ある部隊のクリスマス

ベテラン「よし、これよりクリスマスプレゼント交換会を行う! 各自、戦闘準備はいいか!」
少年「おー!」
クール「ベテラン気合い入ってるな」
熱血「いい歳したおっさんがクリスマスでハシャぐなよ。白髭まで付けてサンタの格好しちゃってるし」
ベテラン「作戦内容は簡単だ。事前に各自一つずつ用意してもらったプレゼントをクジ引きで振り分けるだけだ」
少女「外からは中身がわからないようになってるから、何が来るかは開けてからのお楽しみだね!」
ベテラン「貰った物は極力自分で使用すること! 忘れるなよ!」
熱血「ッしゃー! トップは俺が取る! まずは俺からクジを引くぜ!」
クール「お前もノリノリじゃないか」

~数分後~
少年「こ、これやけに重いなあ。何が入ってるんだろう?」
クール「俺のはそんなレベルじゃない。台車に乗せないと動かないぞ」
ベテラン「全員行き渡ったな!? では一斉開封開始!」
熱血「ッしゃー! 開けるぜぇ~!」
クール「こら、雑にラッピングを破るな。ガキかお前は」

インテリ「さて、わたしのは何かな? これは……マフラー?」
真面目「クリスマスプレゼントの定番アイテムね」
インテリ「しかも手編みみたい」
少女「わ~、凄いね!」
インテリ「……うん、あったか~い!」
少女「愛情の籠もったプレゼントって気がするね!」
真面目「しかし手編みのマフラーねえ。ウチの部隊にそんな趣味の人居たかしら?」

クール「俺のは……。ワインか。銘柄は……『オーガキラー』? 聞いたこと無いな」
インテリ「あ、それワインじゃないですよ」
クール「?」
インテリ「ニホン酒って奴ですね。最近では珍しいお米で作ったお酒です。辛口で美味しいんですよね」
クール「ほぉ、ニホン酒というのか。なかなか飲み応えがありそうだ」
インテリ「でも随分量が多いですね」
クール「確かに一人で飲むには多すぎるな。そうだ、今度無事に作戦から帰ったら皆でこの酒を」
少女「それ以上言っちゃダメ~っ!」
クール「な、なんだいきなり」
少女「ダメなの!」
クール「はあ?」

真面目「ちょ、ちょっとこれ!」
少女「え!? なになに? 何が入ってたの?」
真面目「有名ブランドの化粧品じゃない! こんな高価なモノ貰っちゃっていいのかな!?」
お嬢「オーホッホッ! この御時世だと品薄でコネが無いとなかなか手に入らない品ですが、わたくしにとっては特別に取り寄せることなど造作もないことですわ!」
クール「ご高説痛み入るが、一応どれが自分の贈ったものかバラすのはルール違反だぞ」
お嬢「あ……。ごほんっ! そのセンス抜群の高価な化粧品を贈った方、誰かは存じませんが、
   さぞや見目麗しく素晴らしいお方なのでしょうね。一度拝顔したく思いますわ! 誰とは決して存じませんけど!」
クール「そうきたか」

ナルシー「少年君は何でしたか?」
少年「え~と……。これです」
ナルシー「ふむ、鉄アレイですか」
少年「あと体脂肪計と腹筋強化マシンと筋力強化バンドと……トレーニングビデオ」
ナルシー「これはこれは。さしずめ『肉体改造セット』、と言ったところでしょうか。これならわざわざ基地内のトレーニングルームまで行かなくても自室でトレーニングできますね」
少年「これで体を鍛えろってことですよね……。どうせ僕の体は貧弱ですよ……」
ナルシー「いや、あなたに渡ることを想定して用意したわけではないでしょう。……おや? まだ何か入ってますね」
少年「ホントだ。何だろう?」
少女「あ~ッ! 少年がブラジャー持ってる~!」
少年「ブラじゃないよ!? たぶんこれ、大胸筋サポーターだよ!?」
少女「ブラだブラ! 男の子なのにブラ!」
少年「ブラじゃないってば! そういう少女ちゃんは何貰ったのさ!?」
少女「あたしはねえ、これ!」
ナルシー「……なんですか、この緑の丸い形状の物体は」
?「コンニチハ。ハロー。グーテンダーグ」
少年「わっ! 喋った!」
少女「えへへ、ペットロボットなんだよ!」
少年「スゴ~い!」
?「ホメラレタ! ゴシュジンサマ、ワタシホメラレタ!」
少女「飼い主登録もできるし、他にも色んな機能もあるんだよ! ほら、お座り!」
?「リョウカイ。ッテ、ワタシマルイカラ、オスワリデキナイヨ! ワタシヤクタタズ! ハイキサレル!」
少女「生きろ!」
?「イキル!」
ナルシー「……随分奇抜な性格付けになってますね」
少女「コレ、セツメイショ。イッショニハイッテタ」
少年「口調うつってるよ……。え~と。へ~、これ手作りなんだ」
ナルシー「どれどれ。……個人識別機能、体調管理機能、マッピング機能はいいとして。
      高性能化学センサーに光学センサー、電子ロック解除機能にモノマネ機能? 他にも怪しい機能満載ですね」
少年「最近部屋に籠もってると思ったら、こんなの作ってたんだ」
ナルシー「彼女らしいプレゼントではありますね」

少女「ナルシー、ナニモラッタ?」
少年「それやめてよ。怖いよ」
ナルシー「わたしはこれです。旧時代のあの名作『ゴルゴ13』の単行本全巻ですよ!」
少年「……マニアックですね」
ナルシー「ふふふ、これを贈ってくれた方はわかっていらっしゃる。今時紙媒体とは実にわたし好みですよ」
少年「それにしても、凄い量」
ナルシー「ええ、これでしばらくの間暇潰しには困りませんよ。その信念に生きた男の戦い、とくと拝見させてもらいましょう」

クール「ところでだ。あっちで負のオーラを放ちながら沈んでる奴がいるんだが」
ナルシー「おや、そう言えば先ほどから随分静かだと思っていましたが」
少年「熱血さん、何貰ったんですか?」
クール「これだな。『映像とテキストで見るブラスト戦術運用理論・中隊規模編』」
ナルシー「所謂戦術指南ソフトですか。しっかり初級編から上級編までありますね」
少女「初級編なら見習いの時に訓練所で見たことあるよ~。教材だったの」
熱血「うがーッ! こんなの資料室行きゃ何時でも見れるだろうが!」
インテリ「何時でも見れるけど、何時までも見ない気もしますよね……。熱血さんの場合」
クール「丁度良い機会だと思って諦めるんだな」
熱血「うぅ……ボーダーになってもまだ勉強かよぉ」

お嬢「なんだかあちらは騒がしいですわね。熱血さんは何を貰ったのかしら?」
真面目「あ~、たぶんあれね。それよりあなたは?」
お嬢「今から開けるところですわ。って……なんですのこれは?」
真面目「褌ね。女性用の。結構たくさん入ってるわね」
お嬢「こ、こ、こんなもの履けませんわ! このわたくしが褌だなんて!」
真面目「い、いやいや。最近流行りなのよ? 女性用褌」
お嬢「流行りなんて関係ありませんわ! さすがにこれは使用できませんわ。どなたか交換を……」
真面目「意外と過ごしやすいのよ? それに健康と美容にも良いんですって」
お嬢「……え?」
真面目「それにほら、よく見てみなさいよ。たぶん選んだ人のセンスが良いのね」
お嬢「まあ確かに柄は良……悪くはありませんが」
真面目「あなたのプロポーションなら何履いても似合うと思うし、試しに履いてみたら?」
お嬢「そ、そうですわね。せっかく贈って下さった方にも悪いですし、試しに」

熱血「お~い、ベテランのおっさんは何もらっ……うわぁ……」
クール「なんだ、どうし……うわぁ……」
お嬢「なんですの? クールさんまで一緒になって騒い……あらあら……」
ベテラン「こらそこ、盛大に引くんじゃない」
熱血「だって……なあ! ぷぷっ。サンタの格好したおっさんがデカい熊のぬいぐるみ抱えてるんだぜ」
クール「ああ。これからプレゼントするならともかく、自分用ってことになるからな、あのぬいぐるみ。ククッ」
真面目「ちょっと。あ、あなた達失礼でしょ。プレゼントした人にも」
熱血「おめぇだって顔緩んでんじゃねえか!」
真面目「だ、だってねえ。戦場じゃ砲撃の鬼と恐れられるベテランさんがぬ、ぬいぐる……プフッー! も、もうダメ耐えらんない! アハハ!」
少女「え~? あたしは良いと思うけどなあ。ベテランさんって可愛い系似合うよ~」
ベテラン「それは褒められてるのか?」
少女「うん」
ベテラン「そうか」
少女「……あの」
ベテラン「?」
少女「嫌……かな? そのぬいぐるみ、いらない……?」
ベテラン「いや、有り難く貰っておくよ」
少女「よかったぁ! 大事にしてね!」
ベテラン「ああ、部屋に飾らせてもらうよ」
熱血「お前ら、絶対想像するなよ! 絶対だぞ! おっさんが部屋にぬいぐるみ飾ってるとこ……ぶはは!」
少女「ちょっとぉ~! 笑い過ぎでしょ!」

クール「しかしぬいぐるみはともかく、化粧品や女性用褌を交換会に持ち込むなよ。
     ウチの部隊は男の方が多いんだぞ。運良く女性に行ったからいいような……ん?」
熱血「どうした?」
クール「いや、どう考えても部隊の女性の数より女性が贈ったと思われる品の数の方が多いんだが」
熱血「なんだそれ? え~と、お前があれで」
クール「お前はおそらくアレだろ?」
熱血「んで、この教材を贈りやがったのはたぶんあいつだし、アレは……あ、あれ? じゃあ、あれは?」
クール「な? おかしいだろ?」
熱血「……」
クール「……」   ━完━

【おまけ】

50 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/19(土) 10:46:26 ID:4pVSSoxq0
 >>44-48

『マフラー』:
『オーガキラー』:ベテラン
『高級コスメ』:お嬢
『肉体改造セット』:熱血
『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):イントゥェリ
『ゴノレゴ13』:クール
『戦術指南ソフト』:少年
『女性用どしふん』:まじめ
『デカい熊のぬいぐるみ』:少女

送り主をリストアップしてみた。
ベテラン、熱血、少年は合ってるか自信ないなぁ・・・。
そして・・・ここから導き出される答えは・・・っ!

52 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/19(土) 11:25:44 ID:2hoWwOMO0
ゴールデンX吹いた

『マフラー』:ベテラン
『鬼殺し』:ナルシー
『高級コスメ』:お嬢
『肉体改造セット』: クール
『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
『ゴノレゴ13』:熱血
『戦術指南ソフト』:少年
『女性用どしふん』:まじめ
『デカい熊のぬいぐるみ』:少女

こうじゃないだろうか



53 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/19(土) 11:47:06 ID:ZDKImRMk0
俺はこうなった

『マフラー』:ナルシー
『鬼殺し』:熱血
『高級コスメ』:お嬢
『肉体改造セット』: ベテラン
『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
『ゴノレゴ13』:クール
『戦術指南ソフト』:まじめ
『女性用どしふん』:
『デカい熊のぬいぐるみ』:少女


あれ?


54 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/19(土) 12:37:18 ID:rvEs2EDRO
 >>44-48
GJそして乙。

『マフラー』:少年
『オーガキラー』:熱血
『高級コスメ』:お嬢
『肉体改造セット』:ベテラン
『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
『ゴノレゴ13』:クール
『戦術指南ソフト』:まじめ
『女性用どしふん』:ナルシー
『デカい熊のぬいぐるみ』:少女

こんなんか?
最初マフラーはナルシーかと思ったが

56 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/19(土) 15:38:36 ID:zWfYQBJiO
 >>44氏GJ!
送り手予想自分としては



・『マフラー』:ナルシー
・『鬼殺し』:ベテラン
・『高級コスメ』:お嬢
・『肉体改造セット』:熱血
・『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
・『ゴノレゴ13』:クール
・『戦術指南ソフト』:まじめ
・『女性用褌』:少年
・『デカい熊のぬいぐるみ』:少女



かなあ…もしかするとナルシーと少年逆かもしれんが。

64 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/20(日) 02:05:59 ID:VINxn5z70
 >>44乙
自分的には
・『マフラー』:まじめ
・『鬼殺し』:ベテラン
・『高級コスメ』:お嬢
・『肉体改造セット』:熱血
・『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
・『ゴノレゴ13』:クール
・『戦術指南ソフト』:少年
・『女性用褌』:ナルシー
・『デカい熊のぬいぐるみ』:少女
かな、手編みをコツコツと作るのはまじめだと思う。ナルシーはセンスな人で

(略)

65 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/12/20(日) 11:05:25 ID:tDj+bTL2O
 >>44 GJ!

俺的予想

『マフラー』:少年
『鬼殺し』:ベテラン
『高級コスメ』:お嬢
『肉体改造セット』:クール
『ハ○』(緑の丸いあんちくしょう):インテリ
『ゴノレゴ13』:熱血
『戦術指南ソフト』:まじめ
『女性用褌』:ナルシー
『デカい熊のぬいぐるみ』:少女


かな。熱血がゴルゴってのが正直迷ったが、漫画をクリスマスに贈るという行為が1番似合うのは熱血なんだよな~俺的に。


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最終更新:2009年12月20日 22:25
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