雨の降る西荻窪、ボロアパートの一室。
1人の儚げな少女がチョークで床に魔法陣を描く、チョークを床に置きズレたベレー帽を直しつちょっと一息。

鳩羽つぐ「ふぅ…こんな感じかな?」

少女、「鳩羽つぐ」は次に古ぼけた本を開いて指でなぞりながら詠唱を始める。

鳩羽つぐ「えーっと…そに…銀と鉄…そに…けーやくの…だいこん?」

難しい文字は訳して貰ってはいるが流石に幼いつぐには読みづらい為所々曖昧に詠唱を続ける。

鳩羽つぐ「よくしの…輪より来たれ…て、天秤の…守り手よー」

すると魔法陣が光出す、余りにも眩い光につぐは思わず本で視界を遮る。
続いて爆音、巻き上がる煙…最後に聴こえたのはどこか気の抜けた「めぇ〜」という鳴き声。

鳩羽つぐ「……わぁ!ヤギさんだ!」

現れた1匹のヤギを見ると思わず駆け寄り白い体毛に覆われた体を撫でる。

ヤギ「めぇ〜」
鳩羽つぐ「よろしくね、ヤギさん」

いま、少女と超次元究極生命体の運命(Fate)が動き出す…
最終更新:2020年10月11日 23:13