【逃亡記シャロン】
西暦2011年
医療技術の発達により死人の数が大幅に減少した世界
人類は増加し続け、開拓された月と火星が満員になるのは時間の問題であった。
そこで宇宙政府は老人、犯罪者、社会不適合者、これらを削除し
人口減少と清浄化をはかる「削除計画」を発動させる。
西暦2016年
自分が削除されると知った4人の男女は出会い、そして逃亡する
ただ生きるために。
機体
シャロン
宇宙海軍が西暦1999年に開発した旧式の人型宇宙開発機。
全長18m 2人乗り
ロレンタ
宇宙空軍が西暦2003年に開発した旧式の人型宇宙探査機。
全長16m 2人乗り
シャロン、ロレンタという名前はジェイ達がスペーススクールにいたころのマドンナから拝借した。
という電波が来た。
SS
エアの漏れに気づいたのは、ムーンバレクを出発してから少し経ったころだった。
「……ジェイ、まずった」
無線機がノイズを吐き出し、次に声が流れ出す。
「あん、どしたよ」
「ムーンバレクのジャンクショップ……アサブラって言ったか。とんだ不良品だったよ」
「あん?」
「エアが漏れている、もう一度引き返すしかない」
無線機から冗談めいた悲鳴があがる。
「おいおい、マジかよ。あれ、いくらするとおもってか、坊ちゃまよ。……ったくよ、しゃあねぇ」
レーダーに移る光点が、先ほどまでの進行と逆に進み出す。僕もステアをひねり、レバーを動かし、シャロンを反転させた。
「で、どうすんのよ警備員は。だいぶやっちまったよぉ~俺ら。捕まったら、これだ」
無線機越しで姿は見えないが、ジェイのことだ、首をかっきるポーズをしたんだろう。
「ジャンクショップに、質のいいマシンガンがあった。あれをいただく」
「あー、あのクソ高かった奴か。いいねぇいいねぇ、一度死んだ奴らはお気楽万々歳だ」
「冗談言うなよジェイ、俺達はまだ死ねないだろ?」
月の岩肌を通り抜けると、ジェイのマシンが姿を現す。
「当然よなぁ、まだ死ねないって」
旅はいつまで続くのか。
備考
最終更新:2012年01月11日 21:54