byoujaku@病弱少女のHなSS まとめ内検索 / 「藤原さんと僕」で検索した結果

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  • 藤原さんと僕
    ...。 玄関先に立つ、藤原さんと僕。 三日月が空を綺麗に着飾っていた。 「あ、その、また明日。」 頬を赤く染めた藤原さんが僕にそう呟いた。 「うん、また明日。」 僕も顔を熱くして藤原さんに返事を返す。 絡み合う二人の視線、僕の唇は藤原さんの唇と重なっていた。 重ねるだけのささやかなキス、僕達にはそれで十分だった。 「藤原さん、またね。」 僕は藤原さんに手を振って分かれを告げる。 家までの道のりはちょっと遠く、空気は肌寒い。 だけど、僕の心はポカポカとどこまでも温かかった。
  • SS保管庫
    ... 1-312氏 藤原さんと僕 1-346氏 病弱少女とのふれあい ◆67UiiIAQuU氏 日記(未完) 1-430氏 病室はお静かに 病室はお静かに 2 病室はお静かに 3(完結) new! 1-466氏 窓の外の季節を眺めて 窓の外の季節を眺めて 交流・失敗編 窓の外の季節を眺めて 昔話編 窓の外の季節を眺めて 入院記録編(未完) 1-427氏 まだ、それに意味はなくて ◆wQx7ecVrHs氏 この春に、桜と君と この春に、桜と君と 2 この春に、桜と君と 3 この春に、桜と君と 4 この春に、桜と君と 5 この春に、桜と君と エピローグ(完結) 囚われの身の、お姫様1 囚われの身の、お姫様2 囚われの身の、お姫様3 囚われの身の、お姫様4 囚われの身の、お姫様5(未完) 1-654氏 たった一人の出会い ◆fy...
  • byoujaku@病弱少女のHなSS TOP
    ... 14 22) 「藤原さんと僕」の誤字を訂正 -- 名無しさん (2008-05-25 20 22 55) gennkou -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 17) 現行スレを更新 送信ミスすまん -- 名無しさん (2008-05-25 20 32 49) 保守ネタページを作成、第二病棟の保守ネタ、登場人物を保管。 -- 名無しさん (2008-05-28 20 48 49) いろいろ追加。囚われの1だけ、txtモードの罠。 -- 名無しさん (2009-01-10 21 56 02) メニュー -- 名無しさん (2009-12-03 07 27 57) カッとなって追加した反省はしない。2-572氏の作品タイトル希望。 -- 名無しさん (2010-05-05 00 55 49) テスト -- ななしん (20...
  • 中2、304号室
    都会でも田舎でもない海沿いの街 街で一番大きな総合病院の一室 窓からは海と線路が見える 温暖化の影響か季節は秋のはずなのに外はまだ蒸し暑い でも廊下は少し寒いな… 少し前まであんなに人がいたのに今は何人かがサーフィンをしているだけの風景 生まれつき心臓が悪い 運動会も体育も参加したことないし 学校で話す人は保健室の鈴木先生と同じクラスの佐藤さん位 帰ってもお父さんとお母さんはお兄ちゃんの方が好きみたい 当然のこと… お母さん… どうして私を産んだの…? 土曜日夕方 ドアがノックされる 「酒井…だよな…?」 車椅子に座る私 「………」 「入っていいか…?」 「………」「……」 「ええ……」 「おっお邪魔します…」 沈黙 「あっ…これ…」 花束が差し出される 「あっありがとう…」 「…座ったら……?」 「ああ…」 沈黙 ...
  • 林檎のウサギさん
    糸で一列に纏められた折り鶴を手に取り、じっと見つめる。 こんなもの所詮は紙――そう言いきってしまえばそれでお終い。 ただそう言い切れずに、今まで作ってくれた折り鶴を残している。我ながら愚かだと思う。 ふう、と溜め息をついて糸で繋がった折り鶴を元の場所のベッドの角にぶら下げておく。 竜治という少年はお見舞いと称し週に一回、私、千鶴の病室へ遊びに来る。 私の父親は一応トップ企業の社長、なので私はかなり設備が整った病院にいる。 そんな所に高校の帰りであろうブレザーを着た少年がお見舞いに来るのはとても奇妙な光景だ。 と言っても、竜治は五年前から来ているので看護師たちはもう慣れているようだった。 お見舞いの高級そうな果物をおいしそうに食べてはその包み紙で折り鶴を作り帰っていく。 私が十二歳に入院したので一年に五十個と単純計算しても五年で二百五十羽。 それを紙屑ととらえるかは私の自...
  • 個室の中の出来事
    限りなく澄んだ空の青。 この世界が美しければ美しいほど、それは残酷に思える。 遠くない未来、私の世界は終わる。 ずっと以前から、それは決まっている。 友達なんて、一年もしないうちに会いにこなくなった。 寂しいなんて思わないし、思いたくもない。 お父さんとは仕事の都合で、なかなか会えない。 だけど、私は愛されているんだと思う。 病院の個室というのはすごくお金がかかるものだと聞いた。 そんな大金をお父さんは私の我侭から払ってくれている。 嫌だったから、他の人に同情されるなんて。 嫌だったから、いつか出ていける人達と同じ部屋なんて。 だから、私は一人でいられる個室を選んだ。 こんな私に会いに来てくれるお母さん。 だけれど、それが最近ではうざったく思えることもある。 過剰な心配は私の心に余計な負担を強いる。 私は病人だけど、体に不自由があるわけじゃない。...
  • たった一人の出会い
    私の親友、日向 優(ひなた ゆう)は問題児だった。 とは言っても、問題児であった頃の優を私はよく知らない。 学校には来ても授業には出ないおかしな子だったからだ。 クラスメイトの影山くんの働きかけで優は段々と授業に出るようになった。 それからしばらくして、影山くんは学校から姿を消した。 優も手術のために病院に入院することになった。 その時、私達は初めて優が重病にかかっていたことを知った。 クラスのみんなでお見舞いにいった。 影山くんだけが来なかった。 彼は誰とも仲がよかったけど、特に親しい人はいなかったようだ。 その唯一の例外が、優だったのだろうか。 私にはそれが少しだけ、羨ましかった。 「日向さん、だよね?」 僕はベンチに寝そべった少女に声を掛けた。 冬が近いとはいえ、秋の陽気はまだまだ暖かい。 僕の目には彼女がそ...
  • 窓の外の季節を眺めて
    「という訳で、二十歳になった祝いに東公園と西公園の雪を全部集めて、全長4.5mの雪像を作ったまでは良かったんだがな」 「作業に熱中しすぎて雪像から落ちて運び込まれた……と」  足を骨折したというのに、友人――木村晶の様子は概ね予想通りのものだった。  桐沢孝之はそんな晶に呆れた様子で溜息を付き、電話で頼まれていた物を詰めたカバンを面倒臭そうに差し出した。 「つーか、『二十歳の記念』にアニメキャラの雪像は無いだろうよ?」  晶が入院している雨上玄海病院に来る道中、話題の”ソレ”を実際に目にした孝之は溜息混じりに言う。 「別にいいんじゃないの? 一夜城ならぬ一夜雪像は既にこの街じゃちょっとした名物だから、いまさらアニメキャラの雪像の一つや二つで近所の住民が混乱する事は無いだろ」 「確かに、良い意味でも悪い意味でも有名だからな……」  自分の皮肉に対...
  • 病室はお静かに 3
    《頼むよ、ちょっと顔出してくれればいいからさ!》 「無理だってば。今日は予定アリだから。」 歩きながら、携帯越しの押し問答。無駄だってのに粘るなあ。 《つれないこと言うなよ~、一人急に来れないとか言い出してさ~。》 「あ、ホント。」 さして興味もない。俺はいつものように角を曲がって信号にさしかかる。 《女の子三人に男二人じゃ耐えらんないんだよ、助けると思って!ね!》 「いや、いいじゃん。何がダメなんだよ」 信号が青になった。そもそも参加すると言った覚えもない。 《いやそのー、こっちが少ないと、なんかその、さみしいじゃん…。》 「だから、今日は予定あってほんとに無理なんだ。ほかの奴を誘ってくれよ。」 《…じゃあ、洋一の予定って何なんだ?》 「…ん、ちょっと知り合いの見舞いにね。」 相手が少し押し黙った。お、さすがにわかってくれたか。 《…その見舞いの人って、どんな...
  • この春に、桜と君と 4
     不意に、額に生暖かい感触が広がった。それは淫靡に僕の額を舐めていて、先刻流れ出た僕の血液を舐めとっているようだった。ぴちゃ、と淫猥な水音が静寂が舞い降りた病室に響き渡り、僕の鼓膜を刺激する。やがて舌が這う感触は僕から離れて、それから切なげな溜息が上の方から聞こえてきた。 「初めてね、あなたの血の味は。口の中が鉄の味でいっぱい……」  その言葉が言い終わると同時、今度は僕の唇が塞がれる。今まで一度も吟味した事のない柔らかな春香の唇の感触が惜しげもなく僕に提供されて、下心などないと言い聞かせていたはずなのにどうしようもなく興奮した。  それに呼応して徐々に下腹部に集まる血液は自分に対する嫌悪感を僕に与え、そしてそれを見透かしたかのように人を小馬鹿にしたような失笑を春香は漏らした。  重ねた唇の間から春香の舌が侵入してくる。それはざらりとした経験のない不思議な感触がしたが、次いで訪れる...
  • この春に、桜と君と エピローグ
     抜けるような青い空の下、淡い色の花弁が舞っている空間の中で、僕は一つ嘆息を零した。  随分と長い歳月が過ぎて、僕ももう大人と呼べる人間となっていた。  けれど、幾ら僕が大人として心身ともに成長を遂げたとしても、心の内には絶対に変わらぬものがあった。それは未来永劫、決して変わる事のない絶対不変の僕だけの想い。  その想いが確立したあの時の事は今も鮮明に覚えている。何故なら、あの日はずっとすれ違っていた僕達が漸くその糸を手繰り寄せる事が出来た日だからだ。  今はもう、この手にその糸は残っていないけれど、だからこそあの日が尊ぶべきものになっている。過去に囚われている訳ではなく、あの過去があったからこそ僕は此処まで歩いて来れた。彼女には幾ら感謝してもし足りないくらいに色んなものを貰った。お礼をしたくても、もう僕の声は彼女の耳に届く事はないけれど。  想い出の、この場所に僕は毎年足...
  • この春に、桜と君と 5
    「春香、検診の時間ってもしかしてそろそろ?」 「あ、そういえば」 「ま、マズイ!」  僕が足音を聞いて、そしてそう尋ね、春香の能天気な答えを受けた後の僕の行動は素早かった。すぐに僕と春香の位置を変えて、春香を抱き締めたまま二人でベッドに並ぶ。そして掛け布団を被さり、僕はその中に身を隠した。病室の入り口側に春香が寝転がっていて、反対の窓際に僕が居る形なので、上手くいけば隠れ通せるだろう。 「春香、上手く誤魔化してくれ」 「えっ? ちょっと、彬!」 「静かにっ」  納得行かない様子で春香が声を上げ、僕がそれを諌めた直後に病室の扉が開け放たれた。ノックもしないとは、早めに隠れておいて良かったと自分の行動の速さを褒め称えた。 「春香ちゃん……って、寝てる?」  春香の担当医だろうか、若い女性の声が聞こえる。優しくて、凛とした声は何処となく春香と似てるように思えたけれど、多分この人...
  • 僕と。
    遥との出会いは、正直よく思い出せない。 思い出せないほど一緒にいたわけじゃないのだけど、何故か思い出せないのだ。 僕の知ってる遥はいつも白い服を着ていた。理由を訊いたら、同じパジャマを数着持っているらしい。成程、長い入院生活の中ならそういうこともあるだろう。 …そう。遥はずっと入院している。 …ずっと、という表現は言い過ぎかもしれない。三年間入院しているのだ。 中学校を卒業する、その年の二月に。試験が終わった二日後の朝には入院していた。 最初は風邪をこじらせた、と説明された。そうして進学間近になった時は(遥と僕は無事同じ高校の試験に受かっていた。) 肺が弱ってる、と説明された。 その後はずっとそんな感じだったと思う。その時は遥の表情が暗いまま数日が過ぎていたので、説明を鵜呑みにしていた。 …こう言うとまるで僕が「嘘をつかれている」と語弊を招くかもしれない。予め言...
  • 病室はお静かに 2
    今日も、来てくれた。 お母さんが持ってきた、子猫のジグソーパズルを覗き込むようにして、あの人が顎をつまんでる。 考え込んでいるときの、あの人のくせ。私は本を読むふりをして、そんな仕草を盗み見ては目をそらす。 ばらばらのピースはまだ山のようで、なかなか一枚の絵にならない。 いつまでも完成しなければいいのに、なんて思ってること知ったら、あの人は怒るかな。 松崎 洋一。 …よーくん。 私の『とくべつ』な人。 私を「普通」に変えた人。 小さな頃から、少し暑かったりするだけで、おなかが痛くなった。 ちょっとおにごっこをしただけなのに、目の前がぐるぐるして、気がついたら倒れてた。 …次の日には、みんなが知ってた。 『あの子は、ビョウジャク。』 …ビョウジャクだから、遊んじゃだめなんだよ。 …ビョウジャクは、ろうかを走れないんだよ。 …ビョウ...
  • 症例:看護士
     結核は治る病。なんだそーだ。鳥海サナは、そう聞かされた。コマネチのおいちゃんもそう言っていたっけ。  それまで病気の類とは無縁だった彼女。それが珍しく風邪を引き、鬼の霍乱か? と父親に笑われたので足をふんずけてやった。  ただ。風邪にしては妙に長引くと思って病院へ行って見たら。 「結核ですね」  その一言で、サナは二ヶ月間の入院を申し渡されたのだった。若い身空の二ヶ月は貴重だ…  それだけが、不満だった。  サナの地元は山の中。高原地帯にある。そのせいか、昔から高地療養所…サナトリウムがあった。  最近、また入院患者が増えてきているそうだ…  サナもまた、家の近くだからと言う理由で、そこへ押し込められてしまった。地元の人間でココに入院するのは珍しい。  普通の病気なら普通の病院へ入るからだ。この地にも、大気の汚染が押し寄せて来ているのだろうか…  与えられた病室...
  • 百合
    何か指が触れるたびに、まるで弱い電流でも流されているみたいに体がビクビクと反応していた。 怖い。 でも、大切なお友達の有紗ちゃんにそんな事言える筈もなくて、私は有紗ちゃんにされるがままになっている。 「あ、有紗ちゃん……!」 「へぇ、ここってこんな風になってるんだ」 「ひゃあっ」 有紗ちゃんの指が、私の胸の辺りを触っている。 その瞬間、なんだかこしょばいような、よくわからない、とにかくたまらなくなってしまって私は思わず鋭い声を上げてしまった。 その声を聞いてか、有紗ちゃんが眉をしかめながら私の方を見てきた。 「紗由里、ダメだよそんなに大きい声出しちゃ。みんなに見つかっちゃうよ」 「で、でも」 「でもじゃない。……紗由里はみんなに怒られたいの?」 「……お、怒られたくない」 病室を抜け出してきただけでも大目玉だっていうのに、普段滅多に誰も来ない倉庫の中にいる事がバレ...
  • 夏の最初
    夕暮れが街を包んでいく。人の疎らな校舎はとても静かで、グラウンドの向こう側でテニスの打ち合いでもしているのか、コツンコツンという音が高らかに響き渡っている。 実際にそうしている姿は見えないのだが。 そんなことはどうでもいい。 というか、何もかもがどうでもいい事なのだ。学院にいること、勉強している事、くだらない交友関係や学校生活、自分がここに生きているという、その事実すら、くだらなく、どうでもいい。 いつからこんな事を思うようになったのだろう。わからない。 辛うじてわかるのは、自分が何もかもに無関心になっている、という事だけだった。 夏とはいえ、もう夕方だ。 アブラゼミたちの鳴き声は、いつのまにかヒグラシ達へとバトンタッチをしていて、自らの寝床へと帰っていく。 今、グラウンドでテニスに興じている少女達も、そろそろ自分の家へと帰る頃合だろう。 下校を促す放送が、そろそろなり始...
  • ヤクザの幹部とボスの一人娘の話
    コンコン、と開いているドアを叩く。 薬品の匂いが、鼻を突いた。 中にいた少女は窓の外を見ていたのか、自分に背を向けながらベットに座っている。 「お嬢」 俺は少女に声をかけた。 今の今まで自分の存在に気付いていなかったのか、その小さく細い肩をビクリと震わせながらおそるおそる振り返ってくる。 まるで親を探している雛鳥のようだ。 俺の姿を補足すると、少女の顔に笑顔が広がる。 「大谷さんっ」 「準備、出来てるか。もう迎え、来てるから」 今日は、半月に一度あるかないかの一時帰宅の日。 半年前は、出なかった。 その時は大きな手術を一度し、一週間生死の堺を彷徨った。 今も本当はというと、とてもではないが家に帰れるような状態ではない。 だが、その半年前の手術が終って出た結論は“今の医学ではもうどうしようもない”という事であり、半ば医師に見捨てられた形の中、この一時帰宅が決まった...
  • 症例:男性患者
    「あっ、あっ、あっ」  老人の舌が出し挿れされるのに合わせるかのように、小柄な少女は喘ぎ声をあげる。  その華奢な身体は、豊満な女体…ダッタモノ…に蜘蛛の巣のように絡め取られている。  女体の女性器から、まるでヤドカリのように萎びた上半身を生やしている老人。  その舌が、ペニスのようなそれが膨れ上がった。 「いぐぅうううぅ!!!」  射精は無い。逆に《何か》を吸い取られてゆく。ぱんぱんに押し広げられた膣から。  無理くりこじ開けられた子宮から。淫らな樹の根のごとく。  やせ細った少女の身体は、それにオルガズムを感じるようになっていた… 『症例:男性患者』  鳥海サナは結核である。ゆえ、この高地療養所に入所していた。  だがそこは、古くからこの地に住む者なら近付きたがらない…  魔窟であった。 「おっくすりですよー、さーなーちゃあん♪」  無駄に元...
  • まだ、それに意味はなくて
    雄平は、暇で仕方がなかった。 そんなときに、母親にタイミング良く頼まれたお使いは、1ヶ月前から入院してる祖父のお見舞いだった。 祖父は、自転車の運転中若い女の子に目を取られ電信柱にぶつかり全治三ヶ月という …一見大怪我にも思える状況だが、しかしてその実態は運ばれた病院に美人の看護士さん が多い事に早々と気付いた祖父が医者を騙して入院期間を長くさせた、というものだった 。その事をお見舞いに行った兄から聞いた日には、心底呆れて行く気も失せた。 だが、こうも暇になってしまうと、お見舞いついでにその美人看護士さん達を拝みに行くのも悪くない。 しかし本当に美人ばかりであった。廊下ですれ違った看護士さんは本物の天使かと思った程だ。 これは祖父は中々いい所に入院したなと感心しつつ、祖父の部屋に着いた。 だがそこに居たのは怪我人ではなく、看護士さんのお尻を触るエロジジイ。 呆れて...
  • 日記
    一月末の空は灰色の重たい雲に覆われている。 寒風に粉雪が舞う中、高野信彦は一人坂道を歩いていた。 山の中腹まで伸びる坂道の先には、薄く雪化粧を施された木々と、その間にとけこむように立つ真っ白な壁の建物があった。 大橋記念病院。 この地域で医療の中心を担う病院の一つだった。 信彦は白い息を吐きながら坂道を上り、数分で病院の入り口に着いた。 「ふう……辛かった……」 呟いて、自動ドアに向かって歩き出す信彦に、背後から声をかける者が居た。 「あら、信彦君」 信彦が振り向くとそこには、看護婦が一人立っていた。 病院の職員は大抵の人は顔を知っているが、その中でも特に見知った人物であった。 「深山さん……どうも」 「どうも。珍しいわね、信彦君」 深山恵は、そう言って笑いかけてくる。 「何がです?」 「『辛かった』って言ってたでしょう。あの坂道」 「ああ……いや、そうじゃ...
  • 第二病棟
    病弱少女のHなSS 第二病棟 第二病棟 登場人物 『>>10の逝去』 10 保守ネタ [] Date 2008/05/26(月) 18 05 15 ID ePFR0lRC Be 今朝 1さんが隣の病室に移ってきた。 何でも、転院してきたそうだ。 俺は今日も病室の窓から空を眺める… これから楽しい日々が始まりそうな予感。  11 名無しさん@ピンキー [sage] Date 2008/05/26(月) 20 39 31 ID 5ve2nlAb Be それが 10の最後の思い出でした 12 名無しさん@ピンキー [sage] Date 2008/05/26(月) 21 42 49 ID LS1zq+TT Be そう、 10はもう長くない命だったのだ 結局 10は 1とは一回も会えず、その短...
  • 窓の外の季節を眺めて 昔話編
    「……」  部屋に残された優希は呆然としたまま、孝之が出て行った扉を眺めていた。  久しぶりの後悔が、優希の胸を満たしている。  何故こうなったのか? そんな事、分かっていた筈だ。  今現在命に関わる症状は出ていないとは言え、病状はけして軽い物ではない。正直に話せば、誰もが眉を顰める。同情する。  しかし、そんな事で優希は同情を引きたい訳ではない。気を使ってもらいたい訳ではない。ただ、気兼ねなく、初めて会った時のような自然な孝之と接したかっただけだ。  だが、嘘を吐きたくも無かった。  何時自分が昏睡状態に陥ってしまうか分からない。もし会う約束をした時に昏睡してしまったら? 見舞いに来てくれた孝之は如何思うだろうか?  何故本当の事を言わなかったのか? そう言って、優希を責めるだろうか? 優希が目覚めるまで待ってくれるだろうか?  分からない。  かつての友人たち...
  • 窓の外の季節を眺めて 交流・失敗編
    「失礼します」  ノックの後に一言加え、孝之は優希の病室に足を踏み入れた。  優希の病室はさして広くない個室なものの、大きな窓から差し込む光で明るかった。部屋の広さの割りに圧迫感は感じられず、病室という薄暗い勝手な想像を払拭するほど快適そうな印象を受ける。  しかし、長期入院している割には私物……というか、物自体が余り置かれていない事が気にかかった。  ある物といえば、ベッドと小さなテーブル、椅子、そして小さなテレビが1つ。積み上げられた文庫本や雑誌、ゲーム機などは無く、強いて言うならば先日大切そうにしていた携帯と充電器が置いてあるくらいだ。  そのベッドに優希は居た。 「え、あ、桐沢さん!?」  ベッドで半身起こす体勢で窓を眺めて居た優希は、突然の孝之の来訪に気付くと悲鳴に似た声を上げた。 「あ、え、なんで? 何で桐沢さんが?」  孝之が手...
  • 気は病から 番外編
    「ウオォォォォム!」 バルバルバル、とわけ分からんちんな効果音を背負いながら、棗はいつものように教室内で暴れていた。 手を振るうたびに飛ばされる生徒たち、足を振り上げるたびに爆発四散する机の数々。 まさにベルセルクと化した少女。その小柄な身を止められるものは、この場にいなかった。 今日も元気で何よりだなあ、と暴れる少女を見ながら、有真は弁当をぱくつく。 返り血を浴びないように弁当を食べるのは大変なので、ビニール傘でバリケードは基本だ。 鼻血を出して吹き飛ぶ男子生徒たちの数々を見やりながら、有真はカニクリームコロッケを頬張った。 と、気付けばC組の男子数人が、ぼろぼろになりながら有真のもとに詰め寄っている。 こはいかなることか、と小首をかしげる有真に、彼らは問うた。 「なあ、佐藤。お前……あの副会長と付き合っているんだよな?」 「俗な言葉は嫌いだけ...
  • 気は病から 4
    本気で怒ったことは、ほとんどなかった。 保母にも、教師にも、叔父にも、叔母にも、両親にさえも、「あなたは本当に温和だね」と言われた。 しかし、その実は温和なのではない。ただ怒る必要がなかっただけだ。 悪口を言われても、殴られても、屈辱感はほとんど湧いてこなかった。 むしろ、ちょっかいを出してくる相手を無様だとすら思った。 喧嘩をしても争っても、何かが生まれるわけではない。 少なくとも、佐藤 有真にとってはそうだった。 平和主義を貫くのは、波風を立てたくはないからだ。 憎悪の渦に巻き込まれるのが嫌だったから、という理由もある。 人が人を憎む際、有真はなんとなしに嫌悪感を覚えてしまう。 どす黒いオーラのようなものが、感じられるからだ。 争うのならば、勝手に当人同士でやっていれば良い。 いつまでも泥臭く這いずり、無様にべちゃべちゃと殴り合っていれば...
  • この春に、桜と君と 3
    「はあ……何してるんだ、僕は」  一人呟いて桜の木を見上げてみると、自分の小ささが浮き彫りになった気がした。  風に揺られて鳴る梢の擦れる音が、ひらひらと舞う花弁が、その美しさが。何の悩みも持たないかのように悠然と佇む桜の木を見ているとこんな所でうじうじと悩んでいる僕が馬鹿らしく思えてくる。それどころか、こんな所で低回している僕を桜の木が哄笑しているかのようにさえ思えた。  春香に酷い事を言った事、未だに素直になれない事、その全てが僕を苛めている。解消するのは簡単な事なのに、それが出来ないでいるのは僕が弱いからだ。結果がどうなるのか、恐れて怯えている僕の所為だ。此処まで分かっていながら未だに何もしない自分に嫌気が差す。彼女の元に居て、情けない顔をしている自分を殴りたくなる。  けれど、それはただの逃避だ。  自分を嫌悪しても何も変わらない。自分を殴っても、それは春香の感じている痛...
  • 愛しのメイ
    この病院には通い慣れていた。 俺は健康そのものだ。A型肝炎にかかった訳でもない。 俺は今、病室の前にいる。ドアの横にあるネームプレートには【如月 メイ】と書かれている。 ドアを開けると、少女がいる。 こいつが、俺の幼馴染みの如月メイ。 数年前から、体の末端から触覚が無くなっていく病気にかかって、病院での生活を送っている。 彼女は、俺が来たのに気がついたらしく、微笑んで迎えてくれた 「やっと来やがったか。糸篠廉人(れんと)君」 俺は、この名字が少し嫌いだ。 何故なら、フルネームで呼ばれると【愛しの廉人】って聞こえてしまうからだ。 でも、メイにならそう呼ばれても構わない。 メイと話をしていると、あっという間に夜になる。だけど、それでも構わない。 なぜなら、両親は出張で、二人とも明日の夜まで帰ってこないから。 「なあ、廉人。聴いてほしい願いがあるんだ」 メイの一...
  • 気は病から 3
    「副会長ォォォォッ!」 目を覚ました棗を最初に襲ったものは、血の出るような咆哮とクロスチョップだった。 前者は耳を塞ぐことで威力を減殺、受け流し。 後者は飛びかかってきた相手の眉間に右ストレートを入れることで、当方を迎撃、覚悟完了。 棗のこぶしにブチ当たり、床にもんどりうって倒れ七転八倒、悶絶絶倒する女子生徒。 それを横目で見やり、棗は自分の置かれている状況を確認した。 棗は、保健室のベッドに体を横たえていた。 現在、上半身を起こした彼女の眼前には、幾人かの生徒たちがいる。皆、知った顔だ。 生徒会の面々もおり、皆、棗の姿を心配そうに見ていた。 「……悪いけれど、状況、説明してもらえる?」 「ん」 棗の言に答えたのは、生徒会の中でも抜きん出て寡黙とされる書記。 茶色い髪を流し、機械的な表情と機械的な動作だけを見せる女子生徒である。 ある...
  • サナお姉ちゃんの性教育
     サナトリウムには学校が在った。今日はそのお話。  とぴゅとぴゅとぴゅ…  ごくん。  搾り立てのお子様ちんぽみるくを美味しそうに飲み干し、サナは妖しい笑みを浮かべた… 『サナお姉ちゃんの性教育』  此処、魑魅魍魎が闊歩する高地療養所へ来てから一年。サナは中学二年生になっていた。  いやさ、良く生き延びた物だ。昼夜を問わず身体を蝕まれながら、半病人を通り越して全病人状態でありながら。  家族との連絡は一切取れない。結核が悪化してしまい、完治するまで面会謝絶。建前は。  勿論家族が納得するはずはなかったが、この土地へ来たのが運の尽きだった…  人身御供。  都会から越してきたサナは、名誉ある生贄に選ばれたのだ。  街全体をもって、家族の意思は封殺された。  さて。 「今日は性教育の授業ですよん♪」  何故か女教師風スタイルのナスカお姉さん。その正体は皺...
  • 気は病から
    剣崎 棗は体が弱い。 これは揺るぎない事実ではあるが、彼女のクラスメイトはそれを耳に入れた際、そろって同じことを口にする。 曰く、「いや、それはさすがにねぇだろ」と。 そもそも、剣崎 棗は気の強い女性であった。 それが周りの者に知られたのは、彼女が高校に入ったばかりの頃。 自己紹介にて彼女が姓名を語った際、同クラスのとある男子生徒がはやし立てたのが起因である。 下の名前が『なつめ』であるからこそだろう。その男子生徒は棗の名前を耳に入れるなり、「漱石だー!」と大声を上げてしまったのである。 その瞬間だったろうか。わずかばかりの砂埃が舞うと同時、棗の飛び蹴りがその男子生徒のこめかみに決まっていた。 刹那の間を置き、ドップラー効果のように遅れて流れるのは、彼女の怒号と、蹴り飛ばした際による人体破砕音。 「人が気にしていることを言うんじゃねぇぇぇぇぇッ!」 ...
  • この春に、桜と君と 2
     私は、私以外に誰も居なくなった病室の中を見渡した後盛大に溜息を吐いた。  薄暗い病室に電気を灯すと、蛍光灯が白い病室を明るく染め上げる。私はその光景が大嫌いだった。私の家にある部屋は、こんなに白くない。もっと、お洒落な壁紙があって、私が好きだった縫いぐるみもあった。  けれど、この病室には私の好きなそれらが全く存在しなかった。 「……はあ」  再び、憂いを含んだような溜息が漏れ出る。そもそも、この溜息が出る理由はこの病室が気に入らないなどと言う下らない理由でない事には前々から気付いている。それに気付かないようにしているのは、私の強情な部分がそうさせているのだろう。本当は、あんなに冷たい対応を取りたい訳ではないのだから。  彼――北条彬がこの病室から肩を落として出て行ったのは、つい先刻の事だ。  彬は最初こそ私をからかって笑ったりしていたけれど、少し時間が経てば何だか様子がおか...
  • snow white mermaid
     一辺5メートルの正方形が、私――御堂香月にとっての世界だった。  物心ついたときには既に、私はここにいた。  清潔な白で飾られた病室。  壁も、天井も、ベッドのシーツも、枕も、服も、そして蛍光灯の光も、すべてが白い。  世界を白く染めるバージン・スノウ。  今はもうなくなったけど、そのあまりの純白に思わず発狂したくなったことが幾度かある。  無垢、清純、純潔、清廉……白に象徴される言葉は数あれど、私にとってのそれは墓地や玄室に用いられる色だ。  とうの昔に埋葬され、後はただ骸が朽ち果てるのを待つだけ。  社会的には既に死んだような、いや、「ような」ではなく現象としてそう変わらない、そんな現実。  そう、それが現実だった。  私のカラダには先天的な欠陥があるらしい。  内臓機能がどうとか、遺伝子がどうとか、とにかくそういう説明を受けたことがある。  ...
  • 病弱少女とのふれあい
    「――君にはこの子を担当してもらおう」  意地悪そうな白髪の医者に頼まれたのが全ての始まりだった。  その医者が言うにはその子は自分よりも年上とはこちらからの質問以外で会話をしようとしないらしい。  ただ、病状が急変することはないので新参者の君にも出来る楽な仕事だとも。もし、急変した場合――――  科学技術や医療技術の発達した今なお残っている不治の病に罹った少女を任されることになった。  綺麗な黒髪の、人形のように表情のない美人、といった第一印象だった。  それが――数日で崩れた。 「……あんた、誰? あの白髪のジジイは?」  今更気付いたといわんばかりの表情で担当して三日目に訊ねてきた。自己紹介は初日にしたのに聞いていなかったようだ。 「……一ヶ月前から貴女の担当になっている唯のしがない医者ですよ。前の担当の先生は退職しました」  ...
  • 気は病から 2
    果たして、メスがオスを、オスがメスを好きになるのは何が原因なのだろうか? もしかすると、種の保存というひとつの目的が、細胞レベルで人間の脳味噌に組み込まれているからではないのだろうか? 愛だの恋だの言うけれども、実際は、本能というものにゆり動かされて発生する感情ではないのだろうか? 自室のベッドで寝転がりながら、剣崎 棗はそう考える。 学校で授業を終えた棗は、特に用もないので寄り道もせずに家に戻っていた。 我ながら灰色の放課後タイムだと思う。 薬はとうに摂取し、うまくいけばこのまま次の日の朝まで持ちこたえられるだろう。 定期的な摂取はおっくうではあるが、仕方がない。 本当に、面倒な体だと思う。 学校では暴れたりしているけれども、その実、この体は弱い。 発作が起きれば、すぐにばたりと倒れてしまう。 病弱であることは、棗にとってひとつのコンプレッ...
  • 窓の外の季節を眺めて 入院記録編
     優希はベッドに腰掛けて窓から曇った灰色の空を眺めるだけの時間を過ごしていた。  一人静かに、特に何を考える訳でもなく、空を、雲を、太陽や月を、ただボンヤリと眺める。偶にその視線を落とし、海に向かってなだらかに下っていく町の風景を見ることもあるが、気付けば空を眺めている事が多い。  今現在は足だけだが、時には手が、時には全身が使えなくなる病を抱えている優希にとって、ソレは寝たきりになった状態でも彼女が出来る貴重な行為だ。  手足を使わないと出来ない事が日常化してしまったら、また手足が使えなくなった時に自分の状態を強く認識してしまい、より苦痛を感じてしまう。  優希がソレに気づいて以来、彼女はココ何年かで一番多くの時間をこの行動に費やしていた。  他の患者と話す事に楽しさを見出せず、むしろ苦痛しか感じなくなってからは特にソレが酷くなった。  隣の患者は優希の知らない話題をたくさん...
  • この春に、桜と君と
     僕は、夢と言う希望に溢れるものを持っていなかった。やるべき事も見付からず、かと言ってやりたい事も見付からず、ただ惰性的に毎日過ぎて行く時の流れをぼんやりと眺めるばかりで、生きていると言う実感が希薄だった。  けれど、僕には此処に来ている回数が皆目見当も付かないのだ。  僕は白い壁に囲まれた長い廊下を歩き、そして一つのドアに辿り着きながらそう思う。この扉を幾度見たのか分からなくなるほどに僕はこの場所に通い続けていた。  その扉に刻まれた傷や、少し汚れている所など、そんな細かな所まで覚えてしまっている。愛着すら湧いて出て来そうだったけれど、僕の心にはそんな余裕は無いようだ。  何故なら、この扉の取っ手を掴んでいる今でさえも平常の心臓が刻む心拍数を遥かに上回っているし、緊張の所為か唾液が異常に分泌されている。焦っているのか、怖気付いているのか、それでさえも分からない。  しかし、それ...
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