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俺、長瀬澄(ながせ とおる)の冬休み最初の朝は、一本の電話から始まった…

「冬休みのガーディアン」



俺の安らかな睡眠を邪魔したのは、兄の智伸(とものぶ)からの呼び出し。
「あ、澄?今までとは比べ物にならない物造ったんだ、菫ちゃんも連れて大学まで見に来いよ。それじゃ」
それだけ言うとすぐ切られた。
智伸は工業系の大学に通っており、よく発明品を見に来いと誘うのだ。
携帯を見ると10時を周っていた。最悪の目覚めをした俺は、携帯電話を畳み洗面台にむかった。
顔を洗ってさっぱりした後、準備をすまし出かける。
雪がパラパラ降る空を見上げながら物思いに老けっていると、丁度良く幼馴染みの士堂菫(しどう すみれ)が声をかけてきた。
「おはよう澄、どこ行くの?」
「兄貴の研究室、またなんか造ったらしい菫も来いってさ」
めんどくさそうに喋ると、「智伸さんのとこ?私も行く!」と菫は意気揚々と前を歩き出した。
「ところで、菫どっか行くとこだったんじゃないのか?」
「ん?ああ暇だから図書館行くつもりだったんだけど、智伸さんなら最優先!」
と色々話をしていると大学が見えて来た。
東日大学、智伸が通っている大学で、福祉から宇宙工学まで幅広く扱っている。
敷地は広く町ぐらいあるが、智伸のいる研究室は入口の近くなので、楽に行ける。
「兄貴~来たぞ~」と研究室に入ると「ああいらっしゃい。おや、菫ちゃんも来たのか、こんにちは」
助手の勘太郎さんが出迎えてくれた。
「智伸さんは今最終調整してるからお茶でも飲んで待ってて」
いい終わると手際よくお茶の用意をしてくれた。
5分くらい待っていると、「できたぁ!」
智伸の歓声が響いた。
と、同時に研究室に振動が走った。
「またかぁ智伸さん今日も爆発したのかな」と菫が飽きれ半分に言ったその時
天井が崩れてきた。
「澄!菫ちゃん!早くこっちに!」
勘太郎さんが呼んでくれたおかげで、下敷きは防がれた。
「いつもと違いますがどうしたんですか!?」
興奮気味に質問すると勘太郎さんは真面目な顔で、「奴等が攻めて来たのだ…」と言った。
奴等…?何のことだと考えていると、「とにかくここは危険だ!地下に!」
そういうと地下に続くはしごを降りて行く。「智伸さん!二人を連れて来ました!」
勘太郎さんが話かけると
「よし、澄、菫ちゃんよくきた」と地下室にいた智伸が喋った。
状況が分からない澄が「兄貴!なにが起こったんだ!」と聞くと
「先ずはこれを」
部屋にあるスクリーンに映された物は、東日市と、そこを破壊する謎のロボットだった。「これは映画などではなく、今実際に起こっている出来事だ。そして次にこれを見てくれ」
スクリーンが変り、今度は三本角のロボットが映し出された。
「これは今回造ったロボットで、名をガーディアンという。単刀直入に言う、二人にはこれに乗ってあいつと戦ってほしい!」
余りの突拍子の無さに澄が驚いていると
「あ~今外で暴れているロボットはゲルマニオと呼ばれる古代文明の兵器で襲来を予知した僕たちはガーディアンを造った。そして君達にガーディアンに乗ってもらいたい訳です」
と空気を読まずに勘太郎さんが簡潔すぎる説明をした。
「いきなり乗れっていわれ…」「はい、乗ります!」
澄が混乱していると菫がすぐさま返事をした。
「乗ってくれるか!じゃあこっちだ二人とも来てくれ」
「いや、ちょっとまった!俺乗るって言って無いけど!?」
早速格納庫に向かう三人を遮るように澄が言った。
「何女々しいこと言ってんの。このままじゃ町がヤバいんだよ、行かなくてどうすんの!」と菫が言う。
「でも…」
と踏切が付かない様子だが
「あ~もう!女々しいったらありゃしない!」ここで菫が切れた。
「澄!行くよ!」掛け声とともに菫は澄を担いで走り出した。
「よし、でかした菫ちゃん!格納庫に急ぐぞ!」
「ええっ?ちょ、ちょっとまっ!」澄の声は虚しく響くばかりだった。
格納庫に着くといつの間にか指令室のような場所から「よし!菫ちゃん、そこの開いている所に二人で入って!」と智伸の声がした。
「うげぇ!?」強制的に前の操縦席にほうり出されるとすぐさまハッチが閉まった。
すると、周りの機械が動きだし、手元にいつもやっているアーケードゲームのコントローラーが現われた。
「あ~澄聞こえるか?お前がいつもやっているゲームの操縦方と同じだ。思いっ切りやれ!」
「行こう!澄!」
智伸と後ろの菫の声が聞こえると同時に目の前のモニターが駆動し、動き出しているカタパルトを映し出していた。

12月20日 こうして忘れられない冬休みが始まった…


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最終更新:2010年01月15日 23:26