――――言質さえとっちまえばコッチのもんよ』
「――え?」
『説明してやろう! 俺こそあの怪ロボットが所属するギゼンガー法帝どもを壊滅すべく、
汎上位銀河連星警察より派遣された特命捜査官よ!
精神生命体であるオレらは、実体化するタメには他の生命体のイメージを借りる必要がある!
しかしどうせ実体化するなら矢張り強そうなイメージが良いと思ったのね、俺は。
意志薄弱かつロボオタクで実はこういうシチュエーションに憧れてる現地人を探すのには、
ホントーに苦労したぜ!
まあ捜査官権限で同意さえ得られれば独断で現地の民間人と協力してコトに当たってもOKよ、
とのお達しもあるし、さぁ、テメェのイメージを貸してもらうぞ!!』
急に態度を豹変させた『声』は、脳内のみに聞こえるそれから、次第に現実的な耳に聞こえる
響きを帯びてきた。
「まさか……」
始めは声から。次に現れたのは巨大な影で、そしてあの巨大ロボの前に立ちふさがる、
超重質量、もう一つの巨大ロボ。その姿は、僕の考えたロボット。
「ブライ……セイバー?」
『ぶらいせいばー、ブライセイバー。そうか……この体の名前はブライセイバーか。
――良いな、気に入った。俺は今からブライセイバーだ!!』
そう言って、こちらを見てニヤリとかなりアレな笑みを浮かべるブライセイバー。
その体に、怪ロボットのロケット拳が飛ぶ。ブライセイバーはあっさりと弾き飛ばされる。
……って、
「えー、僕の設定だと、ブライセイバーはそんなに弱くないよぉ」
『ウルッセェ! こちとら初めての体で、まだ慣れて無いんだよ!
……にしても、確かにちと弱過ぎる。思ったよりもイメージが薄弱だったか』
ブツブツとしばらく呟くと、ブライセイバーがこっちを向いた。
『おい、現地人』
「何?」
『乗れ』
「え?」
『テメェのイメージのせいで俺はピンチだ。差し当ってイメージの強化が必要だ。
それにはお前を中に乗せて、戦闘や武装のイメージをミソから読み取りながら戦うのが一番だ。乗れ』
「え、でもブライセイバーを選んだのは君の勝手……」
『黙らっしゃい! 一度実体化したらチェンジ不可なのに、お前の頭の【もしもの時助けて欲しい
ロボランキング】一位がコレだったんだよ! テメエがガ○ガ○ガ○なり逆Aなり天の八■ロボなり
イデ※※なりを一位にしときゃ問題が無かったのに、何でオリジナルロボが一位なんだよ!
邪気眼とかの設定大好きな僕ロボ最強な厨房かオノレ!!』
「……そんなこと言われても、僕まだ小学生だし」
『想像すんのに小学生もジジイもあるか! 良いから乗れ、強そうなイメージ寄越せ』
「嫌だってばぁあああああ!!!」
光の粒子になって、ブライセイバーに吸い込まれる僕。
……こういうことになるならランキング一位はゲッ☆☆☆☆ペラーにしとくべきだったかも。
最終更新:2009年12月11日 07:24