整備士達

EUST所属のその男は格納庫に置かれた機体を眺めていた。
GO郎「いいよなぁ。ボーダー達はこいつを乗り回せるんだから。羨ましいなぁ。乗りたいなぁ。」
彼はボーダーとして戦場に出ることが夢だった。
だが、度重なる試験の結果「適性がない」ということになり、泣く泣く整備員をやっている。
オペ子「GO郎さん。今日は非戦闘日です。出撃はありません。機体はオーバーホールに出すと、ボーダー達に伝えておいてください。私は重役との会議がありますので失礼します。」
そういってオペ子は消えて行った。

機体をオーバーホールに出すには、採掘島にある整備工場へ運ぶ必要がある。
メカニック「GO郎、工場までブラストを運びたいんだが、
お前、乗ってくれないか。」
GO郎「え、いいんですか。」
メカニック「ああ。今回整備に出すのは3体だけなんだ。
俺がそこのシュライク、もう一人別の整備師(発射台への誘導係)をあっちのツェーブラに乗せるから、
お前はこのクーガーに乗って直接工場へ行く。いいな。」
GO郎「り…了解しました。」


初めて乗るブラストである。カタパルトから発進するわけではないし、凄まじいスピードで駆け抜けるわけでもない。
ゆっくり歩きながら、工場を目指す。
GO郎「こんなちんたら歩いててつくんすか。アサルトチャージャー使ってバーンと着けないんですか。」
メカニック「素人がACなんか使ったら、反動に負けるぞ。それに今はリミッターをかけてある。」


さて、給水塔ではGRFのボーダー達が狙撃演習を行っていた。
ベテラン「よーし演習は終わりだ。固定ターゲットとはいえ、お前たちも大分上手くなったな。」
熱血「これだけ正確に狙えるようになったんだ。明日は動く標的を狙わせてくれよ。」
クール「五発中三発外したやつが何を言ってるんだよ。」
熱血「うるせーよ。」
ベテラン「しっ、何か気配を感じる。ナルシー、偵察機を撃て。」
ナルシー「了解。偵察します。おっと、近づいてくる機体があります。」
ベテラン「EUSTのボーダーらしいな。オーバーホールか。」
熱血「モロ見えじゃねーか。いただきだ。」
ベテラン「おい、待て。」

誘導係「ぐわぁ。」
メカニック「おい、大丈夫か。」
誘導係「心配ない。」
メカニック「GRFのボーダーらしいな。障害物に隠れるんだ。俺がサワードで威嚇する。」
サワードの榴弾が熱血の機体を吹き飛ばす。
熱血「あの野郎、やりやがった。こうなりゃ正当防衛だ。ナルシー、強襲のパーツを着装してくれ。でもってついてこい。」
ナルシー「仕方ありませんね。」
ベテラン「お前ら、やめるんだ。」
ナルシー「何を言うんですか。現に敵はこちらに攻撃を仕掛けてきました。やらなければやられてしまいます。」
ベテラン「いいか、殺すんじゃないぞ。」
GO郎はブーストを使い、何とかここを突破しようとしていた。だが、上空から三機のブラストが
降り注ぐ。
熱血「よくもやってくれたな。ここでスクラップになってもらうぞ。」
ナルシー「貴方方に個人的な恨みはありませんが、邪魔をするなら死んでもらいます。」
ベテラン「まあそういうことだ。死にたくなければ今すぐ後退しろ。」
GO郎「わ、分かった。戻るから、武器をすて…」
誘導係「きさまらぁーーー」
デュエルを構えた誘導係が突撃してきた。
熱血「ぐはぁ。」
ナルシー「熱血さん!」
GO郎「お前…」
パーンという銃声とともに誘導係の機体が崩れ落ちる。
クール「下手に動くと撃つぜ。死にたくなけりゃ勝手な真似はしないことだな。」
熱血「まあ、そういうことだ。さっさと帰るか、土に還るか。さあどうするんだ。」
GO郎「きさま、よくもぉぉぉ。」
気がつくと、三機のブラストが灰になっていた。左腕にはデュエルソード。何があったのかGO郎は全く覚えていなかった。
クール「貴様よくも俺の仲間を。許さん。」
メカニック「させるか。」
メカニックの榴弾砲は、塔にいたクールを焼き尽くしていた。
メカニック「お前たち、怪我はないか。」
GO郎「僕は無事です。でも、彼が。」
誘導係「勝手に殺すな。機体はともかく、俺は無事だよ。」
メカニック「よし、じゃあ工場までこいつを運ぶぞ。GO郎、あいつの右腕をもってやれ。」
GO郎「は、はい。」
三人の整備士は三人四脚で工場を目指し、歩くのであった。


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最終更新:2010年02月21日 22:11
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