妹「お兄ちゃんまだぁ?」
兄「あ、今目開けたろ?駄目だよ着いてからのお楽しみなんだから」
妹「えー、でもいいや!お兄ちゃんと手つなげるから!」
兄「じゃあ、ゆっくり歩くよ」
妹「いったいなんなの?」
兄「きっと驚くよ」
兄「着いた!いいよ!!」
妹「ああ!!!!」
兄「お前の大好きな蓮華、今年もきれいに咲いたよ」
妹「すごーい!一面蓮華だ!!」
兄「びっくりした?」
妹「うん!お兄ちゃん大好き!!」
兄「こらこら、そんなにくっつくなって、苦しい・・・」
十年前―
妹「グスン・・グスン・・」
兄「ねえきみ、なんでないてるの?」
妹「わからない」
兄「わからないのにないてるの?」
妹「ううん、なんでわたしはひとりなのかわからないの」
兄「ぼくもひとりだよ ぼくのおとおさんとおかあさん
ぼくをおいてどっかにいっちゃった」
妹「わたしの・・グスンおとおさんとおかあさんは?」
兄「ぼくそんなのわからないよ・・・」
妹「そんなのずるいよ・・・グスン・・え~ん!」
兄「なかないで そんなにないてたられんげばたけがみえないよ!」
妹「れんげばたけ?」
兄「きみのうしろ、きがつかなかったの?」
妹「うん きれい・・・」
兄「ねえ、ひとりでかなしいならさ、いっしょにくらそうよ!」
妹「え?」
兄「へへへ・・じつはぼくもひとりでさびしかったんだ
でもきみといっしょにいればさびしくない」
妹「うん!!」
妹「お兄ちゃん!!」
兄「!?」
妹「お兄ちゃんどうしたのボーッとして?」
兄「いや何でもないよ」
妹「ねえ、夕焼け・・・」
兄「ホントだ!きれいだな・・」
妹「・・・・」
兄「何お祈りしてるんだ?」
妹「へへっ!お兄ちゃんとずっと幸せにくらせますよーにって!」
僕らはただ幸せを夢見ていた。
時には泣き、時には笑い、
蓮華の咲き乱れる野原で夕陽を見る。
これだけでも幸せだった。
なのに・・・
妹「お兄ちゃん!お兄ちゃーん!!」
兄「妹!!くっ!離せ!離せよ!!」
「捕虜は女と男を引き離せ!子供もだ!!」
兄「妹!くそっ!!」
ボコッ
「ぐっ」
兄「妹!!今、そっちに行くから!!」
「抵抗するやつには構わん!撃て!!」
「了解!」
パーン・・・
妹「お兄ちゃん!お兄ちゃーーーーーーーーーん!」
「捕虜はこれで全員か?」
「はい!全員確保いたしました!」
「よし連れて行け!!」
「今撃った子供はいかがいたしましょう?」
「放っておけ。どうせすぐ死ぬだろう」
兄「・・まて・・・いも・・うと・・・・をかえ・・せ」
僕は気がついたらベッドの上にいた。
あのあとすぐに救助の軍隊が来て僕を治療したらしい。
ふとベッドの横の花瓶に目をやると
そこには妹が大好きだった蓮華が添えられていた。
涙が一気にあふれだした。
「れんげばたけ?」
「きみのうしろ、きがつかなかったの?」
「うん きれい・・・」
「ねえ、ひとりでかなしいならさ、いっしょにくらそうよ!」
「え?」
「へへへ・・じつはぼくもひとりでさびしかったんだ
でもきみといっしょにいればさびしくない」
「うん!!」
兄「また・・独りにしちゃったな。ごめん、ごめんね・・・」
あの河の向こう側に妹はいるらしい。
僕はこの河を辿っていった。
その途中途中で僕は河沿いに蓮華の種を植えていった。
歩いてきたこの道に最後には花が咲くように。
待っててね、そっちに行くから。
だから
今はまだ泣かないで いつか会える日のために
ROOTS~fin~
最終更新:2008年06月05日 08:49