カタカタカタ、カタカタ、カタ
イン「終わった~! あ~~~~~、つ~か~れ~た~!」
クー「ご苦労だったなインテリ、コーヒーを淹れてきた」
イン「あ、どもです~は~、しみる~」
クー「これで今年の戦闘記録は整理できたな」
イン「ですね、まったく熱血くんの記録にかなり費やしちゃいましたよ、
報告が主観的で他の人の2倍、3倍掛かっちゃって」
クー「まったく、あいつに、年末に出かけている余裕はない筈なのだがな」
イン「ま~、そこはまじめちゃんに免じて許してくださいよ」
クー「あぁ、そういえばそうだったな、しかしあの二人が二人だけで
外出するとは、そんなに関係が進んでいたのか?」
イン「とんでもない、あのニブチンと奥手がデートまで進むなんて自力じゃ不可能です!
これはナルシーさんと私の努力の結晶です!」
クー「フッ、…つまり君とナルシーが介入したと」
イン「その通りです、資金提供はお嬢ちゃんですね、あ、少年くんと少女ちゃんも手伝ってくれましたよ」
クー「壮大なことだ、この隊はどうにも戦闘以外で個々の集中力を発揮してくれる」
イン「む、それって貶してます?」
クー「勘違いしないでくれ、褒めてるんだ。 傭兵をやってきてそれなりだが、
ここの隊の実力は見事だと思っている、戦闘に明け暮れる者達よりも遥かにな、
日常での信頼関係の構築がその大きな一因となってるのは確かだ」
イン「へ~~」
クー「…なんだ、人の顔をまじまじと」
イン「いや、クールさんって人間関係とかあまり持とうとしない人だと思ってたので、
そんな意見が出るのが意外だな~と」
クー「否定はしないな、だがだからこそ人との繋がりというものが人間にとってどれほど大切かは理解している、
この世の中、一人では出来ないことが多いからな」
イン「なるほど~、外側から見れるからこその意見ってやつですね~、人との繋がりか~、
………ふふ~、じゃあク・ー・ル・さん♪ 私と大人な繋がり結びませんか♪」
クー「ブッ!?」
イン「わっ、コーヒーが!?」
クー「す、すまん!」(ゴシゴシ)
イン「あ、あはは、珍しいところ見ちゃったな、クールさんも焦る時あるんですね」
クー「俺もそこまで成ってはいないさ、まったく…冗談も程々にしてくれ」
イン「む、冗談とは酷いですね、結構勇気出したのに」
クー「悪意ある笑顔が満面に広がっていたように見えたが」
イン「えへへ、でも正直クールさんとなら…って感じですよ♪」
クー(頭を抱え唸る)「…君は年頃の女性なのだからもう少し慎ましくしてほしいな」
イン「え~、クールさん女性に夢見すぎですよ、そんなだと私ぐらいの彼氏なしのトーク聞いたら失神しちゃいますよ~」
クー「ふう、やれやれだな」
イン「ふふふ、まぁ、といっても実際この後暇なんですよね、用事も特にないし」
クー「そうなのか?」
イン「そう・なの・です! 隊は全滅ですよ、熱血くんとまじめちゃんは~だし、
少年くん、少女ちゃんも施設に戻ってるし、隊長は家族と一緒、
お嬢は晩餐会で、ナルシーも外せない用事があるっていうし」
クー「詳しいな」
イン「クールさんが知らな過ぎです、他に遊べる人も近くにはいないし、ど~しよ~っかな~?」
クー「これみよがしに俺に視線を向けるな」
イン「ところでクールさん? この後ご予定は?」
クー「特にはない…が、自分の部屋の整理…」
イン「却下します」
クー「何故君に拒否権がある」
イン「黙秘します」
クー「一人で年を越すというのも悪くないものだぞ、新年を新たに迎える心構えをだな…」
イン「その意見は了承できません」
クー「…あのな」
イン「ああ! なんて可愛そうな私! きっと街の寂れたバーで隣の恋人達に心の中で
延々と愚痴を吐きながら年を越すのだわ! 想像しただけで胸が苦しい、
あーもー恋人なんて言葉消えちゃえ~~~!」
クー「喚くな踊るな演じるな、…わかった、降参だ、年末の事務処理を手伝わせた訳だしな、今夜は奢ろう」
イン「キャークールサーン!」
クー「俺の知ってる店でいいか?」
イン「はいはい~、どんなところでもお供いたしますよ~♪」
クー「まったく…」(だが、たまには悪くないか、人と繋がるのも)
そして年明け
ナルシー「着きましたね、ここが…
『世界で最も早く初日の出を見れる場所!』
床に就こうとしたら思い浮かんだ。
この後クールに予想以上の店に連れてこられて借りてきた猫状態になった
インテリとか、クールの事を仄かに思い始めたインテリとか想像すればいいと思いました まる
ナルシーが蛇足になってないように。 それじゃあ、寝るぞーっ!
最終更新:2010年01月06日 00:33