──俺は機械だ。
自我を持った機械だ。
故に俺は、俺自身の意思で、 機械として生きていく。

──おめでとう。
永劫の繰り返しと果てしない戦いを経て、
あなたはついに完成に至った。

さあ、行きなさい。
あなたが求めた新たな世界……。


更なる戦いの世界へ!──


「さて、始めようか」

金髪の長いツインテールとゴスロリ風の衣装が特徴の少女が何もない空間から仮想キーボードと仮想画面を具現化し、仮想キーボードをカタカタと打ちながら英霊召喚の準備を仮想画面に書いていく。

チェルシー「これを…こうして、と…」

少女──チェルシーは「ムラクモ」と呼ばれる特殊機関の戦闘班「13班」に所属する異能力者のハッカーだ。
其の超人的な情報技能で仲間の支援や敵の妨害を得意としている。

そんな彼女の元に一つの依頼が届く。
其の依頼は万能の願望機とされる「聖杯」の調査だった。

依頼を受けた彼女は同じ13班の仲間に見送られながら「聖杯戦争」に己の身を投じる。

チェルシー「ふふふっ…ボクの可能性は無限だ」

仮想画面には魔法陣と召喚用の詠唱が書かれていた。

チェルシー「たーん♪」

仮想キーボードを打つと、仮想画面が光出す。
縁を結ばれ召喚に応じた英霊が姿を現わす。

銃口の付いた歪な形をした頭部。
プラズマが帯電された盾の様な左腕。
超高温のプラズマの刃を持つ右腕。
銃口が付いた歪な形の鎧の様な胸部。
素足で骨盤が浮き出た様な歪な脚部。

「──お前が俺のマスターか?」

金色の異型の英霊はチェルシーに向けて疑問を問う。

チェルシー「うん、ボクが君のマスターだよ」

手の甲に現れた「令呪」を見せ、マスターである事を示す。

GRAM「……そうか」

答を得た異型の英霊──GRAMは口数少なげながらも、彼女を自分のマスターである事を認めた。

チェルシー「これから、よろしくね?」

そう言ってGRAMを見ながら、チェルシーは笑みを浮かべた。
最終更新:2020年10月11日 23:17