出撃します。
熱血「どうした少年、いつにもまして元気ねえな。今朝の腹痛が酷くなったか?」
少年「…熱血さん…僕、いろいろと自信が無くなりました…」
熱血「なんだなんだ? 何があったんだ」
少年「実はさっき…」
* * *
少女「あっ、少年! ちょっと付き合いなさいよ!」
少年「え?」
少女「え、じゃないわよ! とぼけてないでこっちに来なさい!」
少年「そ、そんなに引っ張らないでよ…な、何するの…!?」
少女「お医者さんゴッコよ」
少年「お…!?」
少女「ゴッコなんだからそんなにキンチョーしないでよ! ほら、さっさと脱ぐ!」
少年「そ、そんな…なんで僕が脱が」
少女「つべこべ言わずに脱ぐ!」
少年「あ、や、やめて…やめてえ…!」
少女「じっとしてなさい!(ぶすっ」
少年「ぎゃ? …な、なにを…」
* * *
熱血「ちゅ、注射されたって!?」
少年「はい…いきなり僕のおしりに麻酔を…僕、男なのに何の抵抗もできなくて…」
熱血「…そ、そうか…」
少年「その麻酔を打たれた後、服を全部脱がされて…」
熱血「…(ゴクリ」
少年「盲腸を…切られちゃったんです」
熱血「…も…もぁ?」
少年「クマのぬいぐるみの中からいきなりメスを取り出したかと思ったら、
僕のおなかを開いて…その後はもう信じられない手捌きで…」
熱血「マジで?」
少年「親指くらい太いミミズみたいな盲腸を見せ付けられて動転してしまって…
僕、こんな体たらくで、兵士として…男としてやっていけるかどうか…」
少女「あ! こんなところにいた!」
少年「ひっ!?」
少女「ジュツゴはアンセイにしてなきゃダメって言ったでしょー!?」
少年「で、でも、午後はミーティングが…」
少女「そんなもの出られるわけないじゃない! 出撃だって最低二週間はお預けよ!」
熱血「な、なあ…少女が少年の盲腸の手術したってのは本当か?」
少女「そうよ? おとといナルシーと勉強したんだけど、案外簡単だったわね」
熱血「そ、そうか。そりゃすごいな…」
少女「ほらっ、あんたは自分の部屋に戻る!(ひょいっ)」
少年「ひゃあっ!?」
熱血「なっ!?(少女が少年をお姫様だっこ…一体どこにそんな力が…)」
少年「お、おろして…自分で歩ける…」
少女「あたしの言うことききなさいっ!」
少年「…は、はい」
少女「じゃ、熱血お兄ちゃん、少年はキュウカをとります、ってみんなに伝えておいてね」
熱血「お、おう…(もし、もしもだ。俺が盲腸になったとしたら、少女が手術することになるのか?
俺のような大の大人が、それも男が、少女にケツに麻酔を打たれるなんて…恥だ!
耐えられない! 耐えられないぞ! それに親父から聞いたことがある、盲腸の手術の時、
まず最初に下の毛を剃るんだ…少女に剃らせるのか!?)…駄目だ! 絶対駄目だ!」
まじめ「ちょっ…どうしたの? いきなり深刻そうな顔してたと思ったら大声出したりして」
熱血「…ああ、声に出ていたか…すまない。大人として…いや、男としての尊厳に関わる問題なんだ…」
まじめ「…は?」
インテリ「イヤァーーー! 私の少年君がキズモノにーーーー!」
まじめ「こっちもなんなのよ一体…」
最終更新:2009年12月13日 16:17