親指シフト(おやゆび――)とは、キーボード配列および入力方式のひとつである。[[NICOLA]]という呼称もあるが、未だ親指シフトという言葉の方が知名度が高い。 開発は富士通で、同社製のワープロOASYSの付属キーボードとして採用されていた。 数字や記号をシームレスに入力できる点がJISかな配列(JIS X 6002-1980)と大きく異なる。 OASYSシリーズが90年代のワープロコンテストで上位独占したことを受けて、「親指シフトは高速に入力できる」と大々的に宣伝され始めた。 しかし、パソコンが急速に普及しはじめるとワープロは駆逐され、一般ユーザーはJISキーボードでのQwertyとJISかな入力に収斂していったため、M式など他のマイナー配列と共に衰退していった。 ところが2000年代に入ると、親指シフターとして有名な勝間和代が積極的に布教しはじめ、結果カツマーと呼ばれる支持者たちが「この入力方式を覚えれば勝間氏のように成功できる」と勘違い、必死に覚え始めた女性も多かったという。 古参のユーザーからよく「親指シフトは速く入力できる」といわれているが、高速タイピングの領域では同時打鍵がネックとなり、逐次打鍵方式に劣ることが指摘されている。 そのため近年は速さよりも「楽に打てる」ことを売り文句にすることが多い。 作家・ライターなど文筆家に愛用者が多い。近年では谷川流が親指シフターとして有名。 &bold(){外部リンク} [[NICOLA 日本語入力コンソーシアム>http://nicola.sunicom.co.jp/]] // ※短縮変換の項目で記述してください // 親指シフトに限らず1打鍵系の入力方式は、短縮変換と組み合わせることで、速記に匹敵するほどの速度で入力できる。テープ起こしや字幕業界などで利用されている。 // (表:短縮変換の一例) // |変換前文字列|変換後文字列| // |あす|あります| // |あすて|ありまして| // |あすた|ありました| // ※坂元正剛『新ワープロ速記法』ビジネスオーム社(1988) より