彼は「『奇皇后』が始まる時は、タファンという人物をちゃんと作ることが目標だった。ある程度成し遂げたが残念な点も多い。でもすごく楽しく作業できたと思う」と話した。事実、チ?チャンウクは『奇皇后 DVD』に最も遅く合流した俳優だ。『奇皇后』の役に多くの男性俳優が取り上げられたり他の俳優が選ばれたりもした。いわゆる代打だった彼が大当たりしたようなものだが、初撮影の当時になってもプレッシャーが大きかった。
「俳優らはタファンが出るシーンだけ飛ばして撮影を行っていましたし、僕は衣装が出来るのだけを待ってすぐに合流しました。格安DVD心 配になったというよりは「監督と作家は僕を信じられるだろうか」って思いました。ベストを尽くして見せなければって思いました。放送が流れた後、作家から 電話があって「すごく心配したけど上手く表現してくれて有難う」って言われました。その時からもっと意見を出したり、多くのものを見せたりすることが出来 たように思います」
タファンは奇皇后と同じくらい変身の幅が広いキャラクターだった。皇太子の身分にもかかわらず皇位を弟に奪われ、高麗に島流しされるなど辛い幼年時 代を送った。また皇帝になってからも自分を脅やかしていた人物に立ち向かって戦わなければならなかった。「たぶん『奇皇后』で一番変化が多いキャラクター じゃないかと思います。その流れやリズムを逃さずどのように連結させるか悩みました。一話の中に笑ったかと思ったら恐がったりと、全ての感情気分が入って いるじゃないですか。すごく台本をたくさん読んで、どのように計算して演技をすればよいか考えました」
チ?チャンウクは劇の序盤、幼弱な皇太子の姿を愛らしく昇華させ、とぼけた演技は毎回熱い好評を導き出した。スンニャン(ハ?ジウォン)に対する純 愛ぶりは視聴者の心を掴み、皇帝になってからはその存在感は日に日に光を放っていった。威厳とカリスマ溢れる皇帝として、愛する女性に対する切なくも壮絶 な恋をする男としてブラウン管を強烈に捕えた。チ?チャンウクは憤怒や苦しみ、切なさ、狂気を行き来する多彩な感情演技で視聴者を魅了した。韓国ドラマ dvd
「よく王と言えばカリスマがあって、威厳のある姿を思い浮かべるじゃないですか。僕は皇帝や王としてのタファンより、人物タファンを考えました。座
る時にべたりと座り込んだり気軽に行動したり、ゴルタといるシーンでは甘えてみたり。「王も人間なのに実生活ではそうじゃなかっただろうか」って想像しま
した。考証というものは一つの推測なだけで、実際には見ていないので可能なように思います。僕は時代劇というジャンルがファンタジーだと思うので、たくさ
ん想像しました」
劇後半部、狂気じみたタファンを演じ、チ?チャンウクの演技は「良くなった」という評価を受けた。タファンに対する心のこもったアプローチがあったからこ
そ可能な演技だった。「よくタファンは「狂った」と言われますが、あいまいではなく明確に表現したかったんです。殺人魔もしくはサイコパスとも見えます
が、訳の分からない人物ではなく狂っていても願うことは何で、それを自ら知って行ったのではと思いました」
ハ?ジウォンとのロマンス演技も漏らすことが出来ない。タファンはキ?スンニャンだけを純粋に見つめる孤独なキャラクター。最終回ではキ?スンニャ ンの胸の中で「愛している」という告白を聞きながら死ぬ、ハッピーエンドではないハッピーエンドを迎えた。「タファンはすごく孤独で、本当にたくさん泣き ました。「自分が王になったのに孤独な理由は何なのか」というセリフが理解できました。次第に自分も知らずに皆を排斥するシーンでは孤独になる王の感じを 受けました。同情したりもしましたし」
「最終回の51話の台本をもらってから気持ちがそうでした。僕が考えるタファンはスンニャンだけを見つめる人だったんですが、「タファンを愛している」って聞いてからその紐を緩めてこの世を去ることは残念でした。心がすごく痛かったです」