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ドンッ! 遠雷から放たれた劣化ウラン弾が装甲に突き刺さった
コックピットの破片がまっすぐベテランの胸に突っ込んできた



少女「ねぇ、なんであなたはいつも一人でいるの?」
いつものようにガレージでブラストを眺めているとそんな質問をかけられた
少年「・・・・その質問には他意はありますか?それともそのままの意味ですか?」
こういう時は大体が嫌がらせなのだ、面と向かって言えばいいものをいちいち回りくどく・・・
少女「?・・・えっと?」
ただ この場合は違ったようだ
少年「・・・失礼、私はボーダーなんです、このガレージにいるのもそれが理由です」
ボーダー、生まれながらにしてニュードに耐性がある、それだけ聞けばすばらしいことかも知れないが、実際はそんなことはない。
基本的に外をたち歩くことができない、許可されていないのではなく人の心に拒絶されているのだ。
少女「ふぅ~ん、かっこいいね!」
それは どちらに言われたのかはわからない、ブラストかはたまた自分か ただ・・・
少年「・・・そんな事を言われたのは初めてです」
ただこのとき 初めて人に優しさで接してもらえたと思った
  • 2ヵ月後-
少女「ねぇ これ上げる!」
いつものようにガレージでブラストを眺めていると 少女に声をかけられ、金属の板を渡された
最近ではコレが日課であり、もはや慣れてしまったものである、しかし物をもらうというのは初めてのことであった
少年「これは?」
手に握られたのは紫色の斑模様が金属板だった、見ると字が刻まれていた

少女「あたしのドッグタグだよ!ママにね最近危ないから持っておけって言われてさ・・・・いつも君さびしそうなんだもん だからさ・・・・えーーーっとこれがあればいつでも一緒だよ!うん一緒!」
改めて言うが人に物をもらうのは初めてだった、少女の頬が赤いのは まぁ走って来たりしたのだろうっと、それ以外は考えたくなかった

少年「ありがとうございます、大切にしますね。一生のお守りです」
機械的かもしれないが 精一杯の感謝を言った、少女はニッコリと笑ってくれた

少女「それ上げたんだから、何かあったときに守ってよね!」
それはきっととても難しいと思った、いくらボーダーがニュードに耐性があっても
有害であることに変わりは無く、普通の人より寿命は短いのだ


  • 3日後-
ここにはプラントがあった、しかし今は破壊されあちこちから黒煙があがっていた。
少年「なんだよ・・・これ」
目を覚ました時に見たものは虐殺だった、3機のブラストが人を撃つにはあまりに大きすぎる銃で 片っ端から殺して回っていたのだ
正直 いままで嫌っていた周囲の人間がどうなろうと知ったことではなかった、助けに行く気すらわかなかった
少年「あれ?」
ふと床を見ると金属板が落ちていた、いやな予感を感じ金属板を拾い駆け出した、いつものガレージに向かって。

ガレージも流れ弾などであちこちに穴が開き外から生臭い風を運んで来ていた、そしていつも自分が立っていた場所に横たわる血まみれの少女がいた
少年「おい!」
思わず叫んでいた、叫んで駆け寄り少女を抱きかかえた、血はとめどなく溢れ血を啜った自分の服が重くなるのを肌で感じることができるほどだった、遅かったのだ、けして早ければ助かったなどという確信はない それでも二、三こと 話はできたかも知れなかった

少年「・・・ごめんね」
何に対して謝っているのかわからなかった、何に対して謝ればいいのかもわからなかった
ただただ謝った、それ以外に何ができるのだろうか、今の自分にできることはその体温が冷え切るまで少女を抱きかかえていることだけだった。


「おい!」
A「なぁ 声がしなかったか?」
B「さっきの女の子がまだ生きてるとか?」
C「いや 声が違ったな、行ってみるか」

3体のブラストが互いの射線に入らないよう注意しながらガレージを包囲した
C「合図で蜂の巣にしてやれ、いくぞ」
「3」「2」・・・・

メキィ! 突如ガレージの壁が弾け 中からブラストが飛び出してきた
少年「あああああああああああああああ!!」
そのままCの頭を掴むと激しく地面にたたきつけた、同時に手を踏み砕き銃を奪いAに向かって、Aのコックピット目がけてボルトが下がりきるまで撃ちこむ。

Aはすぐに動かなくなった、同時にはじかれたようにBが突っ込んでくるその手には巨大な剣が握られていた
B「この!死に損ないがぁああ!」
振りかぶられた剣をしゃがんで回避した、勢いのつきすぎた機体はそのまま向かいの建物にめり込み身動きが取れなくなった

瞬間 ブォ! Cがいつの間にか起き上がり剣を振り上げていた、この一撃を回避し建物にめり込んだBの剣を握り一気に引き抜いた。
ブラストのコックピットに雑音と人の声が響いた
B「お前は誰だ、なぜ俺の仲間を殺した」
それに自分は答えなかった、きっとむこうは理由をわかっているはずだから

互いに剣を握りなおし
一気に踏み込み力いっぱい剣を振るった


トントン
ベランダで夜風に当たっていると扉がノックされた
ベテラン「誰だ?」
少年「あ よかった起きてたんですね、入ってもよろしいでしょうか?」
扉越しにくぐもったこえがした 「ああ」適当な返事をすると少年が部屋に入ってきてこっちを見るなりびっくりしたような表情になった
少年「・・・あの?ベテランさん寝てなくて大丈夫ですか?」
なんだ、そんなことか
ベテラン「ああ、コイツのおかげでな、大したことにはなってない」
少年に見せるように首から下げた斑模様のドッグタグを見せた、溝は削れ字は読めなくなっており、さらに大きくへこんでいた

その後少年と話していると少女が来た、少女は少年となかがいいようだ私にも「おっきい熊さんみたいだね」と接してくるが
それとはまた違ったなかのよさだった

ベテラン「そうだな、すまないがちょっと席を外してもらっていいか?」
少女「え~?なんで?」
ベテラン「男と男の話だ」
少女「・・・・もしかしてあばんちゅーるってやつ?」
少年「え”?」
ベテラン「お前が聞いて恥ずかしくないならそれでもいいが、それでもいいか?」
少女「あたしの恥ずかしい・・・・う~わかった」

少年「えっと、それで話ってなんでしょうか?」
ベテラン「少年は少女のこと好きか?」
少年「・・・・・なな!なにを言うんですか!」
ベテラン「わかりやすい反応をありがとう、それでだ率直に言うぞ
       少女をしっかり守ってやれよ」
少年「モチロンそのつもりです、仲間ですしね・・・・でも少女さんに守られることの方が多いですし、
こういうのは少女さんに言ったほうがいいんじゃないですか?」
ベテラン「いや・・・・俺の昔できなかったことをお前にやってもらいたいんだ、お前は臆病じゃないし人を思いやれる、俺にはかけていたものだ」
「だから昔の俺のようになって欲しくない、今の俺は惨めだ 守ってやる約束すら果たせず挙句の果てに守られてしまった、お前たちを見ているといつかそうなってしまうんじゃないかと不安でな」
「・・・・すまない、年寄り臭くなってしまった」
少年「いえ、なにがあったのか、それはベテランさんしか知らないと思います、けど、ぼくはぼくにできるだけの事をします、
それに 言われずともしっかり守りますよ!任せてください!」


眠い 昨日の夜考えた内容だけど一睡したらほぼ忘れた涙目だぜちくしょー!

設定としては
少女:採掘現場によく遊びにくる子供、採掘現場主の娘
少年:昔のベテラン

少女:孤児でベテランの所属する部隊にいる 少年とはバディ
少年:俺の愛玩具
ベテラン:みんなの頼れるたいちょーさん

ってことで、ベテランが昔もらったドッグタグに助けられるストーリーが書きたかったんだ



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最終更新:2009年12月16日 01:19
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