マスターズガイド発売に伴った、ボーダーたちのある気だるい午後
オペ子「……というわけで、日本のある出版社から、私たちの活動を
まとめた本が出ることになったわけです。皆さん通達はご覧になりましたか?」
熱血「おう!」
クール「……どういった趣旨なんだ、これは」
オペ子「そのままです。皆さんには“普段着、または部屋着”を着て、
戦場に出てもらいます。そういうキャンペーンなんです」
ナルシー「戦う分には問題はないでしょうから、私は別に構いませんがね」
少年「ナルシーさんは、普段からそういう服を着てるんですか……?」
ナルシー「ええ、まあ。自室用の服ですからね」
熱血「そういう少年は……それ支給品のトレーナーじゃないのか?」
クール「まじめの服もそうだな。支給品のTシャツだ」
少年「え? ええ……」
まじめ「ふ、普段着とかよくわからなかったから、部屋で着てるこれにしたんだけど…」
お嬢「意外ですわね」
インテリ「まじめさん、おしゃれには気を使ってる方かと思っていましたが……」
少女「あたし相談されたことあるよ」
お嬢「あら、そうなの? ……それにしても少女、それは…メイド服じゃないの?」
少女「そうだよ。どうかな?」
お嬢「ふうむ……あなたらしくて、とっても似合っていますわ。可愛い服ね」
少女「へへー。そうでしょ? 前に買った服なんだけど、なかなか着るチャンスがなくて」
インテリ「私はこれか研究服かで悩んだんですが……」
お嬢「……なにか、どこかの某レストランで見たような印象だけど、いいのではなくて?」
インテリ「……ちょっと引っかかりを感じますが、なによりです」
熱血「見ろ! 他の三人を」
まじめ「な、なに……?」
熱血「あいつらは女らしい格好なのに、おまえ適当すぎるんじゃないのか?」
まじめ「な……」
クール「動きやすそうでいいじゃないか」
まじめ「そ、そうよ。これは機能性重視なの。あなたみたいにゴテゴテ
変な飾りが付いている人に言われたくありません!」
熱血「へ、変な飾りだとぉ!?」
まじめ「クール君みたいにシンプルで格好いい方がいいわよ」
熱血「な、な……。これはそもそもだな……」
まじめ「別に説明なんて聞きたくありませんから!」
熱血「なんだと!?」
ナルシー「熱血君にしては、なかなか悪くないセンスだと思いますが」
クール「……売り言葉に買い言葉という奴だな。熱血も気を利かせて、
褒め言葉のひとつでもかけてやればよかったんだ」
ナルシー「まじめさん、あれは傷ついたでしょうねぇ……」
クール「いつものことだ。難儀な話だが」
少年「ええ、本当に……」
ベテラン「…………」
オペ子「あら、ベテランさん。スーツ姿とは素敵ですね」
ベテラン「ん? ああ、ありがとう。しかし……」
オペ子「なにか?」
ベテラン「話がまったく先に進んでいないが、いいのか?」
オペ子「あら。そのことでしたら、折りこみ済みです。なにか飲まれますか?」
ベテラン「そ、そうか……ではコーヒーを頼む。君が淹れてくれるとは光栄だな」
オペ子「ウフフ……ただのインスタントですから、褒めても味は変わりませんよ?」
落ちはない
最終更新:2010年04月25日 23:21