集積体へ

今日はお礼を言いに来たんだ。きっかけは、そう、何気ない一日だったからかもしれない。         
確かにその日は、そしてその前の日までは負けが込んでいたんだ。久しぶりに友人を誘い仕事の時間、
そして友人のバイトの時間を考慮して早朝のゲームセンターへとバイクを走らせていた。
少し眠かったけど陽も出てたし肌を伝わる暖かなぬくもりも心地良くてなんとか起きていられた。
バイクを駐輪場に停めてちょっとだけ離れたゲームセンターまで歩く。その時に少しだけ強い風が吹いた。
今思えばその風は今日という一日を教えてくれたのかも。
両替機で千円札を百円玉に替え、筐体の前に座り財布、カードを出す。そしてイヤホンを忘れた事に
気付いて少しの憂鬱を感じた。先に百円玉を入れたのは友人でゲームモードを選ぶ画面を見ながら
僕のことを待っていた。
一回戦目は予想通りというか、やはりというか、負けてしまった。敵麻の波状コア凸を捌いていたから
ポイントは100を超えた。自チーム内で3位だったからポイント支援って思われても仕方ないかな。
その戦闘の中でも当たり前のように41型手榴弾にやられた。悔しくなかったと言えば嘘になる。
もう慣れたつもりだけどやっぱり慣れないのかな?それで少しモヤモヤしていたけれども、
素材の報酬画面を見ていたらその考えは吹き飛んでしまった。
最初は音を疑った。その次は画面を疑った。だけどそれが本当の事だと分かると僕の心は一瞬で
明るい色に染まった。
下段の左から2番目、そこで君は毅然とした態度で僕と出会った。
「あっ」と思わず口に出てたかも知れない。友人がどうした?と聞いてきて隣に座ってた見知らぬ人も
こっちを少し見てきてからやっぱり出てたんだね。友人の声も気にならない程、僕はどうしていいか
分からなかった。ただ一つ思った事は、やっと、めぐり会えたね。その瞬間はとても短い刹那だったかもしれない  
だけどその言葉を言うのに僕は無限の時を彷徨った様に感じた。まだ君がいなかった時は君の事を憎んだりもした
自分がいつまでも前に進めないのは君のせいだと思ったりもした。そうやっていつも自分を騙し続けていた。
でも本当は違う。僕が弱かったから、僕が君を信じることが出来なかったから、だから君と僕は
めぐり会わなかったんだと思う。
僕はこれから強くなる、最後まで君を信じ続ける。だから君も僕を信じていてくれ。
ずっと言いたくて、でも、いつまでも言えなかった言葉を、今、ようやく言えるよ。

集積体、ありがとう。


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最終更新:2010年04月25日 23:20
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