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ついに敵の親玉自らが出撃してきた!その名も、クライシス!
最強の敵を目の前に、最後の戦いへと臨む星王!!
しかし、敵の強大な力の前についに星王は崩れ落ちてしまった!
人類はこのまま悪に蹂躙されてしまうのだろうか?!

最終回

涙星



「…」
大地に立ち尽くす星王。目の光は失われ、体の至る所から煙が噴出し、血のようにオイルが流れていった。
「ハハハ!!勝った!!勝ったぞ!!やはり望みをかなえる隕石は私が使ってこそ生きる!」
高らかに勝利宣言し、崩れ落ちる星王へと歩み寄るクライシス。
「くそっ!頼む星王!あと少しだ!あと少しでいい…」
いくらシンイチが呼びかけても星王はうな垂れたまま答えなかった。
ただ…、投げ出された右腕がわずかに動いた。

「…なぜだ」
クライシスが突然歩を止めた。
「なぜこいつは元の姿に戻らん?!ロボットとしての機能が停止したのなら、元の隕石の姿へと戻ってもいいはずだ!!」
「…教えてやろうか…?」
「なにっ?」
クライシスへと通信が入る。その通信は完全に機能を停止したはずの星王からであった。
「!!この死にぞこないがぁぁぁ!!!」
一気に間合いをつめ、星王へと殴りかかるクライシス。
すさまじい力が星王へと襲いかかる。
辺りに砂埃が舞い上がり、二体のロボットの姿を隠した。

確かに手ごたえがあった。クライシスは勝利を確信していた。
だが、星王を無事だった。
それどころかクライシスの腕を片腕で受け止めている。
「なっ…?!」
腕に力を込めても、星王はビクともしない。
それどころ星王の腕には力が戻ってきている。
「ばっ馬鹿な?!なぜ動く?!なぜ動ける?!」
「流星は持ち主の願いをかなえる…」
星王より再び通信が入る。その通信を聞いてる間にも星王の腕にはどんどん力がみなぎっている。
「つまり、俺が平和を願い続ける限り、星王はお前たちのような悪には決して負けはしない!!」
クライシスの腕をもぎ、握り砕く星王!目には光が宿る!
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!なにが平和だぁ?!」
もがれた片腕を抑えながらふらふらと空へ舞い上がるクライシス。
「星王!いけるな!」
「勿論!!」
地を蹴り、空へと羽ばたく星王。その背中には赤く燃え上がる翼が広がっていた。

「ハァハァ…おのれこうなったら…!」
高速で飛ぶクライシスの体から火花が散る。
「すべて破壊し尽くしてやる…!!」
クライシスの体が青く青く燃え上がっていく。
青い炎に包まれながらも、クライシスは高く高く飛び上がっていった。

「星王!あれは…」
ようやく星王はクライシスへと追いついた頃、クライシスは巨大な青い太陽と化していた。
「ハハハハハ!!星王!今から俺は地上へと落下する!!!」
「なにっ?!」
「ハハハハハ!!貴様の望む平和とやらは粉々だ!俺の野望達成が不能となった今!この世界など存在する価値などない!!」
「くそっ!お前なんかにこの世界を壊させてたまるか!!」
星王はありったけの武器をクライシスに撃ちこんでいく。だがクライシスの落下速度は緩むどころかじょじょに加速している。
「…こうなったら…」
「なにか打つ手があるのか星王?!」
「ああ…しかし…」
「頼む星王!俺は…みんながいるこの世界を守りたい!」
「わかった…」
星王の体が金色に光りだした。
そして、すごい勢いで雲を突き抜けたかと思うと、今度は先ほど以上のスピードでクライシスへと向かっていった。
その凄まじい急上昇急降下でシンイチは気を失ってしまった。

「シンイチ…シンイチ…」
星王がシンイチの意識へと呼びかける
「シンイチ、私の体は先ほどの戦いでぼろぼろだ。残念ながらここでお別れだ」
「どういうことだ?!星王!!」
「私は自らの体を光の矢と変え、クライシスを貫く。この体が砕け散る前に。だから、さらばだシンイチ」
「星王!!」
シンイチの体が徐々に薄くなっていく。
「星王!お前は持ち主の願いをかなえるんだろ?!だったら帰って来い!!かならず!!」
「さよなら、シンイチ」



凄まじい轟音に気がついたとき、シンイチは戦場から少し離れた野原に、仰向けに倒れていた。
「ここは…」
目を覚まし、空を見る。
そこに広がっていたのは、幾千もの流れ星、砕け散った星王とクライシスの破片。
「星王…っ、持ち主の願い事は必ず叶えるんじゃなかったのかよ…!」
星王との思い出の数々がシンイチの頭の中を駆け巡った。
その夜、家に帰ってからシンイチは一晩中泣き続けた。



星王が、ジエンドともに散った夜、シンイチは一睡もしないまま朝を迎えていた。
一晩中泣き続けて瞼は腫れ、寝不足からか目の下にはクマができていた。
しぶしぶする目をこすり、テレビをつけてみる。
ナレーターが昨日の流星群についてコメントしていた。
「星王…っ!」
星王との別れを思い出す。さんざん泣いたはずなのに、また涙が溢れ出してきた。

エピローグ
かなえ星


「いってきます…」
「シンイチー、朝ごはんはー?」
「いらない…」
母親には心配をかけたくない。
力なく母親に答える。なんとか泣いていたことはばれなかったようだ。
ふらふらと門を抜け学校を目指す。
通学路では昨日の流れ星が話題になっていた。


「ねぇー、見たー?昨日の流れ星」
「見た見た!チョーキレーだったー」
「お前昨日何祈った?!俺は腹いっぱい鯖味噌食いたいってのと、あと、頭よくなりますってのと…」
「ははは、その様子じゃ二番目の願いはかないそうもないな」
女子も男子も昨日の流星群の話題で持ちきりだった。

「よぉ、シンイチ!昨日の流れ星見たか?すごかったよな」
校門近く、後ろから声をかけられる。…こいつはまたギリギリまでテレビを見ていたのか。
「…見てないよ。」
今ここで見たと答えたら、なにかしつこく話が続きそうで嫌だった。
たとえ親友でも、今は話をしたくなかった。
星王のことはしばらく思い出したくない。
「何だよ、お前あれ見てないのかよ。ニュースでも騒いでたぜ。今世紀最大の流星群だって」
「…そうなんだ。俺テレビ見てたよ」
「勿体ねーな。今日だって美人のナレーターが…」
「ふーん…うわっ」
寝不足のせいか足元がふらふらしていた。それに朝ごはん抜きだ。
なにかに躓き、転んでしまった。
「っ痛ぇ…なんだ…?」
「おいおい大丈夫かよ?」
振り返り、自分を転ばしたものを見る。
「あ…」

…涙が出てきた。痛みからじゃない。
そこにあったのは、きらきらと緑に光る小さな石だった。
多少大きさは変わってしまったが、シンイチにはそれがなんだかわかっていた。
「お帰り…星王」
シンイチに答えるように、緑の石が一層強く光った。


「おーい、どうしたー?」
声をかけられ、緑の石をあわててポケットに押し込む。
「いや、うん。ああ…、大切なものが見つかったんだ」
「ん、落し物かなんかか。良かったな。今朝のニュースで言ってたとおりだよ」
「ニュース?」
「ああ、流れ星特集の最後、ナレーターのおねーさんが言ってたよ。」
そう言って笑顔であいつは答えた。
「この流れ星は多くの人に希望と幸せを与える、夢の流れ星…ってな」



完




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最終更新:2009年12月11日 08:34