ある休日の一幕~1 > 35の戦場

「熱血さん、何してるんですか?」
「ん、少年、こいつだよ。」
「あっ、<<ブラスト・ランナー>>のプラモデルですね?」
「少年も作ってみるか?
 キットならまだ有るからよ。」
「良いんですか?
 でも、ボクに作れるかな??」
「古都武器屋のキットは磐梯山のと違ってパーツ少ないから、そんなに難しくねぇよ。
 ニッパーとかデザインナイフとかはそこの工具箱に入ってるからよ。」
「はい、解らない所は教えて下さいね♪」

「お前等、ブリーフィングルームで何を…ほぅ、模型か。」
「お、意外な反応だな、ベテラン。
 もしかして、作り込んだ口か?」
「戦車や戦闘機ばかりだったがな。
 どれ、昔取った杵柄を見せてやろうか。」
「『毟り取った衣笠』?
 何言ってるんだ、ベテラン。」
「衣笠さんから毟り取っちゃ、髪の毛が残りませんよ?」
「熱血、貴様、明日は訓練メニュー2倍だ。」
「何で俺だけ…。」

「皆さんお揃いで、何をしていらっしゃるので?」
「よぉ、ナルシー。
 ナルシーはこういうの作らなかったか?」
「えぇ、フィギュアのスクラッチばかりで、メカは余り。
 私も混ぜて頂いて宜しいですか?」
「応よ。
 フィギュアのスクラッチに比べりゃ、簡単過ぎねぇか?」
「いえ、そんな事は在りませんよ。
 何しろ久し振りですしね。」
「…俺にも1つ寄越せ。」
「クール、お前、プラモデルとか作れるのかよ?」
「…作った事は無いが、貴様に出来て俺に出来ん道理は在るまい。」
「ほほぅ、言ったな?」

「男共が揃って何してるのかしら?」
「お兄ちゃんが、<<ブラスト・ランナー>>のプラモデル買ってきたんだって。」
「プラモデル?
 何ですの、それは??」
「玩具よ、玩具。
 全く、いつまでも子供なんだから。」
「でも、みんな、楽しそう。」
「馬鹿兄貴め、可愛い恋人を放っぽっといて、何してるんだか。」
「え、えっと…あの、まだそんな(真っ赤)。」
「『まだ』、何かなぁ?」
「あぅ、あ、…そ、そうだ。
 わたし、みんなにコーヒー淹れてくるね(ぱたぱたぱた)。」

「…自作デカールで小隊エムブレムとナンバー入れてっと。
 最後にトップコート吹いて、よし、完成。」
「熱血、もう出来たのか。」
「見せて下さい、熱血さん。」
「素組み、墨入れ、マーカー塗装だけでも結構見栄えが良くなるだろう?」
「一手間入れるだけで、ここまで完成度が上がる物なんですねぇ。」
「…成る程、こう仕上げるのか。」
「あの、コーヒー淹れました。
 …はい、お兄ちゃん。」
「お、ありがとよ。
 少女、これやるよ。」
「熱血さん、これは女の子へのプレゼントには相応しくありません事?」
「まぁ、こんなの貰ってもねぇ。」
「『こんなの』とは失礼だな。」
「あ、これ、わたしの機体…。」
「ホントだ、ブロッサム9のマークが入ってる。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」

「ねぇ、兄貴。
 何で少女ちゃんの機体にしたの?」
「今、フル玖珂Ⅰ・ロールアウトカラーって少女のだけだろ?」
「…それだけ?」
「他に何かあるのか?
 これで改修すべきポイントも判ったしな。
 次は自分の機体を再現するかな。」
「(ダメだこの鈍感、早く何とかしないと。)」


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最終更新:2010年04月25日 22:45
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