浮世絵系

◇綾本著色聖徳太子絵伝 平安時代・延久元年(1069) 秦致貞筆 ※国宝
 年紀の判明する聖徳太子絵伝としては最古。
 日本書紀の第22巻、「推古天皇七年 秋九月一日、百済が駱駝一匹、ロバ一匹、羊二匹、白雉一羽を奉った。」という記述に基づき、第三幅の左上にいる。
 「駱駝」という文字はかなりくっきり残っているためテンションブチあがりであるが、一方で肝心の駱駝の描写は「でかい青い馬」という感じで、少なくともこの時期は現物を見ることはかなわなかったのだと知れる。国宝なのでe国宝で見られる。いのちたすかる。
 身体が青いのは、もしかしたら唐三彩藍釉載楽駱駝胡人俑とかを見たのかなあ?(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/592526)と思う。そのころから会ったかは知らんけど…。でもだとしたらもうちょっと駱駝っぽくかけたのでは?! と思ったりもする。
https://emuseum.nich.go.jp/detail?langId=&content_base_id=100205&content_part_id=000&content_pict_id=000


◇聖徳太子絵伝 鎌倉時代 嘉元3年(1305年)上野法橋、但馬房 ※重文
 年紀の判明する聖徳太子絵伝としては国宝(秦至貞、1069年)に次ぐ作例。
 ただしこちらは、江戸時代(天保13年、1842年)に古藤蚕真、山内勝春の筆で摸本が作成されており、その摸本も東京国立博物館にあるため、線などが明瞭なものが非常に確認しやすくて命助かる。
 日本書紀の第22巻、「推古天皇七年 秋九月一日、百済が駱駝一匹、ロバ一匹、羊二匹、白雉一羽を奉った。」という記述に基づき、第三幅(秋)の右上、聖徳太子二十七歳のエリアにらくだがいる。
 やはり、ただ、完全にらくだというものをわかっておらず、完璧にただの白い馬である。(小さめの個体は羊二匹のほう、羊と白い馬に挟まれている茶色い個体は驢馬だと思うため)。完全に駱駝をかくことをあきらめ、馬みたいなものらしいから馬でいっか。みたいな気合を感じる。これもまたおもむきがあっていいね。
 どうでもいいが、鳥かごが二つある(奉られたのは白雉一羽のはずなのに)のは、前年の、「六年夏四月、難波吉士磐金は新羅から帰って、鵲二羽を奉った」の二羽をいっしょくたにしてんのかなってかんじである。多い方がうれしいからね。
 https://emuseum.nich.go.jp/detail?langId=ja&webView=&content_base_id=101298&content_part_id=0&content_pict_id=0


◇「涅槃図」室町時代(15世紀)
 フタコブラクダの記載あり。
 2021年の府中市立美術館における「動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」にて展示された、個人蔵。
 こちらの涅槃図に、フタコブラクダが含まれている。一頭。
 なかなか正確なフタコブラクダである。
 横顔であるが、輪郭がらくだより。頭や首もふさふさしている。ヒヅメが割れているかどうかは横向きなので確認不能、しっぽは細め。こぶも控えめではあるが、「フタコブラクダだな」とわかるくらいの造形ではあった。
 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakuitiran/2021_3_doubutu.html

◇カピタンの駱駝(1647年)
 ヒトコブラクダ!
 オランダ商人のカピタンが、徳川家光にヒトコブラクダ二頭を見せたという出来事がある。その時の様子を示した絵も残っている。
 https://www.city.nagasaki.lg.jp/nagazine/hakken/hakken1710/index.html

◇涅槃図 生駒等壽 17世紀後半
 ヒトコブラクダ?!
 これはヒトコブラクダではないですか?! というのがあり。公開されたところをみたことがないんだが…見てみたい…。
https://www.minato-rekishi.com/museum/2009/10/74.html

◇八相涅槃図 1727年 名古屋市・西来寺
 フタコブラクダ(仮)
 仮、といのは、どうみても馬だから。フタコブがついている馬というおもむき。しっぽとひづめは確認できず。うすめの色合い。この時代を下っていくと、結構表現が精緻なフタコブラクダが増えていくため、結構レア。右下のあたりみてね。
 https://www.seiraiji.com/

◇仏涅槃図 18世紀
 フタコブラクダ。
 2024年4月、府中市立美術館で展示されて見られた。ラッキー!
 結構蹄もしっかりわかれているし、しっぽもう詩っぽくてとても嬉しい!おひげもあってとてもいい。

◇涅槃図 1786年 
 フタコブラクダ。 
 かなりシンプルなライン。これは実際にみたのか…?!
https://www.museum.city.nagoya.jp/collection/data/data_39/index.html

◇伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」
ヒトコブラクダ…? フタコブラクダかも…?
https://artflow-jp.com/jakuchu-chojukabokuzu/

◇1821年文政4年のラクダの来訪
 1821年にヒトコブラクダがやってきたときの絵、結構のこってる。
 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/412525
 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/431142

◇「駱駝図」江戸時代 文政8年 1825年 谷文晃
 ヒトコブラクダ。
 「見て描いたんだな」とわかる精緻な絵。かわいい。この時期になると、ヒトコブラクダも輸入されるようになり、「見て描いた」絵になる。
 http://tekisuiken.or.jp/collection/kacho/k.108.html



※動物の旅 と、えんこうあんの本 に記載されている浮世絵もそのうちうつしたい
 駱駝具志はここでもみられるし…
 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/401978

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最終更新:2024年04月17日 19:28