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このページは、ビジネスプロセスモデリングの意義について記述しています。ビジネスプロセスモデリングの定義や手法については、他の様々なサイトで述べられているので、概念的な部分に絞って記述しています。

本文

ビジネスプロセスモデリングは、ブラックボックスになりがちな ビジネスのメカニズムを明らかにする(ホワイトボックスにする)ための方法の一つです。

目に見えない概念を明らかにするための基本的な手段は、文書化です。文書という目に見えない形にすることによって、目に見えない概念について具体的に検討することが可能になります。

ビジネスのメカニズムの構成要素であるプロセスも、文書化が可能です。業務マニュアルはその一例といってよいでしょう。

ビジネスプロセスモデリングは、このプロセスの文書化の一形態として、プロセスを図形や表などで抽象化して表現することです。なお、モデルというのは、一般的には対象となる物事を表現するための模型のことです。

しかし、近年のモデリング環境の充実により、二次元の限界を超えた情報についての取り扱いも可能になってきましたので、ビジネスプロセスモデリングの定義は、拡張されつつあります。

今は、「図形や表のような抽象化された表現を中心とした構造化された形式で業務を記述すること」であり、文書化の一形態から文書を包括するものとなったと言ってよいでしょう。

ビジネスプロセスモデリングの特長

ビジネスプロセスモデリングは、プロセスを単に文章として表現することに比べて、以下のような特長を持ちます。

  • 分かりやすい:図形や表を用いるため、直感的にプロセスの内容が見て分かりやすい
  • 論理的に正しい:図形を用いるため、表現における依存関係や前後関係、条件分岐の関係に、矛盾が発生しない。
  • 必要十分な情報量:記号による略記が可能なため、適切な情報量をすっきりと伝達できる。

また、これらの特徴から、業務情報システムの開発の最初の工程として、ビジネスプロセスモデリングが実施されることが一般的です。

むしろ、近年におけるビジネスプロセスモデリングの多くは、業務の情報システム化を契機として実施されていると言えるでしょう。

方法論等について

モデリングの方法論は様々にあります。IDEF、BPMNといった標準がありますし、標準に則らない形でもビジネスプロセスモデリングは業務フロー、フローチャートといった呼称で昔から実施されています。また、そのためのツールも数多く発売されています。記述の効率もずいぶん向上しているし、シミュレーションなど優れた機能を持っている製品も出てきました。モデリングのツールや手法について書かれた文献や情報はインターネット上にも数多くあるため、ここでその詳細について記述はいたしません。今後このページを拡張する際に、参考情報に対するリンクを追記していきます。

ビジネスプロセスモデリングの二つの側面

ビジネスプロセスモデリングには、方法論にかかわらず、2つの側面があることを述べておきます。一つの側面は現状のプロセス(AS-ISモデル)記述、もう一つは新しいプロセス(TO-BEモデル)の記述です。大抵のビジネスプロセスモデリングは、まったくゼロから新しいビジネスプロセス設計するのでない限り、AS-ISモデルの記述の次にTO-BEモデルを記述するというステップを経る必要があります。

AS-ISモデルの記述では、業務の調査を行い、現状の業務をビジネスプロセスモデルとして書き出します。この時点ではビジネスプロセスの設計が行われるわけではなく、現状を書き出すことが主眼となります。

TO-BEモデルの記述では、多くはAS-ISモデルを参考に、新しいビジネスプロセスを設計し、その内容を書き出します。

最終更新:2009年05月05日 04:33