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「参ったな~、どうしてこんなことになっちゃったんだろ」
吹雪が吹き荒ぶ山の中、まじめは強襲型ブラストに載ってマーシャルソードを構えながら遅すぎる反省をしていた。
まじめ「どうしちゃってたんだろ私、らしくなかったよね……」
確かにその日のまじめは少々おかしかった。
無理も無い、ようやく憧れの最前線の部隊に配属されたのだから。
ましてや(本人はその気持ちに気付いてないみたいだが)密かに憧れてるベテラン隊長に
「おぉ、お前もここに来たのか!期待しているぞ!!」
なんて言われたものだから気負いを通り越して浮き足立ってしまったのだった。
そこに偶然にも手負いらしきシュライク社製の敵ブラストが近付いてきたのを発見してしまったものだから
とにかく手柄を上げたい(というよりも褒めてもらいたい)一心でベテランの制止も聞かずに追いかけてしまった。
しかし、とどめを差そうとするとギリギリで逃げられてしまうということが複数回続いてしまい
一旦気付かれてしまうと彼女のクーガー社製ブラストではなかなか追い付くことが出来ずに逃げられてしまい
深追いしてるうちに気が付けばサブマシンガンすら弾切れで部隊からもはぐれてしまってしまったのだった。
猛吹雪で視界は遮られてしまい帰り道も分からないのだが、仮に分かったとしても帰れるはずもない。
そう、せめてあのブラストを討ち取るまでは帰れない。
多少の懲罰は仕方ないし当然だが、このままではあの人に合わせる顔が無いし何よりあの人が上から怒られるかも知れない。
幸い今乗っているのは強襲型、マーシャルソードさえあれば討ち取るには問題ない。
「視界が遮られてるのは向こうも同じ、こちらが先に敵を見つけて背後を取れば!」
そう思い直して慎重に動きながら周りを捜し始めた。
????(ククク、本当に素直でまっすぐな方ですね……)
しかし、敵には全てが筒抜けだった。
ナルシー(そういう方は好きですよ、こちらの計算通りに動いてくれますからね)
そう、すべてナルシーの計算どおりだった。
最初に手負いのように見えたのも偶然通りかかってしまったように見えたのも全部ナルシーの演技だった。
そして何とか逃げてるように見せかけて深追いさせた後に仲間と離れてしまった所を仕留めるのが彼の常套手段だった。
もちろんその場でまともに戦闘しても勝つ自信はあるし、実際に勝てるほどの腕を持っている。
が、彼はそうしなかった。
「増援を呼ばれて囲まれると勝てるものも勝てなくなりますしね」とナルシーは言う。
が、しかし本当の理由はそうではない。
単に彼がそういうふうに闘ってなぶり殺しにするのが好きなのだ。
ナルシー(さて、名残惜しいですがそろそろお別れですね)
いつの間にかナルシーはまじめのブラストのすぐ後ろにまで近付いていたが、まじめはまだ気付いていない
ナルシー(苦しまないように一瞬であの世へ送ってあげますよ!)
そして静かにティアダウナーを振り下ろそうとしていたとき、まじめのブラストの無線から聞き慣れた声が響いた!
????「しゃがめ!!!」
まじめ「え!?あ、は、はい!!」
訳も分からず反射的にしゃがんだ瞬間、まじめのブラストの頭上をティアダウナーが空を斬った!
まじめ「え、あ、隊長ですか?」
ベテラン「いいからそのまま動くな!!」
まじめ「は、はい!」
ナルシー「気付かれてしまいましたか!でももう遅い!!」
素早くしゃがんだまま動かないまじめブラストに斬りかかろうとしたナルシー!
が、何かの気配に気付き思わずバックダッシュ!
するとまじめの頭上を通ってサワードコングがナルシーに向かって飛んできたが難なくかわされてしまう。
ナルシー「危ない危ない、しかし重火力では間に合いませんよ!これでおさらばで……」
刹那、ナルシーはさっき以上の嫌な予感を動物的に感じ取った
ナルシー「ちぃっ、なるほどそういうことですかっ!?」
そう言うと、ブーストを噴かしてジャンプでその場を立ち去ってしまう。
まじめ「……あ、あれ?」
何が起こったのか未だに把握できてないまじめ。

……ゴゴゴゴゴ

すると遠くから何か音が聞こえてきた。
周りを見渡しながら音の正体を考えていると、ようやくベテランのブラストが近付いてきた。
ベテラン「伏せろ!!!!」
という怒号と共にまじめのブラストがベテランのブラストに押さえ込まれる。
その瞬間、彼女は音の正体にようやく気付く。
先程ベテランが撃ったサワードコングの爆発で雪崩が発生したのだった。
まじめ「きゃあぁぁぁぁっっっ!!??」
たちまち2人のブラストは雪崩に巻き込まれてしまったのだった。
ナルシー「ふむ、逃してしまいましたか……」
しかしナルシーのブラストは空中に飛んでいて難を逃れていた。
ナルシー「まぁいいでしょう。十分楽しめましたし、この状態だとお2人とも助かってないでしょうしね。ククク……」
そう微笑むとナルシーは違法改造されたアサルトチャージャーを噴かして山を下っていったのだった。


まじめ「……う、う~ん」
それから程なくして、まじめはようやく目が覚めた。
まじめ「あ、あれ?私いったい……ってそうだ!隊長だ!!」
急いでブラストを起動させようとしたが、何をどう操作しようとしても動く気配すら見えなかった。
電気系統も全く作動せず、モニターも映らず無線も黙ったままで周りの状況が全く分からない。
仕方なく何とか手動で緊急脱出した時、彼女の目の前には驚きの光景が広がっていた。
まじめ「きゃあああっ、隊長!!」
まじめが乗っていたブラストは雪崩に巻き込まれてあと少しで大破してしまうところだった。
いや、本当ならば大破してしまっていたところだったがベテランのブラストが上から庇ってくれたお陰で大破だけは免れていた。
しかしベテランのブラストも静止したままで起動音も無い状態のままだった。
まじめ「隊長!隊長っっ!!」
外から懸命に叫ぶも反応が無い。
慌てて操縦席の近くまで登ると、外部から緊急用ハッチを開けようと雪を掻き分ける。
普段なら1人ではとても開けられないような重量だが、雪で凍て付くような冷たさのノブを自分でも信じられないような力で引っ張り上げる!
まじめ「開いて……お願い!!」
渾身の力を振り絞り、何とかハッチを開けることに成功する。
まじめ「隊長!大丈夫ですか!?」
そう叫びながらまじめが覗き込むとベテランは確かにそこにいた。
……確かにいたのだが、目を閉じたまま動かない。
まじめ「……嘘?う、嘘ですよね?ベテランさん!ベテランさん!!」
狭いコックピットだが何とか入り込んでベテランに近付く。
まじめ「ベテランさん!!」
しかし相変わらず返事が無い。
まじめ「ベテラ……ンさん?」
この時になってベテランが息をしていることにまじめは初めて気付く。
よく見るとベテランには古傷以外に外傷は見られない。
まじめ「あ、気絶しているだけか……」
取り敢えずベテランが無事だということが分かって全身の力が抜ける。
と同時に自分の置かれている状況が段々分かってきた。
まじめ「……さ、寒い!」
とにかく体温を維持しなければ雪崩から助かっても助けが来る前に凍死してしまうことは確実だった。
しかしまじめが載っていたブラストは大破してしまっていて、脱出した際に扉も壊れてしまって閉じることが出来ない。
何よりも彼女にベテランを運ぶことは出来ないし、かと言ってベテランを置いて離れることも出来ない。
幸いなことにベテランのブラストは同じく完全に動きはしないがハッチは無事なので寒さをしのぐことは出来る。
まじめ「ここに一緒に入って吹雪が止むのを待つしかない……よね」
自分でも耳が真っ赤になってるのが分かりながらも理性でむりやり納得することにする。

まじめ「え~っと、お邪魔します……」
(もちろんベテランは聞いていないのだが)そう言うとコックピットに滑り込んでベテランの膝にチョコンと座る。
あまり体重をかけるとベテランに悪いような、でも暖をとる為には密着しなきゃいけないような
でもあんまり近付くとうなじの辺りにベテランさんの息がかかってくすぐったいようなの堂々巡り。
どうしていいものか考えに考えても訳が分からず狭いコックピットでモゾモゾし続ける。
だが現実は残酷で、どんどん吹雪は酷くなっているらしく外から聞こえる風の音が一層激しくなると共に中の温度も下がってくる。
まじめ(どうしよう、ここにいても段々寒くなってきた……何とかしなきゃ)
しかし外に出られるはずもなく、ここで何とかしのぐしかない。
????(あ~あ何やってんのよ~、もぅじれったいな~)
まじめ(え!?)
悪魔じめ(こういう時は裸で抱き合うって相場が決まってるじゃない!)
まじめ(は、は、裸!!??)
悪魔じめ(漫画とかで見たことあるでしょ、何ならそのまま既成事実も作っちゃえばいいじゃない♪)
まじめ(き、き、ききききき既成事実とか何言ってるのよ馬鹿じゃない!?)
悪魔じめ(何よ、そういう目で見てたじゃない)
まじめ(違うもん違うもん違うもん!!)
????(貴方達、何ふざけてるの!?)
悪魔じめ(ちっ、お邪魔虫が来ちゃったか)
まじ女神(早くベテランさんを暖めてあげないと2人とも助からないわよ!!)
まじめ(えっ……)
悪魔じめ(…………)
まじめ(……そ、そうよね!ベテランさん……じゃなかった隊長を守る為だもんね!!今度は私が頑張らなくっちゃ!!!)

決意はしたものの、いざ行動に移そうとすると恥ずかしさが込み上げてくる。
まじめ「えっと、じゃあ失礼しま~す……」
(もちろんこれも聞かれていないのだが)そう一声かけるとベテランの上着を脱がせ始める。
まじめ(うわ、うわわ)
無論まじめがこんな間近で男性の厚い胸板を見たのは初めてである。
悪魔じめ(どう?どう?興奮する?w)
まじめ(うるさい!)
悪魔じめ(ほらほら、見守っててあげるから最後までしちゃいなよ^ω^)
まじめ(最後までって何をよ!?)
悪魔じめ(分かってる癖に~♪)
まじめ(うるさいうるさいうるさい!!)
まじ女神(こら!!ベテランさんだけ脱がせて凍死させる気!?)
まじめ(あっ、はい!私もすぐに脱ぎます!!)

まじめ(う゛~、やっぱり恥ずかしいよ~)
もちろん全裸ではなく下着は着けている。
が、しかし彼女からすれば恥ずかしいことに変わりは無く、もう耳どころか全身が真っ赤である。
異性はもちろんのこと、仮に同性であるお嬢やインテリに見られても恥ずかしくて死んでしまいそうになるだろう。
しかし今はベテランを助けたい一心のみである。
悪魔じめ(ほらほら、ぱぁ~っと全部脱いじゃって最後までヤっちゃいなよ♪)
まじめ(うるさい!黙ってて!!)
まじ女神(ちょっと!早く密着しないと2人とも助かりませんよ!!)
まじめ(は、はい!!)
悪魔じめ(さぁ♪)
まじ女神(さぁ!)
まじめは大きく息を吸い込んで覚悟を決めた。
まじめ「行きます!」
まるでブラストに乗り込んで戦場へ発進する時かのように覚悟を決めたその時!!

カパッ
少女「隊長見~つけ……」
まじめ「……え?」
少女「た……?」

2人「きゃ~~~~っっっ!!??」
熱血「どうした、大丈夫か少女!?」
悲鳴を聞きつけて熱血が少女を押しのけて入り込もうとしてきた。
まじめ「嫌~~~~っっ、見ないで~~~~~っっっ!!!」
熱血「ぐはっっ!?」
反射的にまじめは思いっ切りグーで熱血を殴っていた。

お嬢「まじめさん!あ、あ、貴方一体この非常時に何をなさろうとしてたんですか!?」
まじめ「だから誤解なんですってば~!」
クール「……お楽しみのところだったようだな、邪魔して悪かった」
まじめ「クールさんまで……違うんですってば!」
熱血「なんだ、お楽しみだったんなら呼んでくれれば3人で……」
直後、熱血はまじめとお嬢から一撃を喰らっていた。
熱血「なぁ、なんでお嬢にまで殴られたんだ俺?」
クール「……阿呆が。ほら隊長を運ぶぞ、そっち持て」
熱血「ふぇ~い」

少年「あの~インテリさん、どうして目隠しするんですか?」
インテリ「え~っと、ちょっと少年君には目の毒なんだよね~(^_^;)」
少年「どうしてですか?僕だってまじめさんの無事を確認したいんです!」
少女「……そんなに見たいの?」
少年「え?えぇ……」
少女「少年君のえっち!!」
少年「えぇぇ!?なんで~」

翌日。
ベテランが目覚めた時、自分が部隊の医務室のベッドの上だと気付くのにそう時間はかからなかった。
横に目をやると、お嬢が自分を見つめているのが見えた。
お嬢「……大丈夫ですか?」
取り敢えず自分が無事だったことを認識すると、
ベテラン「まじめは無事か?」
と聞いてみる。
瞬間、何故かお嬢の空気が変わったような気がしたが気のせいだろう。
お嬢「……あなたのお陰で無事ですわ。」
いや、お嬢は笑っているが何かおかしい。
お嬢「そ・れ・よ・り・も」
ベテラン「ん?何だ?」
お嬢「あの日は随分とお楽しみだったようですね(ニッコリ」
ベテラン「……何の話だ?」
お嬢「まぁっ、今更しらを切るおつもりですの!?あのようなお姿で二人きりでいたのを私も見たんですのよ!!」
ベテラン「ちょっと待て訳が分からん、一旦落ち着いてだな……」
お嬢「問答無用ですわ!!」

まじめ「えぇっ!?隊長、2~3日退院が延びたんですか?」



……おかしい、確かメインテーマは
「裏ナルシー」
だったはずなのにどうしてこうなった('A`)

でも後悔もしていないし反省もしていない(ヲイ

【おまけ】
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最終更新:2010年01月13日 13:40
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