「私が傭兵をやる理由」
私は傭兵だ。そしてお嬢さまだ。
「何故お嬢様が傭兵おやっているんだ?」と思ったあなたは、実に良い感をしている。
しかし、待って欲しい。
「お嬢様が傭兵をやっている」のではなく「傭兵がお嬢様をやっている」とは考えられないだろうか。
つまり、私は生粋のお嬢様ではないのだ。
そもそもお金持ちのお嬢様がワザワザこんな危険な仕事をやるわけがない。
え?ノブリスオブリージュ?お家のため?
あり得ない。少し考えて欲しい。あなたは、あなたのかわいい娘を戦場へやるだろうか?絶対にやらないだろう。
では、何故私が傭兵で「お嬢様」なのかというと、傭兵業で稼いだお金で「お嬢様」をやっているからである。
私の家は、貧乏だった。それも、極度の。父は母に逃げられてから、飲んだくれで、ろくに働きもしなかった。
おかげで私は、着たきりスズメだった。
だから、ある時街のTVで見かけたお嬢様にものすごく憧れた。
世の中にはこんな素敵な世界があるのかと。
それ以降私はそんなきらびやかな世界に入りたい気持ちでいっぱいになった。
そこで目につけたのがブラストランナーだった。
私のようなお金もなく学のない小娘でも、腕さえあれば大金を稼ぐことができる。また、活躍すれば政財界にもコネができる。
なんと、良いことずくめだろう。
こうして私は傭兵となったのである。
今ではお金は山ほど稼いだし、素晴らしい御曹司達とも知り合いになれた。
これだから傭兵はやめられない。
伝記「S1の拝金娘」より抜粋
最終更新:2010年03月25日 01:44